初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第135話ダイオウイカのスルメ
(ふむ、なかなか面白いものだな、これがミノルの知識にあったサーフィンと言うものか?)
(近いけど違うよ)
(どう言う事だ?)
(サーフィンは波の力で岸まで板に乗る遊びだけど、これは波に逆らって魔力で沖に向かっているからね)
(ふむ、今ミノルが思い浮かべたウインドサーフィンだが、ヴィゴールの眼もなくなったのだ。ドローン配送で買って使えばよかろう)
(一瞬考えたんだけどね、あれは両手が使えなくなっちゃうからね)
(それは魔法や魔力で補えばよかろう)
(セイルを操るために魔力を使うくらいなら、最初からボードに魔力使って操った方が簡単だよ。ウインドサーフィンだと、風も魔法で創り出さないと自由に動けなくなるだろ)
(それもそうだな、余計な手間と魔力が1つ増えるな)
(風魔法しか使えないのなら、ウィンドサーフィンは便利だけど、それなら小型の船の方が安定するよ)
(そうだな、帆を降ろして休むことも出来るし、数人で交代して長距離を進むことが出来るな)
(そう言う事だよ)
海上をそれこそ飛ぶように進みながら、セイと掛け合い漫才のように念話を行い、時間を潰しながらダイオウイカを探した。
誰の目もないから、海上を滑っているように見せかけて飛ぶ事も可能なんだが、せっかくの機会なので、水を操る魔法の練習にした。波の最高地点に勢いよく突っ込み、飛行魔法や浮遊魔法を全く使わず、ジャンプ力で空中に飛びだし滑空するのが楽しい!
(とんでもない数だな!)
(ふむ、気配を察して直ぐにリサーチで調べたのだが、数十万数百万では桁違いで、十億近くの群れだな)
(とんでもない数だな!)
(こんな群れが港に押し寄せたら、それこそダイオウイカの上をダイオウイカが乗り超える現象が起きて、陸地のかなり奥まで乗り込んで来るのではないか。まあその後は死んでしまうだろうが)
(河を遡って農地にまで至ってしまったら、塩害で不毛の地になってしまうかもしれないな)
(死んでしまったダイオウイカの死体を、他のモンスターが全部食べ切れなかったら、腐敗によって大地が汚染される可能性もあるな)
(こりゃ何が何でも全滅させなきゃいけないな)
(直ぐにやってしまうのか?)
(う~ん、誰かが思いもよらない方法で全滅させてくれれば、俺が目立たないで済むんだがなぁ~)
(今は停止しているようだし、限界ギリギリまで待ってもいいのではないか)
(そうだな、ここは試作分だけ狩って、ギルドで討伐金を受け取るとしよう)
(どれくらい狩るんだ?)
(1万くらいにしておこうか?)
(それは止めおけ、さすがに目立ち過ぎだ)
(そうか、そうだな、また常識を逸脱してしまったな、1000くらいにしておこう)
(その数なら、この街の冒険者でもやれなくはないだろう。目立つのは仕方がないが、危険視されるほどではないだろう)
(では、キロ級の電撃魔法を海中に放つとしますか!)
ナーポリ冒険者ギルド:受付
「ダイオウイカを討伐してきたんだが、討伐金を出してもらえるか」
「え? もうですか?!」
「水を操る魔法が使えるんでな、流木に乗って沖合まで行って来た。今はダイオウイカも侵攻を止めていたから、遠くから魔法を放って適当に狩って来たんだ」
「ダイオウイカの群れが侵攻を止めていたんですか?! それは本当なんですか!」
「本当だよ、そうでなければ生きてここにも戻ってきていないさ」
「ちぃ! 誰も見ていないからっていい加減なこと言いやがって!」
「あいつ朝から粋がっていた流れもんだろ?」
「港に流れ着いたダイオウイカを拾ったかなんかで、それをネタに情報料をせびる気なのさ!」
「なんだと! ミノルさんは嘘なっか言わねぇよ! ねえミノルさん?」
(少々腹が立って来た、ダイオウイカを全部この場にブチマケテやれ)
(それって俺の深層心理なの?)
(ふむ? そうかな? そうかもしれないな)
(まあいい、あいつらを押し潰さない程度は取り出してやるよ)
(ふむ、それでミノルの気も治まり、我も元に戻れるだろう)
「証拠はこれでどうかな」
俺は100匹ほどのダイオウイカをアイテムボックスから取り出し、それこそ受付周辺にいた冒険者を圧倒するくらいの山を創り出してやった。
「ミノル様、ミノル様、それを全てお1人で狩られたのですか?!」
「そうだよ、でもこれだけじゃないよ、全部で千匹ほどだよ」
俺の陰口を言っていた冒険者共は、顔を真っ青にして、水を打ったよう静まった。俺の実力をようやく察することが出来たのだろう、俺が視線を向けると、ほとんどの冒険者視線を下に向けて震えだした。どうやら、悪口陰口に対する報復攻撃を恐れたのだろう。
「せ、セ、せ、千匹ですか?!」
「ああ、査定して欲しいんで、査定場に案内してくれるかな?」
「はい! 直ぐにギルドマスターに連絡させていいただきます!」
直ぐにギルドマスターが駆けつけてきた。
「ダイオウイカを千匹討伐したと言うのは本当なのか?!」
「ここに置いてあるのが1割ほどだよ」
「これが全部ではないのだな」
「これ以上ここには出せないだろう」
「分かった、一旦アイテムボックスになおしてくれ。査定場で改めて数の確認と、支払い済みの処置をとらせてもらう」
「ああそうだ、ダイオウイカを食用に加工する心算だから、食べれなくなるような処置は止めてくれ」
「は? ダイオウイカを食べれるように加工するだと?!」
ギルドマスターは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして固まっている。
「色々な国や街を流れてきたんでね、知識は豊富なんだよ」
「分かった、処置の方法は査定場で相談させてもらおう」
査定場で数を確認してもらったが、1218匹のダイオウイカを確かに確認してもらった。当初ギルド側の支払い済み処置は、同じ個体を何度も持ち込まれないように、細かく切り刻んで返却すると言うものだった。
討伐済み個体は、討伐者に返却するとう事で賞金を減らしていた為、ギルドが勝手に投棄や焼却をするわけにはいかなかったのだ。
だが俺はスルメにして食用にするつもりだったから、細かく切り刻まれるのは困るのだ。塩漬けや乾燥の手間と、料理に試作してみての状況によれば、ギルドに細かく切り刻んでもらった方が手間が省けるかもしれないが、今は丸のまま欲しいのだ。
そこでダイオウイカを丸のまま干すときに加工する、開く状態までの処置で済ませてもらう事で話がついた。
ナーポリ郊外の秘密キャンプ
「主~、何やってるんだ?」
「ミャミャウ、ミャミャ、ミャウミャ、ミャミャ」
「アグネスだって飯作ってくれと言ってるだろ」
「昨日作り置きしておいたバーベキューもフライや天婦羅も、まだまだ残っているだろう、それを食べればいいじゃないか」
「主の作りたてを食べたいんだよ!」
「ミャウ!」
「分かった分かった、だったら白虎もこれを作るのを手伝ってくれ」
「仕方ないなぁ~」
「白虎!」
「ゴメンナサイ、ごめんなさい、御免なさい!」
「次に偉そうな口を利いたら、警告なしで御仕置きをするからな!」
「ワカリマシタ、わかりました、分かりました!」
「白虎いいか?」
「はい!」
セイが少々本気で怒っている。
それが白虎にも伝わったのだろう、本気で手伝う気でいる。
俺はアグネスと白虎用にジャイアント・レッドベアーを焼きながら、手伝ってもらう手順を話しだした。この2人には、毎日毎食魚介類は無理だろう。
「圧縮強化魔法で、岩盤製の干し網台を作る」
「はい!」
「ダイオウイカの開きを置く」
「はい!」
「風魔法を当て続けて乾燥させる」
「はい!」
「圧縮強化魔法で、ダイオウイカを漬けるためのプールを創り出す」
「はい!」
「塩だけで漬けるプール、酢・レモン汁・砂糖・昆布茶・旨味調味料・鷹の爪の配分を色々変えたプールを創り出す」
「はい!」
「はい、ジャイアント・レッドベアーが焼けたから食べていいよ」
(近いけど違うよ)
(どう言う事だ?)
(サーフィンは波の力で岸まで板に乗る遊びだけど、これは波に逆らって魔力で沖に向かっているからね)
(ふむ、今ミノルが思い浮かべたウインドサーフィンだが、ヴィゴールの眼もなくなったのだ。ドローン配送で買って使えばよかろう)
(一瞬考えたんだけどね、あれは両手が使えなくなっちゃうからね)
(それは魔法や魔力で補えばよかろう)
(セイルを操るために魔力を使うくらいなら、最初からボードに魔力使って操った方が簡単だよ。ウインドサーフィンだと、風も魔法で創り出さないと自由に動けなくなるだろ)
(それもそうだな、余計な手間と魔力が1つ増えるな)
(風魔法しか使えないのなら、ウィンドサーフィンは便利だけど、それなら小型の船の方が安定するよ)
(そうだな、帆を降ろして休むことも出来るし、数人で交代して長距離を進むことが出来るな)
(そう言う事だよ)
海上をそれこそ飛ぶように進みながら、セイと掛け合い漫才のように念話を行い、時間を潰しながらダイオウイカを探した。
誰の目もないから、海上を滑っているように見せかけて飛ぶ事も可能なんだが、せっかくの機会なので、水を操る魔法の練習にした。波の最高地点に勢いよく突っ込み、飛行魔法や浮遊魔法を全く使わず、ジャンプ力で空中に飛びだし滑空するのが楽しい!
(とんでもない数だな!)
(ふむ、気配を察して直ぐにリサーチで調べたのだが、数十万数百万では桁違いで、十億近くの群れだな)
(とんでもない数だな!)
(こんな群れが港に押し寄せたら、それこそダイオウイカの上をダイオウイカが乗り超える現象が起きて、陸地のかなり奥まで乗り込んで来るのではないか。まあその後は死んでしまうだろうが)
(河を遡って農地にまで至ってしまったら、塩害で不毛の地になってしまうかもしれないな)
(死んでしまったダイオウイカの死体を、他のモンスターが全部食べ切れなかったら、腐敗によって大地が汚染される可能性もあるな)
(こりゃ何が何でも全滅させなきゃいけないな)
(直ぐにやってしまうのか?)
(う~ん、誰かが思いもよらない方法で全滅させてくれれば、俺が目立たないで済むんだがなぁ~)
(今は停止しているようだし、限界ギリギリまで待ってもいいのではないか)
(そうだな、ここは試作分だけ狩って、ギルドで討伐金を受け取るとしよう)
(どれくらい狩るんだ?)
(1万くらいにしておこうか?)
(それは止めおけ、さすがに目立ち過ぎだ)
(そうか、そうだな、また常識を逸脱してしまったな、1000くらいにしておこう)
(その数なら、この街の冒険者でもやれなくはないだろう。目立つのは仕方がないが、危険視されるほどではないだろう)
(では、キロ級の電撃魔法を海中に放つとしますか!)
ナーポリ冒険者ギルド:受付
「ダイオウイカを討伐してきたんだが、討伐金を出してもらえるか」
「え? もうですか?!」
「水を操る魔法が使えるんでな、流木に乗って沖合まで行って来た。今はダイオウイカも侵攻を止めていたから、遠くから魔法を放って適当に狩って来たんだ」
「ダイオウイカの群れが侵攻を止めていたんですか?! それは本当なんですか!」
「本当だよ、そうでなければ生きてここにも戻ってきていないさ」
「ちぃ! 誰も見ていないからっていい加減なこと言いやがって!」
「あいつ朝から粋がっていた流れもんだろ?」
「港に流れ着いたダイオウイカを拾ったかなんかで、それをネタに情報料をせびる気なのさ!」
「なんだと! ミノルさんは嘘なっか言わねぇよ! ねえミノルさん?」
(少々腹が立って来た、ダイオウイカを全部この場にブチマケテやれ)
(それって俺の深層心理なの?)
(ふむ? そうかな? そうかもしれないな)
(まあいい、あいつらを押し潰さない程度は取り出してやるよ)
(ふむ、それでミノルの気も治まり、我も元に戻れるだろう)
「証拠はこれでどうかな」
俺は100匹ほどのダイオウイカをアイテムボックスから取り出し、それこそ受付周辺にいた冒険者を圧倒するくらいの山を創り出してやった。
「ミノル様、ミノル様、それを全てお1人で狩られたのですか?!」
「そうだよ、でもこれだけじゃないよ、全部で千匹ほどだよ」
俺の陰口を言っていた冒険者共は、顔を真っ青にして、水を打ったよう静まった。俺の実力をようやく察することが出来たのだろう、俺が視線を向けると、ほとんどの冒険者視線を下に向けて震えだした。どうやら、悪口陰口に対する報復攻撃を恐れたのだろう。
「せ、セ、せ、千匹ですか?!」
「ああ、査定して欲しいんで、査定場に案内してくれるかな?」
「はい! 直ぐにギルドマスターに連絡させていいただきます!」
直ぐにギルドマスターが駆けつけてきた。
「ダイオウイカを千匹討伐したと言うのは本当なのか?!」
「ここに置いてあるのが1割ほどだよ」
「これが全部ではないのだな」
「これ以上ここには出せないだろう」
「分かった、一旦アイテムボックスになおしてくれ。査定場で改めて数の確認と、支払い済みの処置をとらせてもらう」
「ああそうだ、ダイオウイカを食用に加工する心算だから、食べれなくなるような処置は止めてくれ」
「は? ダイオウイカを食べれるように加工するだと?!」
ギルドマスターは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして固まっている。
「色々な国や街を流れてきたんでね、知識は豊富なんだよ」
「分かった、処置の方法は査定場で相談させてもらおう」
査定場で数を確認してもらったが、1218匹のダイオウイカを確かに確認してもらった。当初ギルド側の支払い済み処置は、同じ個体を何度も持ち込まれないように、細かく切り刻んで返却すると言うものだった。
討伐済み個体は、討伐者に返却するとう事で賞金を減らしていた為、ギルドが勝手に投棄や焼却をするわけにはいかなかったのだ。
だが俺はスルメにして食用にするつもりだったから、細かく切り刻まれるのは困るのだ。塩漬けや乾燥の手間と、料理に試作してみての状況によれば、ギルドに細かく切り刻んでもらった方が手間が省けるかもしれないが、今は丸のまま欲しいのだ。
そこでダイオウイカを丸のまま干すときに加工する、開く状態までの処置で済ませてもらう事で話がついた。
ナーポリ郊外の秘密キャンプ
「主~、何やってるんだ?」
「ミャミャウ、ミャミャ、ミャウミャ、ミャミャ」
「アグネスだって飯作ってくれと言ってるだろ」
「昨日作り置きしておいたバーベキューもフライや天婦羅も、まだまだ残っているだろう、それを食べればいいじゃないか」
「主の作りたてを食べたいんだよ!」
「ミャウ!」
「分かった分かった、だったら白虎もこれを作るのを手伝ってくれ」
「仕方ないなぁ~」
「白虎!」
「ゴメンナサイ、ごめんなさい、御免なさい!」
「次に偉そうな口を利いたら、警告なしで御仕置きをするからな!」
「ワカリマシタ、わかりました、分かりました!」
「白虎いいか?」
「はい!」
セイが少々本気で怒っている。
それが白虎にも伝わったのだろう、本気で手伝う気でいる。
俺はアグネスと白虎用にジャイアント・レッドベアーを焼きながら、手伝ってもらう手順を話しだした。この2人には、毎日毎食魚介類は無理だろう。
「圧縮強化魔法で、岩盤製の干し網台を作る」
「はい!」
「ダイオウイカの開きを置く」
「はい!」
「風魔法を当て続けて乾燥させる」
「はい!」
「圧縮強化魔法で、ダイオウイカを漬けるためのプールを創り出す」
「はい!」
「塩だけで漬けるプール、酢・レモン汁・砂糖・昆布茶・旨味調味料・鷹の爪の配分を色々変えたプールを創り出す」
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