大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。
第197話陶芸村4
「御許しください。御許しください。御許しください」
襤褸雑巾のようになって、この場から引きずり出された商人が押していた陶工。
当代の四男だったと思う。
余りの暴力を目の前で見て、恐怖に震えあがっている。
だが、この場で小便をちびるのは止めてもらいた。
「その者を厳しく調べよ」
「ひぃいいい。御許しください。御許しください。御許しください」
馬鹿が魔晶石使い魔に引きずり出されていった。
叩けば色々と悪事が出てくるだろう。
いや、あれほど恐れているのなら、聞くだけで全てを白状するかもしれない。
でもああいう奴は、息をするように嘘を吐くから、決まった言動しかできない魔晶石使い魔では誤魔化されてしまうかもしれない。
「専門の拷問官に調べさせよ」
「はい」
「死なないように、狂わないように、地獄のような苦痛を永劫に味合わせ、悪事を隠せないようにせよ」
「はい」
この場に残っている者達の顔に表情がなくなっている。
ガビが女王に戴冠した新たな国であろうと、拷問官は恐れられているようだ。
どのような国でも、拷問官の悪行は民を恐怖に陥れていたのだろう。
ましてこの村は、愚かな王女の政策下にいたのだから、拷問官も悪い意味で大活躍していただろう。
「さて、改めてこの場で問う。王家御用達の審査を受けるのだな」
「恐れながら申し上げます」
「なんだ」
「今迄の事を反省いたしました」
「ほう。それで」
「審査の願いを取り下げさせていただきたいのです」
「反省ねぇぇ。審査の取り消し願だけで、王家を騙し粗悪品を売りつけようとしたこと。市場に粗悪品を流して民を騙そうとしたこと。許されると思っているのか」
「罰金を御払いいたします。どうか、どうか、どうぅぅか、御許しいただきたく」
目端の利く商人が、一転詫びを入れてきた。
ようやくこの場が、陶芸家当主の座をかけた審査場ではなく、王家に粗悪品を売りつけようとした、犯罪者を裁く場だと理解したようだ。
「私も。私も願いを取り下げさせていただきます」
「御前もか。それで、御前は罰金を払う気があるのか」
「あの、その、罰金は御幾ら位になるのでしょうか」
「値段が知りたいか」
「はい、あの、その」
「御前達の苦痛の叫びだ」
「「「「えっ」」」」
「どれくらい悪質であったかは、その身体に聞いてみなければ分かるまい」
「そんな」
「御許しください」
色々と言い訳や泣き言は言っていたが、金の為ならどのような悪行だって平気でやってきた商人だ。
今度は自分が被害者と同じ立場に立ってみればいい。
ミカサ一族の拷問官ならば、その罪に応じた対応をしてくれるだろう。
襤褸雑巾のようになって、この場から引きずり出された商人が押していた陶工。
当代の四男だったと思う。
余りの暴力を目の前で見て、恐怖に震えあがっている。
だが、この場で小便をちびるのは止めてもらいた。
「その者を厳しく調べよ」
「ひぃいいい。御許しください。御許しください。御許しください」
馬鹿が魔晶石使い魔に引きずり出されていった。
叩けば色々と悪事が出てくるだろう。
いや、あれほど恐れているのなら、聞くだけで全てを白状するかもしれない。
でもああいう奴は、息をするように嘘を吐くから、決まった言動しかできない魔晶石使い魔では誤魔化されてしまうかもしれない。
「専門の拷問官に調べさせよ」
「はい」
「死なないように、狂わないように、地獄のような苦痛を永劫に味合わせ、悪事を隠せないようにせよ」
「はい」
この場に残っている者達の顔に表情がなくなっている。
ガビが女王に戴冠した新たな国であろうと、拷問官は恐れられているようだ。
どのような国でも、拷問官の悪行は民を恐怖に陥れていたのだろう。
ましてこの村は、愚かな王女の政策下にいたのだから、拷問官も悪い意味で大活躍していただろう。
「さて、改めてこの場で問う。王家御用達の審査を受けるのだな」
「恐れながら申し上げます」
「なんだ」
「今迄の事を反省いたしました」
「ほう。それで」
「審査の願いを取り下げさせていただきたいのです」
「反省ねぇぇ。審査の取り消し願だけで、王家を騙し粗悪品を売りつけようとしたこと。市場に粗悪品を流して民を騙そうとしたこと。許されると思っているのか」
「罰金を御払いいたします。どうか、どうか、どうぅぅか、御許しいただきたく」
目端の利く商人が、一転詫びを入れてきた。
ようやくこの場が、陶芸家当主の座をかけた審査場ではなく、王家に粗悪品を売りつけようとした、犯罪者を裁く場だと理解したようだ。
「私も。私も願いを取り下げさせていただきます」
「御前もか。それで、御前は罰金を払う気があるのか」
「あの、その、罰金は御幾ら位になるのでしょうか」
「値段が知りたいか」
「はい、あの、その」
「御前達の苦痛の叫びだ」
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「どれくらい悪質であったかは、その身体に聞いてみなければ分かるまい」
「そんな」
「御許しください」
色々と言い訳や泣き言は言っていたが、金の為ならどのような悪行だって平気でやってきた商人だ。
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