大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

第136話連携戦

魔界の大貴族たちは、鎧兜を装備していて防御力が高い大将軍が前衛になり、公爵が中衛となり防御魔法や支援魔法を使って大将軍の支援を行い、大公や王子が後衛で破壊力の強い攻撃魔法を準備する戦法を使おうとした。
だがいくら基本能力が高い魔界の大貴族とは言え、普段は弱肉強食の殺し殺される関係なので、ダイから見れば連携に十分隙があったのだ。
そしてダイには、そのわずかな隙を突くだけの実力があった!
瞬足で加速した機動力を三次元的に使い、大将軍に幻影を見せた上に死角に入り込み、中衛の支援が間に合わない速さで大将軍を切り殺した。
次いで瞬く間に中衛の公爵を切り殺し、後衛の大公すら逃げる時間を与えず斬り殺した。
ダイは一組の連携を破り三魔の大貴族を瞬殺すると、隣の大将軍四魔・公爵二魔・王子一魔の組に向かって急接近した。
今度の組は七魔であったので、先ほどの三魔組よりも苦戦するのが普通なのだが、今度もダイは瞬足の機動力を三次元的に使いこなし、四魔の大将軍を瞬く間に斬り殺してみせた。
またしても中衛の二魔の公爵の支援も間に合わず、後衛の王子も何もできずに斬り殺されてしまった。
残ったのは偶然にも、三魔の大将軍が前衛と務め、一魔の公爵が中衛、二魔の大公が後衛を務めると言う組なのだが、彼らは先に殺された大貴族たちのお陰で、二組で連携する時間と経験を得ることができた。
二組ともできるだけダイから距離を取り、前衛の大将軍も後衛の大公も、詠唱時間がないか短い攻撃魔法を絶え間なく使い、ダイに中距離から攻撃魔法を叩きつける戦法に切り替えてきた。
先に皆殺しにされた組から貴重な教訓を得て、ダイに近付かれたら、斬り合うこともできずに殺されると判断したのだ。
だがその教訓も判断も、ダイと大貴族たちの実力差を埋めることはできなかった。
二組の大貴族たちに挟まれて、前後から大貴族の放つ圧倒的な破壊力の魔法攻撃を受けたダイだが、ダイの機動力は十魔の大貴族たちが連携した魔法攻撃を避けることができる程のモノだった。
ダイは前方にいた五魔を瞬く間に斬り殺し、最後に残った五魔の大貴族を斬り殺そうとしたのだが、ここで急いで駆け付けた魔界の雑兵たちが現れたのだ。
ダイと魔界の大貴族たちとの攻防は一瞬でしかなかったのだが、その一瞬の攻防の間にも、絶え間なく集まって来る魔族がおり、ダイの首を狙っているのだった。
普段人間界で抑えている力を開放したダイから見れば、いくら人間界では災厄のように恐れられている魔族とは言え、雑兵クラスなどハエやカと同然の存在でしかない。
ただハエやカと同然とは言え、雲霞のように集まられて大貴族との間に入られると、大貴族に攻撃の時間を与えてしまう。
そこで再度魔力を消費することになるが、低威力の広範囲魔法を使い、またしても雑兵クラスの魔族を殲滅させた。
だが今度も大将軍以上の大貴族が生き残った。
前回同様大ダメージを受けてはいるが、それでも大貴族が生き残ったのは面倒な事だった。

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