初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第199話クォーターユグドラシル

(そうか、俺はハーフユグドラシルになっていたのか)

(そうだ)

(ところでセイ、俺以外にもハーフユグドラシルは存在したのか?)

(いや、ミノル以外にハーフユグドラシルが存在した事はない)

(それはユグドラシルと言う存在が、セイだけだから断言できるのか?)

(そうだ、我以外のユグドラシルは存在しないから、我の知らない所でハーフユグドラシルが産まれる事はない)

(さらに確認しておきたいんだが、過去に分身体がハーフユグドラシルを産み出したこともないんだな?)

(それもない、そもそも分身体を創り出すことが稀(まれ)であるし、分身体は個別の存在ではなく、本体と意識を共有した存在だ。本体や他の分身体に知られる事なく、何かをする事などできないのだ)

(そうか、これも下世話な話なのだが、今回はデュオによって俺がハーフユグドラシルになったが、生殖や受粉でハーフユグドラシルが産まれることはあるのか?)

(ふむ、その必要性を考えたことはないが、可能かもしれないな。だがそれは、あくまで我がその気になった場合だけであり、何がどうなろうと我は人間と受粉も生殖も行う気はない)

(そうか、そうだろうな。だったらもう1つ念のために聞いておくが、ハーフユグドラシルになった俺と、人間は生殖して子供が産まれるのか?)

(それは心配いらない、ミノルと人間が生殖したら、ちゃんとクォーターユグドラシルが産まれてくるだろう)

(そうか、俺の子供は全員クォーターユグドラシルになるのか)

(そうだ、だがその呼び方は、あくまでこの世界の人間基準の呼び方だ。他の世界に行って、他の種族と生殖したら、その種族とユグドラシルのクォーターになる)

(じゃあ例えば、ドワーフ族と俺の間に子供ができたら、ドワーフ族の遺伝子が1/2で、人間とユグドラシルの遺伝子が1/4と言う事になるんだな?)

(そうだ、そう言う例えで言えば、ハーフエルフとミノルの間に子供が出来たとしたら、人間の遺伝子が1/2とユグドラシルとエルフの遺伝子が1/4になる)

(それは面白いな、だったらエルフとドワーフのハーフ女と俺が子供を作ったら、人間、ユグドラシル、エルフ、ドワーフの遺伝子を1/4ずつ受け継いだ子供が生まれるんだな?)

(そう言う事になるな、やってみるか?)

(実験で子供を作る気はないよ!)

(だったら何故聞いた?)

(ただの興味だよ、だが心配な事がある)

(なんだ?)

(俺が初めてのハーフユグドラシルなら、クォーターユグドラシルを妊娠するのも初めてなんだよな)

(そう言う事だな)

(ちゃんと妊娠できるのか?)

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品