大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。
第159話魔界探査
「準備は不十分だが、これ以上時間をかける訳にはいかない。一刻も早く、ダイを助けないと」
集中しているルイは、ついつい独り言を言っている。
普段のルイなら、準備に時間をかけて、万全の体制を敷いてから、使い魔を魔界に送っていただろう。
魔界との門を護らせていた、三体の玉鋼級の魔晶石使い魔を魔界用に改造し、金剛石級魔晶石使い魔と連携させるようにしていただろう。
同じく五万以上の銅級・鉄級・銀級魔晶石使い魔を統合改造して、更に魔晶石を追加する事で、玉鋼級魔晶石使い魔を一体完成させ、金剛石級魔晶石使い魔と連動させていただろう。
いや、五万体の銅級・鉄級・銀級魔晶石使い魔を、雑用用にそのまま送り込んでいたかもしれない。
だが今のルイには、そんな精神的余裕はなかった。
「恐ろしいほどの魔力が溢れる世界だが、生物の反応が全くないな」
ルイが送り込んだ使い魔は、基板に刻み込まれた魔法陣による多彩な能力を生かして、圧倒的な防御魔法で己を護りながら、基板に刻み込まれた探査魔法を幾種も使って、徹底的に魔界を探った。
だがルイにもたらされる情報は、全てが焼き尽くされたような、荒涼な大地だけだった。
ルイは知らない事だが、ダイが暴走してしまった事で、魔界の一部は、魔族すら住むのが困難な世界になってしまっていた。
「魔法の反応だ。行け」
ルイは心配の余り、普段なら心で念じるだけで操っている使い魔を、独り言をつぶやきながら操っていた。
こんな所をガブリエラ王女に見られたら、ダイとの関係を誤解されかねない。
「あれは、魔晶石使い魔」
ルイの魔晶石使い魔が発見したのは、ダイが創り出した魔晶石使い魔だった。
銅級・鉄級・銀級の魔晶石で創り出した、十体の玉鋼級魔晶石使い魔の内の一体だった。
他にも金級・白金級・白銀級の魔晶石で創り出した、玉鋼級魔晶石使い魔が百体いるはずだが、今探知出来るのはこの一体だけだった。
「ダイ、私です。ルイです。無事なのですか」
ルイは使い魔の能力の一つを使って、ダイが造ったであろう使い魔に話しかけた。
ダイが無事で、使い魔と連携していれば、直ぐに返事をしてくれるはずだからだ。
だがその使い魔は、何の反応も示さず、ただ魔界を焼きつくすだけだった。
「もう止めて下さい。これ以上破壊しても無意味です」
何度ルイが呼び掛けても、使い魔は魔界の魔力を利用して、玉鋼級に相応しい強力な魔法を使って、魔界の大地を繰り返し焼き払うだけだった。
集中しているルイは、ついつい独り言を言っている。
普段のルイなら、準備に時間をかけて、万全の体制を敷いてから、使い魔を魔界に送っていただろう。
魔界との門を護らせていた、三体の玉鋼級の魔晶石使い魔を魔界用に改造し、金剛石級魔晶石使い魔と連携させるようにしていただろう。
同じく五万以上の銅級・鉄級・銀級魔晶石使い魔を統合改造して、更に魔晶石を追加する事で、玉鋼級魔晶石使い魔を一体完成させ、金剛石級魔晶石使い魔と連動させていただろう。
いや、五万体の銅級・鉄級・銀級魔晶石使い魔を、雑用用にそのまま送り込んでいたかもしれない。
だが今のルイには、そんな精神的余裕はなかった。
「恐ろしいほどの魔力が溢れる世界だが、生物の反応が全くないな」
ルイが送り込んだ使い魔は、基板に刻み込まれた魔法陣による多彩な能力を生かして、圧倒的な防御魔法で己を護りながら、基板に刻み込まれた探査魔法を幾種も使って、徹底的に魔界を探った。
だがルイにもたらされる情報は、全てが焼き尽くされたような、荒涼な大地だけだった。
ルイは知らない事だが、ダイが暴走してしまった事で、魔界の一部は、魔族すら住むのが困難な世界になってしまっていた。
「魔法の反応だ。行け」
ルイは心配の余り、普段なら心で念じるだけで操っている使い魔を、独り言をつぶやきながら操っていた。
こんな所をガブリエラ王女に見られたら、ダイとの関係を誤解されかねない。
「あれは、魔晶石使い魔」
ルイの魔晶石使い魔が発見したのは、ダイが創り出した魔晶石使い魔だった。
銅級・鉄級・銀級の魔晶石で創り出した、十体の玉鋼級魔晶石使い魔の内の一体だった。
他にも金級・白金級・白銀級の魔晶石で創り出した、玉鋼級魔晶石使い魔が百体いるはずだが、今探知出来るのはこの一体だけだった。
「ダイ、私です。ルイです。無事なのですか」
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