大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

第147話殲滅開始

「民をこの家の周辺に集めてくれ」
「「「「「はい」」」」」
ガブリエラと親衛隊の参戦で、驚くほど状況が改善された。
ルイの魔力の回復が使用量を上回った事で、回復を待つ時間が不要になったのだ。
今までは、本当なら瞬殺できる魔族やスライムを目の前にしても、魔力が回復するまで滅殺出来なかったが、今では直ぐに滅殺することが出来た。
クリューサーオールとペーガソスに騎乗する事で、魔力を使うことなく魔族とスライムがいる所まで移動することが出来た。
移動時間に魔力を回復する事が出来たので、次に魔族とスライムと出会った時に、すぐに滅殺することが出来た。
特に大きかった事は、移動が遅く、逃げるだけなら簡単だが、繁殖力と生存性が異様に強い、スライムを滅殺してくれる親衛隊がいる事だった。
いくら戦闘力が強くても、魔族ならば急所を突けば、それほど大量の魔力を使わなくても滅殺することが出来た。
そんなことが出来るのはルイと一部の強者だけなのだが、緻密で精巧な上に強力な魔法陣を刻んだハルバードを駆使し、魔族の首を刎ね、数ある心臓を全て刺し貫き、魔核を奪い取ることで、それほど魔力を使わなくても、強力な魔族を滅殺することが出来た。
一方スライムは、細胞の一片でも残っていたら、瞬く間に分裂増殖してしまうので、多めの魔力を使ってでも、殲滅しなければならなかった。
それを親衛隊が担当してくれた上に、ある程度まで弱体化させ、縮ませたスライムを、普通の住民に焼き殺すように指導してくれたのだ。
一定の大きさにまで弱体化させたスライムは、人間を捕食する事が難しくなる。
移動速度が遅いし、直ぐに消化吸収する事も出来なくなる。
そうなると、大人の人間が数人でチームを組めば、松明の火でもスライムを滅殺することが出来る。
今までは、敵の数が余りの多く広範囲に散らばっていたので、普通の住民に強力を頼む事など出来なかった。
そんな時間があれば、少しでも魔族とスライムの滅殺に使っていた。
だが今は、ダイが魔界からの魔族とスライムの侵入を止めてくれた上に、ガブリエラの親衛隊が住民を指導してくれる。
魔力も時間も大幅に節約出来るようになった。
その魔力と時間を使って、魔族とスライムの滅殺を一気に進めたのだが、これが思いもかけない影響を与えてしまった。
必死に戦っていたので、ルイは変装などをしていなかった。
ガブリエラも、ルイに姿形を見てもらいたかったので、変装などしなかった。
地獄のような状況で、命を救われた人々は、ルイとガブリエラの事を決して忘れなかったのだ。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品