「異世界動画で億万長者・ドローンの御蔭で助かっています」(神隠しで異世界に迷い込んだ人間不信の僕は、又従姉の助けを受けて異世界で生き残ろうと必死です)

克全

第60話4号警備

「一朗君、リファンピシンは手に入ったの?」

「はい、薬問屋に直接メールを入れて、実費購入を持ちかけたら直ぐに応じてくれました。後発メーカー製の物を、1錠16・2円で1万錠を購入出来ました」

「そう、それはよかったわ。これでローゼンミュラー家の心をしっかりと掴(つか)めそうね」

「はい、結核を患い弱っているとは申せ、カール殿のローゼンミュラー家での影響力は相当なものです」

「そうね、それに話を聞いた範囲では、長年色んな戦場で戦い貴族に顔を売っていると言う事だから、生きていてくれているだけで貴族家への抑えになるわね」

「そうですね、元の身体に戻す事はできませんが、長年の戦場経験があると思います。その経験を生かして、ドローンを使って全体指揮をとって貰えれば、ローゼンミュラー家本領とサートウ領の防衛を任せることが出来ると思います」

「最短で8カ月くらいで治癒するわね」

「はい、その間にパソコンやスマホの使い方を覚えてもらう心算です」

「武勇に優れた戦士だったから、細かい作業が苦手な場合にも備えている?」

「ビアンカがほぼ完ぺきに扱えますから、2人で組んでもらえれば大丈夫だと思っています」

「ビアンカは正妻に迎えるんじゃなかったの?」

「止めて下さい姉さん、そんなことをしたら日本に戻った時に叩かれます」

「そうね、せめて16歳以上でないと色々問題だよね」

「それで姉さん、姉さんの方に迷惑はかかっていませんか?」

「一応警察に警護依頼を申し込んで来たわ、だけど普通だと警察はストーカー程度なら民事不介入の壁が有って動けないわ」

「でも俺との関係がネットで炎上してしまっています、他の親戚は相続の時に揉めた事がネットに出ています。だからアイツラが人質にされる事はないでしょうが、姉さんだけがあの時味方になって助けてくれました、当然狙われる可能性があります」

「確かにそうね、異世界の金貨を日本に送った事もネットに出ていたから、暴力団や外国勢力が資金源に私を人質にしようと狙ってくる可能性はあるわね」

「日本政府は動かないのでしょうか?」

「どうかしら、国だから動きたくても動けないのかもしれないわ」

「マス塵ですか?」

「それもあるけど、普通に議会で承認を得なければいけないから」

「でも姉さんに何かあってからでは遅いですから」

「大丈夫よ、民間の警備会社で身辺警護を頼んだから。それに費用も一朗君の言葉に甘えて、動画収入の御金を使わせてもらうから」

「民間の身辺警護で大丈夫ですか?」

「多分大丈夫よ、警察や自衛隊出身の精鋭を20名10チーム契約したから」

「そうですか、でも相手が20名に応じた戦力を投入して来るかもしれません。姉さんが司法研修生だった時のコネや、地元の議員さんのコネを使ってSPをつけれるように交渉して下さい」

「う~ん、少し様子を見て必要ならやってみるわ」

「議員の中には金さえ積めばなんでもやってくれる奴もいると思います、必要ならいくらでも金貨を送りますから、自重しないでください!」

民間警備会社身辺警護
要人警護:1時間平均5千円(諸経費別途)
費用  :最低8時間~(時間より早く終了しても)
人員  :警護員2名1チーム以上が基本
対象  :個人警護(ストーカーやDV等、一般人)

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