初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第205話愛娘

「アグネス、よく聞いてくれ、アグネスは俺にとって、とても大切な娘なんだよ」

「アグネスは主にとって大切ミャ?」

「ああ、とてもとても大切だよ」

「また一緒に寝てくれるミャ?」

「ああ、また一緒に寝るよ」

「その女はどうするミャ? 3人で寝るのミャ?」

「アグネス、お母さんと言えとは言わないけど、ちゃんとオードリーと呼びなさい」

「オードリーとも一緒に寝るのみゃ?」

「寝る時もあれば寝ない時もあるよ」

「今日は一緒に寝るのミャ?」

「ああ、今日は初めて家族がそろった日だから、家族みんなで寝るよ」

「俺も一緒なのか?」

「白虎は黙っていろ!」

「ゴメンナサイ、ごめんなさい、御免なさい!」

白虎は馬鹿だ!

こんな時にそんなチャチャを入れたら、セイを激怒させるのは分かっているだろうに。それとも場を和ませるために、わざと怒らせるような事を言ったのか?

「あの、私には皆様の関係は分かりませんが、ミノル様の子供を産むために、できるだけのことをさせて頂きます。皆様もミノル様のために、一緒に働いて頂けますか?」

「そうだな、主も子供が欲しいだろうから、妻を持つのは仕方がないな。まあ一緒に暮らすのは一時的で、直ぐに別々の棲家になるだろうが」

「白虎は何言ってるミャ! もう私がいるミャ、主の子供は私ミャ」

(白虎、ちゃんとアグネスに説明しなければ、ミノルが何を言おうが捻じり殺すぞ!)

(ゴメンナサイ、ごめんなさい、御免なさい!)

うわ!

セイが激怒しているよ!

白虎の奴、セイの逆鱗に触れやがった。

「アグネス、さっきも言ったけど、全ての生物はね、できるだけ沢山の子供を作るんだよ。特に主のような強者(つわもの)は、種族を代表する雄だから、種の生き残りのために沢山の子供を作らないといけないんだよ」

「アグネスは強いぞ、これからももっと強くなるぞ。それでもアグネスだけじゃいけないのか?」

「アグネスは雌だから、産める子供の数が限られているんだよ。だから1頭1頭大切に育てるんだけど、主のような雄は、そこら中で種付けをして、雌に子育てを任せるんだよ」

「こら白虎! 俺はそんな無責任じゃないぞ! そこら中で種付けなんかしないぞ!」

「ミノル様、私はミノル様がハーレムを作られ、多くの子供を儲けられることに、反対などいたしません。いえ、人類のために、多くの子供を儲けられて、魔獣やモンスターを恐れなくて済む世界を作って下さい」

「おいおいおい、オードリーまで何を言いだすんだよ?」

「ハーレムて何ミャ?」

「もうやめるんだ、とにかく今日は家族で過ごすの、いいね!」

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