「ざまぁ」「婚約破棄」短編集3巻

克全

第5話守護獣視点

ついにこの国でも味噌と醤油が手に入るようになった!
もうチャーリーなどに任せておくわけにはいかない。
今迄はうっかりとしていて気がつかなかったが、使い魔に買い物に行かせれば、別に行商人に頼る必要などなかったのだ。
こういう所が私の悪いところだ。
できる事とやりたい事が上手く結びつかない事がある。

まあ、今思いついたのだから、もう済んだことだ。
私とオリビアとの生活に、邪魔者など不要なのだが、人間との会話はオリビアに必要かもしれないので、今直ぐチャーリーを殺すわけにはいかない。
う~ん、どうするべきだろうか。
そうだ!
別の話し相手、それも女の話し相手がいればいいのだ。

いつもの狩りのように、オリビアの周りに防御結界を張って、完全に安全を確保してから、私自身で女性の話し相手を探してもいいのだ。
だが、いくら私の気配で魔獣が寄ってこないとはいっても、相手が獣神や龍神や神だと話が違う。
神々に好かれる体質のオリビアの周りから私が離れてしまったら、他の神にオリビアを奪われてしまう。
魅力が発現する前に出会えた幸運を自ら手放すわけにはいかない。

魔獣を斃した時に魔核や魔石、魔晶石や魔宝石はたくさんあるから、さっき思いついたように、それを使って使い魔を創り出し、使い魔にすべてやらせるしかないな。

そうだ!
復讐を忘れていた!
オリビアを追放したチャールズ王太子と、オリビアとの婚約破棄したオリバーには、その罪を思い知らせてやらねばならない。
どうして今まで思いつかなかったのだろう?
オリビアとの二人きりの生活に喜び過ぎていたのだろうか?

まあ、いい。
思いついたのだから報復の使い魔を今直ぐ送ればいいことだ。
また忘れてしまわないうちに、今直ぐ送るのだ。
だが直ぐに殺してしまうのでは面白くない。
毎日毎日恐怖を与えるのだ。
それこそ口から心臓が飛び出しそうになるくらい驚かせるのだ。

いや、それだけでは駄目だな。
激烈な痛みも与えてやらなければいけない。
殺してくれと懇願するような痛み、毎日与えてやるのだ。
そして絶対に死ねないようにしなければいかない。
長く恐怖と痛みを与えるには、死という逃げ道を与えるわけにはいかない。

「ジルゥゥゥゥ!
どこに行ったのぉぉぉぉ!
ご飯を作りますよぉぉぉぉ!
何か食べたい物はありますかぁぁぁぁ!」

それと料理人が必要だな。
味噌と醤油が手に入るのなら、ちゃんとした調理を作れる者がいないと駄目だ。
野趣あふれるオリビアの手料理も悪くはない。
悪くはないが、そろそろちゃんとした料理も食べいた。
毎日塩を振って焼いただけの料理は……



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