初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第194話願い
ビラン近郊の正規キャンプ地
「お~い、訓練を止めて集まってくれ」
「何でしょうかミノル様」
「ちょっと聞いておきたいんだが、このまま訓練して強い冒険者となるのと、土地を手に入れて開拓民になるのと、どっちがいい?」
「それは強い冒険者です! 強い力がなければ、土地をもらっても悪い奴らに踏みにじられるだけです!」
「そうか、ディルクは冒険者を望むんだな。他の子たちも同じなのか? 開拓民よりも冒険者がいいんだね?」
「「「「「はい!」」」」」
「僕も強い冒険者になりたいです」
「そうよ、強くなって毎日お腹一杯美味しい物を食べるわ」
「そうだぞ、俺も毎日美味し物をお腹一杯食べたいぞ」
みんなが口々に冒険者になりたがるなかで、1人の女の子が迷っているようだった。だが周りの雰囲気に圧倒されているのか、自分の意見を言えないようだ。
「きみ、みんなに遠慮(えんりょ)する事はないんだよ、自分の気持ちを正直に言うんだ」
「あの、その、でも」
「カルラ、開拓民になっても姉ちゃんを取り返せないぞ!」
「だって、でも、わたし」
「兄妹でがんばって、姉ちゃんを取り返すんだよ」
「でもベンノにいちゃん・・・・・」
「ベンノ君、君のお姉ちゃんを取り返すとは、どう言う事なんだい?」
「アルマ姉ちゃんは、俺たちのために働きに出たんだ。お金持ちになって、姉ちゃんを取り返すんだ」
ベンノ君は強い決意を持って、冒険者になろうとしているようだ。冒険者になってお金を稼いで、お姉ちゃんを取り返すと言う事だが、くわしい事情を聞いていいものだろうか?
「ミノル様、ベンノとカルラの両親は、街で商売をしていたのですが、運悪く病気になってしまったんです」
ディルクがくわしい事情を知っているようで、事情を説明してくれるようだ。
「両親が働けなくなった上に、多額の薬代がかかってしまい、アルマと言う姉が自分を売って、薬代を手に入れたんです」
「自分を売ると言うのは、奴隷になると言う事か?」
「はい・・・・・」
「だから俺が強くなって、アルマ姉ちゃんを取り返すんだ!」
「そうか、ベンノが強くなるのを手伝ってあげよう。だが強い男なら、妹の望みをかなえてあげるべきだぞ」
「え? そうなの?」
「そうだぞ、だっておじさんは強いから、ベンノの願いを聞いてやっているだろ」
「・・・・うん・・・・」
「カルラ、正直に言ってごらん。おじさんにできることなら、カルラの願いを聞いてあげるよ」
「ほんとう?」
「本当だよ、おじさんは嘘はつかないよ。できる事はかなえてあげるし、できない事は正直にできないと言うよ」
「あのね、カルラね、畑がほしいの」
「何で畑が欲しいんだい」
「やくそうをうえるの、いつでもお薬がつかえるように、畑にやくそうをうえるの」
「薬草は兄ちゃんが冒険者なって、いつでも手に入れてやるよ」
「ずっといっしょにいたいの、おねえちゃんとおにいちゃんと、ずっとずっといっしょにいたいの!」
(さてミノル、これでも領地はいらないと言うのか?)
(必要になっちゃったね、力ずくで奪い取ってでも、領地が必要だね)
ディルク:貧民街の子供達のまとめ役
アルマ :両親と弟妹のため身売りした少女
ベンノ :亡くなった両親のために姉が身売りした男の子
カルラ :亡くなった両親のために姉が身売りした女の子
「お~い、訓練を止めて集まってくれ」
「何でしょうかミノル様」
「ちょっと聞いておきたいんだが、このまま訓練して強い冒険者となるのと、土地を手に入れて開拓民になるのと、どっちがいい?」
「それは強い冒険者です! 強い力がなければ、土地をもらっても悪い奴らに踏みにじられるだけです!」
「そうか、ディルクは冒険者を望むんだな。他の子たちも同じなのか? 開拓民よりも冒険者がいいんだね?」
「「「「「はい!」」」」」
「僕も強い冒険者になりたいです」
「そうよ、強くなって毎日お腹一杯美味しい物を食べるわ」
「そうだぞ、俺も毎日美味し物をお腹一杯食べたいぞ」
みんなが口々に冒険者になりたがるなかで、1人の女の子が迷っているようだった。だが周りの雰囲気に圧倒されているのか、自分の意見を言えないようだ。
「きみ、みんなに遠慮(えんりょ)する事はないんだよ、自分の気持ちを正直に言うんだ」
「あの、その、でも」
「カルラ、開拓民になっても姉ちゃんを取り返せないぞ!」
「だって、でも、わたし」
「兄妹でがんばって、姉ちゃんを取り返すんだよ」
「でもベンノにいちゃん・・・・・」
「ベンノ君、君のお姉ちゃんを取り返すとは、どう言う事なんだい?」
「アルマ姉ちゃんは、俺たちのために働きに出たんだ。お金持ちになって、姉ちゃんを取り返すんだ」
ベンノ君は強い決意を持って、冒険者になろうとしているようだ。冒険者になってお金を稼いで、お姉ちゃんを取り返すと言う事だが、くわしい事情を聞いていいものだろうか?
「ミノル様、ベンノとカルラの両親は、街で商売をしていたのですが、運悪く病気になってしまったんです」
ディルクがくわしい事情を知っているようで、事情を説明してくれるようだ。
「両親が働けなくなった上に、多額の薬代がかかってしまい、アルマと言う姉が自分を売って、薬代を手に入れたんです」
「自分を売ると言うのは、奴隷になると言う事か?」
「はい・・・・・」
「だから俺が強くなって、アルマ姉ちゃんを取り返すんだ!」
「そうか、ベンノが強くなるのを手伝ってあげよう。だが強い男なら、妹の望みをかなえてあげるべきだぞ」
「え? そうなの?」
「そうだぞ、だっておじさんは強いから、ベンノの願いを聞いてやっているだろ」
「・・・・うん・・・・」
「カルラ、正直に言ってごらん。おじさんにできることなら、カルラの願いを聞いてあげるよ」
「ほんとう?」
「本当だよ、おじさんは嘘はつかないよ。できる事はかなえてあげるし、できない事は正直にできないと言うよ」
「あのね、カルラね、畑がほしいの」
「何で畑が欲しいんだい」
「やくそうをうえるの、いつでもお薬がつかえるように、畑にやくそうをうえるの」
「薬草は兄ちゃんが冒険者なって、いつでも手に入れてやるよ」
「ずっといっしょにいたいの、おねえちゃんとおにいちゃんと、ずっとずっといっしょにいたいの!」
(さてミノル、これでも領地はいらないと言うのか?)
(必要になっちゃったね、力ずくで奪い取ってでも、領地が必要だね)
ディルク:貧民街の子供達のまとめ役
アルマ :両親と弟妹のため身売りした少女
ベンノ :亡くなった両親のために姉が身売りした男の子
カルラ :亡くなった両親のために姉が身売りした女の子
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