「異世界動画で億万長者・ドローンの御蔭で助かっています」(神隠しで異世界に迷い込んだ人間不信の僕は、又従姉の助けを受けて異世界で生き残ろうと必死です)
第66話無視と騎士叙勲式
反社会組織や工作組織から送り込まれたと思われるドローンは無視することにしたのだが、放置して領民や敵対貴族・騎士に利用されても困る。そこでローゼンミュラー家で保管してもらう事にしたのだが、その上で潜ませてあった現金は、非常時に俺に払う為の軍資金にさせた。
近い未来に反社会組織や外国支援の工作組織が、先兵となる人員を異世界に送り込んで来る可能性が高い。しかも利益になるのなら、俺やローゼンミュラー家と敵対している貴族・騎士と協力体制を築く恐れすらある。
そこで以前から募集していた従兵や騎士の採用枠を大幅に増やしたのだが、これはこれで敵対貴族・騎士の工作員(スパイ)を抱え込む危険が増える。痛し痒しの状態ではあるが、今回は異世界内の危険が増える方がマシと考え採用枠を増やす決断をした。
腰まである長く綺麗な黒髪に魂を吸い込むような漆黒(しっこく)の瞳、凛々(りり)しさを越え勇ましさが目立つ顔、スラリと引き締まっていると言うよりもバネのような瞬発力を窺(うかが)わせる肢体。正式に白銀の騎士甲冑を身に纏う準備として、鎧下に着るのに相応しい飾り気のない服を身に付けている。
騎士叙勲会場には、サートウ家とローゼンミュラー家の重鎮が参加している。俺が参加できるように人選したため、どうしても人数が限られてしまう。1番多いのは獣人家事奴隷(メイド)たちなのだが、それは仕方がない事だ。
「ツェツィーリア・アニエッリ、前へ」
「はッ!」
上段にいるローゼンミュラー家当主・クラウスに呼ばれ、ツェツィーリア・アニエッリは祭壇(さいだん)へと続く段差を一歩一歩登って来る。
バッハ聖教皇国では、騎士を名乗るには実力・経済力・名誉が必要だった。自由騎士を詐称(さしょう)する事も可能だが、やはり仕えるべき主家の家紋を刻んだ騎士甲冑を身に纏(まと)ってこその正騎士だ。
ツェツィーリアは祭壇の前まで階段を上る、聖職者としてブリギッタがツェツィーリアの剣に祝福を与えた。
ここからが俺の出番だが、足が委縮し手が震える!
しかしここで逃げ出す訳にはいかない、何としてもやり遂げなければならない!
委縮した足を叱咤(しった)して前に進み、祝別された剣を付けた革帯をツェツィーリアの腰にしめ、足に拍車 つけてやる。
今は介添え役になっている4人の妹が、兜・鎧( 鎖帷子 )を着用させ、盾をつるした皮ひもを 首にかけてやっている
俺は装備を整えるのを待って、震える手に握った剣の峰で俺の前に跪(ひざまず)くツェツィーリアの肩を三度軽く打つ 刀礼を行う
「我、ツェツィーリア・アニエッリは主君イチロウ・フォン・サートウに認められ、正式に騎士として叙勲された事を、我らが祖、ファレイン・アニエッリに告げる」
祭壇の横に立っているクラウスは、ツェツィーリアに向かい誓いの言葉を投げかけた。
「汝が剣と牙は主君・イチロウ・フォン・サートウを守るための剣であることを、ここに誓うか」
「誓う」
「汝が剣と牙はサートウ領を最悪から守らんが為に振るうことを、ここに誓うか」
「誓う」
「さすれば、バッハ聖教皇帝陛下の名の下に汝を騎士として認める」
これを後4人やり遂げなければならない!
近い未来に反社会組織や外国支援の工作組織が、先兵となる人員を異世界に送り込んで来る可能性が高い。しかも利益になるのなら、俺やローゼンミュラー家と敵対している貴族・騎士と協力体制を築く恐れすらある。
そこで以前から募集していた従兵や騎士の採用枠を大幅に増やしたのだが、これはこれで敵対貴族・騎士の工作員(スパイ)を抱え込む危険が増える。痛し痒しの状態ではあるが、今回は異世界内の危険が増える方がマシと考え採用枠を増やす決断をした。
腰まである長く綺麗な黒髪に魂を吸い込むような漆黒(しっこく)の瞳、凛々(りり)しさを越え勇ましさが目立つ顔、スラリと引き締まっていると言うよりもバネのような瞬発力を窺(うかが)わせる肢体。正式に白銀の騎士甲冑を身に纏う準備として、鎧下に着るのに相応しい飾り気のない服を身に付けている。
騎士叙勲会場には、サートウ家とローゼンミュラー家の重鎮が参加している。俺が参加できるように人選したため、どうしても人数が限られてしまう。1番多いのは獣人家事奴隷(メイド)たちなのだが、それは仕方がない事だ。
「ツェツィーリア・アニエッリ、前へ」
「はッ!」
上段にいるローゼンミュラー家当主・クラウスに呼ばれ、ツェツィーリア・アニエッリは祭壇(さいだん)へと続く段差を一歩一歩登って来る。
バッハ聖教皇国では、騎士を名乗るには実力・経済力・名誉が必要だった。自由騎士を詐称(さしょう)する事も可能だが、やはり仕えるべき主家の家紋を刻んだ騎士甲冑を身に纏(まと)ってこその正騎士だ。
ツェツィーリアは祭壇の前まで階段を上る、聖職者としてブリギッタがツェツィーリアの剣に祝福を与えた。
ここからが俺の出番だが、足が委縮し手が震える!
しかしここで逃げ出す訳にはいかない、何としてもやり遂げなければならない!
委縮した足を叱咤(しった)して前に進み、祝別された剣を付けた革帯をツェツィーリアの腰にしめ、足に拍車 つけてやる。
今は介添え役になっている4人の妹が、兜・鎧( 鎖帷子 )を着用させ、盾をつるした皮ひもを 首にかけてやっている
俺は装備を整えるのを待って、震える手に握った剣の峰で俺の前に跪(ひざまず)くツェツィーリアの肩を三度軽く打つ 刀礼を行う
「我、ツェツィーリア・アニエッリは主君イチロウ・フォン・サートウに認められ、正式に騎士として叙勲された事を、我らが祖、ファレイン・アニエッリに告げる」
祭壇の横に立っているクラウスは、ツェツィーリアに向かい誓いの言葉を投げかけた。
「汝が剣と牙は主君・イチロウ・フォン・サートウを守るための剣であることを、ここに誓うか」
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