大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。
第191話漫遊
「ルイ様。次はどこに参りましょうか」
「いや、どこと言われても、特に当てもないよ」
「そうですね。ルイ様と旅が出来るのなら、どこでもかまいません」
「そう言って貰えるのは嬉しいけれど、何か軸になる目標か、行程くらいは決めた方がいいね」
「そうですね。国内の巡検が目的では味気ないですね」
「民の為には役に立つけれど、好きに旅すると言うモノではなくなってしまうからね」
「ではルイ様が言われたように、道なりに旅するのがいいのでしょうか」
「そうだね。道なりだと、結果的に巡検になったとしても、心配な所を飛び飛びに行くと言う訳ではなくなるから、旅行らしくなるね」
「では、この村から道なりに旅を致しましょうか」
「そうだね。態々今から辺境に飛んで、魔境やダンジョンに行くようだと、漫遊とは言えないだろうね」
「私はルイ様と新婚旅行が出来るのなら、魔境やダンジョンであろうと、巡検と兼務で飛び飛びであろうと構いません」
「そう言って貰えるのは嬉しいね。まあ、国境線近くや国境があいまいな所に行ってしまうと、新婚旅行ではなく侵攻旅行になってしまうから、ここから道なりに旅を始めよう」
「はい。ではどの方向に向かいましょう」
「今私達が顔を向けている、北に向かって歩こう」
「はい。ルイ様」
ガビが嬉しそうに腕を組んでくる。
二人が好意を隠すことなく、ラブラブにもつれて歩く姿は、はたから見れば異様だろう。
同性の愛情が禁じられているこの世界で、幻覚魔法で妙齢の美女に変身した余とガビが、天下の街道をイチャイチャして歩いているのだ。
田舎の民は目のやり場に困っているし、神官に見つかれば厳罰を与えようとするだろう。
いや、異性同士であろうと、このような行為は破廉恥だと糾弾してくるだろう。
だが今回はそれほど気にする必要もない。
最初の村で、ガビを激怒させるような闇奴隷売買があったから、もうそんな事をガビの眼に触れさせないように、銅級と鉄級の魔晶石使い魔を、巡検使の先触れとして派遣してある。
魔晶石使い魔は、事前に悪事を働いている者を逮捕して、しかるべき拠点の街に移送している。
全ては余が命じた事だが、御陰で嫌なモノを見ずにすんでいる。
ガビが余との新婚旅行を愉しみにしてくれているのだから、余としても出来る限り愉しんでもらえるように努力する。
だから、先々の村の掃除が終わるまでは先に進まず、一緒に野草を摘み果実を採取し、たわいもない小動物を狩り、一緒に料理をして過ごした。
そんな普通の旅が、ガビにはとても新鮮で楽しいようで、本当に好い笑顔を浮かべてくれている。
そんな笑顔をずっと見ていたいから、柄にもなく努力しようかと思ってしまう。
「いや、どこと言われても、特に当てもないよ」
「そうですね。ルイ様と旅が出来るのなら、どこでもかまいません」
「そう言って貰えるのは嬉しいけれど、何か軸になる目標か、行程くらいは決めた方がいいね」
「そうですね。国内の巡検が目的では味気ないですね」
「民の為には役に立つけれど、好きに旅すると言うモノではなくなってしまうからね」
「ではルイ様が言われたように、道なりに旅するのがいいのでしょうか」
「そうだね。道なりだと、結果的に巡検になったとしても、心配な所を飛び飛びに行くと言う訳ではなくなるから、旅行らしくなるね」
「では、この村から道なりに旅を致しましょうか」
「そうだね。態々今から辺境に飛んで、魔境やダンジョンに行くようだと、漫遊とは言えないだろうね」
「私はルイ様と新婚旅行が出来るのなら、魔境やダンジョンであろうと、巡検と兼務で飛び飛びであろうと構いません」
「そう言って貰えるのは嬉しいね。まあ、国境線近くや国境があいまいな所に行ってしまうと、新婚旅行ではなく侵攻旅行になってしまうから、ここから道なりに旅を始めよう」
「はい。ではどの方向に向かいましょう」
「今私達が顔を向けている、北に向かって歩こう」
「はい。ルイ様」
ガビが嬉しそうに腕を組んでくる。
二人が好意を隠すことなく、ラブラブにもつれて歩く姿は、はたから見れば異様だろう。
同性の愛情が禁じられているこの世界で、幻覚魔法で妙齢の美女に変身した余とガビが、天下の街道をイチャイチャして歩いているのだ。
田舎の民は目のやり場に困っているし、神官に見つかれば厳罰を与えようとするだろう。
いや、異性同士であろうと、このような行為は破廉恥だと糾弾してくるだろう。
だが今回はそれほど気にする必要もない。
最初の村で、ガビを激怒させるような闇奴隷売買があったから、もうそんな事をガビの眼に触れさせないように、銅級と鉄級の魔晶石使い魔を、巡検使の先触れとして派遣してある。
魔晶石使い魔は、事前に悪事を働いている者を逮捕して、しかるべき拠点の街に移送している。
全ては余が命じた事だが、御陰で嫌なモノを見ずにすんでいる。
ガビが余との新婚旅行を愉しみにしてくれているのだから、余としても出来る限り愉しんでもらえるように努力する。
だから、先々の村の掃除が終わるまでは先に進まず、一緒に野草を摘み果実を採取し、たわいもない小動物を狩り、一緒に料理をして過ごした。
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