「異世界動画で億万長者・ドローンの御蔭で助かっています」(神隠しで異世界に迷い込んだ人間不信の僕は、又従姉の助けを受けて異世界で生き残ろうと必死です)

克全

第95話オオツノシカ

「今日はどするんだい?」

「偵察に向かったギュンターの報告では、オオツノシカの群れが幾つかいるそうです」

「訓練相手にするのか?」

「閣下が新たに習得された魔法が、実戦でどれだけ使えるか確認しなければなりません。それにいくら閣下の故国から安い肉が手に入ると言っても、基本は自給自足体制の確立でございます」

「そうだな、それに養鶏場の増設が順調とは言え、野生動物を確実に仕留められる実力は必要だな。だが人狼族や狼獣人なら、確実に獣を狩れるのではないか?」

「確かに獣を狩って売る事が人狼族や狼獣人族の収入源でしたが、今では閣下の騎士として何不自由ない手当を頂いております。城地も賜り、安心して子孫を育てることが出来ます。この生活を維持するためには、サートウ男爵家の繁栄が1番でございますから、里山はもちろん奥山に住む獣を狩り尽し、魔境の魔獣やモンスターがさまよい出ないようにしなければなりません」

「そうか、満月期に魔獣やモンスターが獣を求めて、奥山や里山に降りてくるのを未然に防ぐのだな」

「はい、その場合人間を狙ってくると思いますが、奥山地帯は我ら人狼族や人虎族・人犬族が領地として賜っています。里山に入り込む前に、必ず仕留めて御覧に入れます」

「そうか、任せたぞ」

「お任せ下さい」

今日の訓練相手はオオツノシカか、ツェツィーリアの話では肩高が2m以上で体長も3m以上あるんだったな。しかも差し渡し4m近い大きな角を振り回して、敵と判断した動物を襲うと言っていたな。

この世界では鹿種と言っても凶暴なんだな!

さて、昨日ギガントピテクスを狩った事と、その後で自ら魔境近くにまで陣を進め、少数で行動していたコボルト族・ゴブリン族を狩った事で、また多くの魔法を習得することが出来た。

新たな攻撃魔法を覚えられたことは戦力として大きい、特に10頭以内の敵に怪我を負わせて50のダメージを与える小魔槍陣を覚えたことは、多くの敵と同時に戦わなければならない場合、とても重宝し生き残る可能性が高まる。

だが魔力総量が低い場合は、どれほど強力な魔法を習得しても宝の持ち腐れであり、使用時期と回数を制限されてしまう。だが俺に関して言えば、今まで1度たりとも魔力不足で魔法を使えなくなった事はなく、非常事態に備えて魔法の使用限界が知りたいくらいだ。

今日も俺達を発見して、角を振りまわして突撃して来るオオツノシカを迎え討ち、小魔槍・小魔槍陣
を雨霰と放ち、5群39頭のオオツノシカを狩った。



「習得魔法」
麻痺   :1頭の敵を麻痺させる
麻痺陣  :10頭以内の敵を麻痺させる
睡魔   :1頭の敵を眠らせる
睡魔陣  :10頭以内の敵を眠らせる
防御力低下:1頭の敵の防御力を低下させる
防御低下陣:10頭以内の敵の防御力を低下させる
小魔矢  :1頭の敵に怪我を負わせ10のダメージを与える
小魔矢陣 :10頭以内の敵に怪我を負わせ10のダメージを与える
小魔剣  :1頭の敵に怪我を負わせ20のダメージを与える
小魔剣陣 :10頭以内の敵に怪我を負わせ20のダメージを与える
小魔槍  :1頭の敵に怪我を負わせ50のダメージを与える
小魔槍陣 :10頭以内の敵に怪我を負わせ50のダメージを与える
即死   :1頭の敵を即死させる
即死陣  :10頭以内の敵を即死させる

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