「異世界動画で億万長者・ドローンの御蔭で助かっています」(神隠しで異世界に迷い込んだ人間不信の僕は、又従姉の助けを受けて異世界で生き残ろうと必死です)
第53話仕官条件
「何でも言ってくれ、だが応えることがどうか条件による」
「我々が人狼族だと言うのは聞いて下さっていたでしょうが、人狼族の生活については理解していて下さいますか?」
「いや、よく知らぬ」
「我らは本来、広い草原や深い森の中に家を構え、牧畜や狩猟で自給自足生活をしております」
「その事なら聞いている」
「ですが人族や魔族を筆頭にとした異種族との戦いで、縄張りを失い家や集落を維持することが難しくなっております」
「それは大変だな」
「はい、我々5人は新たなパートナーを得るのはもちろん、家や集落を築くための領地を得たいと願って冒険者になったのです」
「つまり日給では無く領地で主従関係を結びたいと言うのだな?」
「はい、それが我らの悲願でございます」
「率直に言えば、非常に難しいことだ」
「それはサートウ家が交易で得た財で騎士の位を買ったと言う事でしょうか? 領地を持っていないと言う事でしょうか?」
「半分当たって半分はずれている」
「どう言う意味でしょうか?」
「確かに交易で得た利益で騎士の位を買って次に準男爵の位を買う予定だ、だがその利益でローゼンミュラー家から奥地を買っているから、領地が全くない訳では無い」
「では条件は厳しくとも、領地を頂くことが可能なのですね!」
「領地はあるが人里がないのだ、私が買った奥地には、わずかな里山と広大な奥山・魔境しか発見されていないのだ」
「では今は何所に居館を置かれているのですか?」
「わずかな里山に城を築き、満月期前後は襲ってくる獣や魔獣を撃退することで、人が住めるようにしている」
「でしたら、奥山なら領地として拝領する事は可能なのですか?」
「ああ、奥山ならば働き次第で領地として与えることはできる。そう聞くと言う事は、人狼族なら奥山で家や集落を構えることができるのか?」
「襲ってくる獣や魔獣によりますが、満月期に我らも獣形態となる事で、魔獣と戦う力を得る事ができます。子供が産まれ一人前になるまでは厳しいですが、今の我ら5人なら奥山で家を構える事も可能です」
「ならばどうだろうか、サートウ家に仕官してくれないか? サートウ家では領地を奥に奥に広げるため、里山や奥山を探査しているのだ。人里や里山はサートウ家の領地とし城砦を築き、貴様たちの子供が1人前になるまでは城砦で暮らし、実力がついたら領地として与える奥山で家を構えると言う条件で家臣になってくれないだろうか?」
「奥山で構いませんから、直ぐに領地を頂くことはできませんか?」
「そうなるといきなり騎士に叙勲することになるし、以前から召し抱えている家臣たちとの兼ね合いもある、まずは私と他の家臣が納得する武功を立ててもらおう。それに君たち5人の人柄も知りたいし、君たちも領地として与えられる奥山を直に見てみたいのではないか?」
「左様でございますね、では今から御城に向かわせていただきます」
「まあ慌てるな、今は城まで来るのに里山や奥山を越えなければならない。5人ならば可能だろうが、どうせなら教都に行っているローゼンミュラー家が戻って来る時に、護衛を務めて欲しいのだ」
「何故でございます?」
「ハナセダンジョン都市でオークションができなかった交易品を、教都と商都で売り払う予定なのだ、莫大な利益が出るだろうから、それを護ってもらわなければならない」
「それなら直ぐに我らも教都・商都に向かいます! ここよりも向こうの方が危険です!」
「そうかそうしてくれるか」
彼女たちはよほど領地が欲しかったのだろう、少しでも早く武功を立てる為にアーデルハイトたちを追いかけていった。もちろんその事はスマホでアーデルハイトたちに連絡したが、無事に合流を果たせるかは運次第かも知れない。ミヒャルケ侯爵家と敵対したのだから、何時何が起こっても不思議ではないのだ。
ただ1番大きかったのは、俺が初対面の人間と堂々と話ができた事だ!
直接は無理だが、ネットを通してなら話ができると分かった事で、これから色々と動くことができる。
「我々が人狼族だと言うのは聞いて下さっていたでしょうが、人狼族の生活については理解していて下さいますか?」
「いや、よく知らぬ」
「我らは本来、広い草原や深い森の中に家を構え、牧畜や狩猟で自給自足生活をしております」
「その事なら聞いている」
「ですが人族や魔族を筆頭にとした異種族との戦いで、縄張りを失い家や集落を維持することが難しくなっております」
「それは大変だな」
「はい、我々5人は新たなパートナーを得るのはもちろん、家や集落を築くための領地を得たいと願って冒険者になったのです」
「つまり日給では無く領地で主従関係を結びたいと言うのだな?」
「はい、それが我らの悲願でございます」
「率直に言えば、非常に難しいことだ」
「それはサートウ家が交易で得た財で騎士の位を買ったと言う事でしょうか? 領地を持っていないと言う事でしょうか?」
「半分当たって半分はずれている」
「どう言う意味でしょうか?」
「確かに交易で得た利益で騎士の位を買って次に準男爵の位を買う予定だ、だがその利益でローゼンミュラー家から奥地を買っているから、領地が全くない訳では無い」
「では条件は厳しくとも、領地を頂くことが可能なのですね!」
「領地はあるが人里がないのだ、私が買った奥地には、わずかな里山と広大な奥山・魔境しか発見されていないのだ」
「では今は何所に居館を置かれているのですか?」
「わずかな里山に城を築き、満月期前後は襲ってくる獣や魔獣を撃退することで、人が住めるようにしている」
「でしたら、奥山なら領地として拝領する事は可能なのですか?」
「ああ、奥山ならば働き次第で領地として与えることはできる。そう聞くと言う事は、人狼族なら奥山で家や集落を構えることができるのか?」
「襲ってくる獣や魔獣によりますが、満月期に我らも獣形態となる事で、魔獣と戦う力を得る事ができます。子供が産まれ一人前になるまでは厳しいですが、今の我ら5人なら奥山で家を構える事も可能です」
「ならばどうだろうか、サートウ家に仕官してくれないか? サートウ家では領地を奥に奥に広げるため、里山や奥山を探査しているのだ。人里や里山はサートウ家の領地とし城砦を築き、貴様たちの子供が1人前になるまでは城砦で暮らし、実力がついたら領地として与える奥山で家を構えると言う条件で家臣になってくれないだろうか?」
「奥山で構いませんから、直ぐに領地を頂くことはできませんか?」
「そうなるといきなり騎士に叙勲することになるし、以前から召し抱えている家臣たちとの兼ね合いもある、まずは私と他の家臣が納得する武功を立ててもらおう。それに君たち5人の人柄も知りたいし、君たちも領地として与えられる奥山を直に見てみたいのではないか?」
「左様でございますね、では今から御城に向かわせていただきます」
「まあ慌てるな、今は城まで来るのに里山や奥山を越えなければならない。5人ならば可能だろうが、どうせなら教都に行っているローゼンミュラー家が戻って来る時に、護衛を務めて欲しいのだ」
「何故でございます?」
「ハナセダンジョン都市でオークションができなかった交易品を、教都と商都で売り払う予定なのだ、莫大な利益が出るだろうから、それを護ってもらわなければならない」
「それなら直ぐに我らも教都・商都に向かいます! ここよりも向こうの方が危険です!」
「そうかそうしてくれるか」
彼女たちはよほど領地が欲しかったのだろう、少しでも早く武功を立てる為にアーデルハイトたちを追いかけていった。もちろんその事はスマホでアーデルハイトたちに連絡したが、無事に合流を果たせるかは運次第かも知れない。ミヒャルケ侯爵家と敵対したのだから、何時何が起こっても不思議ではないのだ。
ただ1番大きかったのは、俺が初対面の人間と堂々と話ができた事だ!
直接は無理だが、ネットを通してなら話ができると分かった事で、これから色々と動くことができる。
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