初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第184話料理指導

ローファン王国:ビラン郊外の森の中

(さっきの続きはどうなった?)

(冒険者ギルドが商人ギルドの攻撃を撃退した場合だったな?)

(そうだ、どう考えているんだ?)

(ギルドマスターが主導して撃退した場合は、返す刀で副ギルドマスター一派を成敗するだろうね)

(その後はどうなる?)

(商人ギルドの財産や商品を接収して、市民に配って冒険者ギルドの人気と信頼を取り戻すだろうね)

(取り戻せるのか?)

(領主と相談した上で、副ギルドマスター一派と不正をしていた警備隊と重臣も成敗して、全てを丸く収めようとするだろうね)

(そんな事が成功するのか?)

(分からないね、全ては領主次第じゃないかな)

(副ギルドマスター一派が主導して、商人ギルドを撃退した場合はどうなる?)

(ギルドマスター一派が主導した場合と違い、自分たちの非を認める事はないし、警備隊や重臣が処罰されることもないだろうね)

(市民の不満は治まらないだろうな)

(ああ、貪欲で馬鹿な奴らだろうから、接収した財産も商品も自分たちだけで分けるだろうから、市民の怒りは頂点に達するだろうね)

(だが暴動を起こすにも指導者が不在なんだろう?)

(ドワーフ族が戻れは、ドワーフ族の指導の下で、市民革命が起こるさ)

(ミノルが裏から操る心算か?)

(そんなめんどくさい事はしないさ)

(面倒事は嫌いと言う割には、今回の件には首を突っ込んだんだな?)

(不完全な良心回路があるんでね、中途半端に介入してしまうんだよ)

「ミノル様、ファングラットを全滅させました」

「そうか、よくやった。次は料理を教えるから、みんなを集めてくれ」

「はい!」

(何の料理を教えてやるんだ?)

(セイは何がいいと思う)

(何を教えてやっても役に立つとは思うが、ミノルの世界の調味料は使わないのだな?)

(ああ、この世界にある材料だけで作れるものにするよ)

(う~む、醤油や味噌は使えないし、この世界では手に入り難く高価な乳や卵は使えんしな、正直思いあたらんな)

(確かにそう考えると難しいかもしれないね)

(この地方を中心に考えたら、砂糖や蜂蜜のような甘味料も高価だし、塩を手に入れるのも高くつく。子供たちの力で手に入れる事が出来るのは、今訓練させているファングラットを中心とした魔獣に香草だな?)

(正解だね、弱い魔獣と香草を組み合わせた料理だよ)

(ファングラットの香草煮では、美味しくできても高くは売れないな)

(そうだね、庶民の食堂としてなら開業できるけど、競争が激しいだろうね)

(もったいぶらずに教えろ!)

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