「ざまぁ」「婚約破棄」短編集3巻

克全

第3話

孫悟空が逃げるのと入れ替わるように、リドワーンが帰ってきました。
そこには瀕死の母と、母を看病する女性がいました。

「母さん!
どうしたんだ母さん!」

「孫悟空にやられました。
お助けしようとしたのですが、私の力が及びませんでした。
申し訳ありません」

看病してくれていた女性が全て教えてくれました。
リドワーンは母親の敵を討つことを誓いましたが、力が足りません。
死を覚悟で戦うつもりでしたが、それを女性諫めてくれました。
女性は、自分がグレイスに育ててもらった世界樹ユグドラシルに宿る精霊、ドリアードのオードリーだと名乗りました。

「まずはこの実をグレイス様に食べていただく許可をください。
この実を食べれば、グレイス様は治ります。
それと孫悟空と一人で戦っても勝てません。
仲間を集めてください。
ですがそれでも普通なら勝てないでしょう。
ですが身体強化するユグドラシルの実を食べれば、相手が孫悟空でも勝てます」

リドワーンはオードリーの助言に従い、学校の友達に事情を話して助太刀をお願いしたが、多くの者が孫悟空を恐れて断った。
だがゴーレム族のハリー、魔剣族のジャック、ワプス族のランデルが命を賭けて助力を約束してくれた。
もちろんグレイスに育てられたオードリーも。

五人はユグドラシルの実を食べて極限まで能力を向上させました。
その状態で孫悟空の城に攻め込みました。
孫悟空配下の石猿軍団が向かってきましたが、五人の敵ではありません。
本来ならハリーの攻撃でも砕けない石猿の身体が、一撃で粉砕できます。
ジャックの刃も石猿を斬り裂き、刃毀れひとつしません。
ランデルの毒針も楽々と刺さります。
もちろんリドワーンの挟みも石猿を両断します。

配下では勝てないと判断した孫悟空と孫梧蘭は、自らリドワーンを殺そうとしましたが、オードリーの魔法に邪魔され、実力が発揮できません。
そこに四人が協力して四身一体の攻撃を放ち、孫悟空と孫梧蘭を斃すことに成功しました。

孫悟空を斃したリドワーンは天帝に認められ、孫悟空の支配していた地域を担当する上仙人となりました。
ユグドラシルはすくすくと育ち、リドワーン領を護る守り神となりました。
リドワーンは乳妹ともいえるオードリーと決婚しました。
沢山の子供にも恵まれ、母親のグレイスと妻のオードリーを大切にし、幸せに暮らしました。
めでたし、めでたし。

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品