大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

第130話ゲルン国

ルイは直ぐに、謀叛を起こした首長の後ろ盾になったと言う、ゲルン王国に入った。
魔族に逃げらえないように、自分はもちろんクリューサーオールとペーガソスにも隠蔽魔法を幾重にもかけ、わずかな気配も漏らさないようにしていた。
探知魔法を使って魔族に気付かれるのは嫌だったので、いきなり王宮どころか王都全体に眠り魔法と麻痺魔法を使い、王都に住む全ての人が身動きできないようにした。
だが王都全体に魔法をかけたと言う事は、当然火を使っている店や家もたくさんあるので、途中で眠りや麻痺の魔法をかけられてしまうと、火事の原因になってしまう。
万が一、眠って火に突っ込んでしまったら、火傷をしてしまう可能性すらある。
いや、火力の強い炉を使っている場所では、その火力で火傷どころか死ぬ可能性すらあるのだ!
だからルイは、眠り魔法と麻痺魔法を王都全体にかけた直後に、火熱を奪う魔法も王都全体にかけて、死傷者が出ないように気を付けた。
そこまでした後で、ようやく魔族を探す探知魔法をかけたら、王宮内に魔族がいた!
魔族はルイの隠蔽魔法を見破ることができずに接近を許し、さらに眠り魔法と麻痺魔法に抵抗することもできず、その場で麻痺した状態で眠ってしまった。
魔族を発見したルイは、魔族を厳重に縄で括り逃げられないようにしたうえで、解除魔法を使って魔族を起こして尋問を始めた。
「さて、魔王召喚陣の場所を教えてもらいましょうか」
「知らぬ」
「知らないはずはないよね。答えてくれないと、拷問をしてでも教えてもらうことになりますが、それでもいいのですか?」
「勝手にすればよい」
「やれやれ、ずいぶんと強情な魔族ですね」
「ふん! 自白などしようものなら、魔王様の怒りを買って焼き殺されるではないか。裏切れば魔王様に殺されると分かっていて、人間に尻尾を振る者などおらんよ」
「確かに貴方の言う通りです。ここはしかたありません。自白魔法を使って全てを白状していただきます」
「ふん。自白魔法など使っても、我は一言もしゃべらんぞ!」
随分と威勢のいい魔族であったが、ルイが自白魔法を使うと、ペラペラと魔法陣の場所を白状しようとした。
だがここでも、魔族が裏切ろうとした直前に、魔族を焼き殺す魔界の業焔に焼き殺されてしまった。
同時にルイにも焔が叩きつけられた!
当然前回の経験を無にすることなく、攻撃反射魔法も防御魔法もに倍展開していたので、何のダメージも受けることなく、全ての攻撃を魔界にいる魔王に叩きつけることができた。
今回は前回聞くことができなかった、魔界で苦しむ魔王の悲鳴を捕らえることができた!
ルイの攻勢防御は大いに成果を上げていた!

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