「ざまぁ」「婚約破棄」短編集3巻
第7話王都の状況
「陛下、これは由々しき状況でございます。
直ぐに魔窟の聖女を呼び戻して下さい」
「それはできん。
それでは王家の威信が地に落ちる」
「お言葉ではございますが、既に王家の威信は地に落ちております」
「なに!
余を愚弄するか!
余に盾突いてただですむと思っておるのか?!」
「追放刑ならよろこんでお受けいたします。
このまま王都にいれば、魔窟から現れた魔獣に喰い殺されるだけです。
王都の民も次々と逃げだしております。
いえ、民だけでなく、王家の貴族士族まで逃げだしております」
「なんだと?!」
王は今王都がどうなっているのか全く知らなかった。
魔獣が徐々に溢れだし、民も士族も貴族も関係なく、平等に襲って喰っているという現状を知らなかった。
王が愛妾との痴情を優先しているというのが一番の原因だが、自分の失敗を隠蔽しようとして、王太子ウィリアムが王に伝わらないように動いていた。
王が知っているのは、シーモア公爵家のディランを冤罪で追放刑にしたこと。
魔窟の聖女がそれに怒って、役目を放り出して領地に戻った事。
逆恨みしたシーモア公爵家があらぬ噂を流していた事までだった。
それはシーモア公爵家に更なる罰を与えようとした王太子が、積極的に王に知らせていた事だった。
だがシーモア公爵家が流していたのは嘘の噂ではなく、未来に起こる災厄に対する警告であったと、四大公爵家の一つ、ダブリン公爵家当主ヘルムートは思い知り、急ぎ国王に謁見を申しでたのだ。
それに対して国王は、最初会うのを拒んだ。
愛妾との痴情の方が大切だった。
だが謁見できないのならこのまま領地に戻るという伝言を受けて、仕方なく謁見を許す事になった。
初めて真実を知った王は、側近く使える近衛騎士隊長にたずねた。
「本当か?!
本当に士族や貴族が領地に戻っているのか?!」
「……本当でございます。
多くの貴族士族が病気届を出して領地に戻っております。
……私も妻と子供は領地に帰しました。
このまま王都にいれば、必ず魔獣に喰われてしまいます」
国王は真実を初めて知って愕然とした。
目の前にいる近衛騎士隊長ですら、家族を領地に戻したというのだ。
王都がどれほど危険で、そのような状況を自分が知らなかったこと、知らせようとする家臣がいなかったことに、ハンマーで頭を殴られるような衝撃を受けた。
「なぜ今まで知らせなかった!?
余を愚弄していいるのか?!」
「何度もお知らせしようとしましたが、後宮で大切な用事があると、一向に表に出て下さらなかっての陛下です。
我ら家臣の責任ではありません。
そのような事を申されるようでしたら、もうお仕えする事はできません。
お役目を返上して領地に戻らせていただきます」
近衛騎士隊長はこれ幸いと役目を返上して領地に戻っていった。
直ぐに魔窟の聖女を呼び戻して下さい」
「それはできん。
それでは王家の威信が地に落ちる」
「お言葉ではございますが、既に王家の威信は地に落ちております」
「なに!
余を愚弄するか!
余に盾突いてただですむと思っておるのか?!」
「追放刑ならよろこんでお受けいたします。
このまま王都にいれば、魔窟から現れた魔獣に喰い殺されるだけです。
王都の民も次々と逃げだしております。
いえ、民だけでなく、王家の貴族士族まで逃げだしております」
「なんだと?!」
王は今王都がどうなっているのか全く知らなかった。
魔獣が徐々に溢れだし、民も士族も貴族も関係なく、平等に襲って喰っているという現状を知らなかった。
王が愛妾との痴情を優先しているというのが一番の原因だが、自分の失敗を隠蔽しようとして、王太子ウィリアムが王に伝わらないように動いていた。
王が知っているのは、シーモア公爵家のディランを冤罪で追放刑にしたこと。
魔窟の聖女がそれに怒って、役目を放り出して領地に戻った事。
逆恨みしたシーモア公爵家があらぬ噂を流していた事までだった。
それはシーモア公爵家に更なる罰を与えようとした王太子が、積極的に王に知らせていた事だった。
だがシーモア公爵家が流していたのは嘘の噂ではなく、未来に起こる災厄に対する警告であったと、四大公爵家の一つ、ダブリン公爵家当主ヘルムートは思い知り、急ぎ国王に謁見を申しでたのだ。
それに対して国王は、最初会うのを拒んだ。
愛妾との痴情の方が大切だった。
だが謁見できないのならこのまま領地に戻るという伝言を受けて、仕方なく謁見を許す事になった。
初めて真実を知った王は、側近く使える近衛騎士隊長にたずねた。
「本当か?!
本当に士族や貴族が領地に戻っているのか?!」
「……本当でございます。
多くの貴族士族が病気届を出して領地に戻っております。
……私も妻と子供は領地に帰しました。
このまま王都にいれば、必ず魔獣に喰われてしまいます」
国王は真実を初めて知って愕然とした。
目の前にいる近衛騎士隊長ですら、家族を領地に戻したというのだ。
王都がどれほど危険で、そのような状況を自分が知らなかったこと、知らせようとする家臣がいなかったことに、ハンマーで頭を殴られるような衝撃を受けた。
「なぜ今まで知らせなかった!?
余を愚弄していいるのか?!」
「何度もお知らせしようとしましたが、後宮で大切な用事があると、一向に表に出て下さらなかっての陛下です。
我ら家臣の責任ではありません。
そのような事を申されるようでしたら、もうお仕えする事はできません。
お役目を返上して領地に戻らせていただきます」
近衛騎士隊長はこれ幸いと役目を返上して領地に戻っていった。
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