「異世界動画で億万長者・ドローンの御蔭で助かっています」(神隠しで異世界に迷い込んだ人間不信の僕は、又従姉の助けを受けて異世界で生き残ろうと必死です)

克全

第88話粗銅交易

「イチロウ様、アバーテ城のバルバラ姉上から連絡でございます」

「なんだい?」

龍子姉さんと話をしていると、新妻のべアトリクスが声をかけて来た。新婚と言うのは気を使うところも多いが、矢張り好いもので、イチャイチャとする時間が堪らない!

最近まで人間不信の引きこもりだったが、人型のモンスターを殺しまくって、一度精神崩壊を起こして突き抜けたようで、獣人家事奴隷(メイド)達が見ていようと平気でエッチ出来るようになった。

べアトリクスなどは騎士家の嫡女予備だったこともあり、相手が家臣の女子ならば、エッチを見られても最初から全然平気だった。まあ俺も徐々に慣れたと言う事なのだろう、べアトリクスと一緒の部屋で過ごしても、気を休めることが出来るようになったし、龍子姉さんとの秘密の話を聞かれても大丈夫になった。

もちろん最重要機密以外ではあるが!

「交易が成功して、粗銅と粗鉛を10トンづつ確保出来たそうです」

「随分多いけど、対価にする商品は足りたの?」

「はい、昨日送ったガラス食器と陶磁器で何とか足りたそうです」

「分かった、故国から倍のガラス食器と陶磁器を送るよ」

「お願い致します、明日も大量の粗銅と粗鉛が持ち込まれるそうです」

「そうなると倍では足りないかもしれないね、5倍注文しておくけど、全部が明日届くとは約束できないな」

「大丈夫でございます、万が一間に合わない時は塩か砂糖、もしくは彼らが喉から手が出るほど欲しがっている、赤胡椒か白胡椒を送ります」

「そうか、その辺の駆け引きはべアトリクスとバルバラに任せるよ」

ほとんど詐欺のような交易で少々心苦しいが、異世界では決して手に入らない物だから、千金万金を積んでも欲しいと言う者がいる。日本では百均で売られるような安物のガラス食器と陶磁器ではあるが、曇り1つない透明なガラスや鮮やかに着色されているガラスは、海外に輸出すれば莫大な利益を商人にもたらす。もちろん赤絵や青絵に加え、緑や黄・橙など、異世界では出す事の出来ない色を焼き付けた陶磁器も、輸出すれば莫大な利益を商人にもたらすから、俺が欲しがる粗地金を競い合って持ち込んでくれる。

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