「溺愛」「婚約破棄」「ざまあ」短編集4
第5話
やっと自由になれたのに。
これから自由を謳歌しようと思っていたのに。
糞神が全て台無しにしてしまいました。
この大陸で、夫のいない子連れの女が暮らしていくことが、どれほど大変なのか、糞神は全く理解していません!
「こら糞神!
無視すんな、糞神!
子供はお前が責任をもって引き取れ!
おい、こら、聞いてんのか?!」
何度も何度も心の中で神に話しかけましたが、全く無視です。
全然返事がありません。
神と人間の時間感覚には、とても大きな違いがある事は理解していますが、これはあまりに酷いです。
神がほんの少し他に気をとられている間に、人間の世界で百年二百年過ぎている事すらあると、私は知っています。
ここからは賭けですね。
私の怒りに驚いて、聞こえているのに聞こえてないふりをして、こっそり神子を神が引き取ってくれているのか、それとも全然聞こえておらず、私のお腹の中にまだ神の子がいるのか。
ああ、この歳で子持ちです。
恋の経験もなしに、男性と情を交わす事もなく、親になるのです。
こんな酷い話はありません!
やっと自由に生きていけると、天にも昇るよろこびを感じたのに、そのよろこびはほんの一瞬でした。
こんな事なら、馬鹿正直に馬車を返さなければよかった。
あの馬車を売れば、結構な金になったのです。
いえ、駄目ですね。
正当な値段で売る事は無理ですね。
なんといっても王家の紋章が彫られた馬車です。
犯罪者ギルドが買ってくれたとしても、正当な価格の一割でももらえればいい方で、その場で拉致されて奴隷として売られる確率の方が高いです。
輓馬も王家の焼印が押されているので、売るのは無理だったでしょうね。
「おい、こら、待て。
なに無視している!
無視しても逃げられないぞ!」
「お頭!
さっさとこの場でやっちまいましょうや。
身体に分からせた方が話が早いですよ」
「まあ待て。
恐ろしく高価な衣装を着た女だ。
服装だけ見たら上級貴族の令嬢としか思えない。
もし本当に上級貴族の令嬢で乙女だったら、このまま売れば、しばらく遊んで暮らせるくらいの金になる。
ここで衣装を破くのは馬鹿のする事だ。
さっき捕まえた王家の紋章の入った馬車と一緒に売れば、それこそ一生遊んで暮らせるかもしれないんだぞ」
「ええええ、そんな殺生な」
あら、あら、あら、あら。
獲物が向こうからやってきてくれました。
しかもさっき後悔していた、馬車を確保してくれているではありませんか。
これは幸運以外の何物でもありませんね。
相手は多くの人を苦しめてきた盗賊です。
遠慮や手加減は無用ですね。
これから自由を謳歌しようと思っていたのに。
糞神が全て台無しにしてしまいました。
この大陸で、夫のいない子連れの女が暮らしていくことが、どれほど大変なのか、糞神は全く理解していません!
「こら糞神!
無視すんな、糞神!
子供はお前が責任をもって引き取れ!
おい、こら、聞いてんのか?!」
何度も何度も心の中で神に話しかけましたが、全く無視です。
全然返事がありません。
神と人間の時間感覚には、とても大きな違いがある事は理解していますが、これはあまりに酷いです。
神がほんの少し他に気をとられている間に、人間の世界で百年二百年過ぎている事すらあると、私は知っています。
ここからは賭けですね。
私の怒りに驚いて、聞こえているのに聞こえてないふりをして、こっそり神子を神が引き取ってくれているのか、それとも全然聞こえておらず、私のお腹の中にまだ神の子がいるのか。
ああ、この歳で子持ちです。
恋の経験もなしに、男性と情を交わす事もなく、親になるのです。
こんな酷い話はありません!
やっと自由に生きていけると、天にも昇るよろこびを感じたのに、そのよろこびはほんの一瞬でした。
こんな事なら、馬鹿正直に馬車を返さなければよかった。
あの馬車を売れば、結構な金になったのです。
いえ、駄目ですね。
正当な値段で売る事は無理ですね。
なんといっても王家の紋章が彫られた馬車です。
犯罪者ギルドが買ってくれたとしても、正当な価格の一割でももらえればいい方で、その場で拉致されて奴隷として売られる確率の方が高いです。
輓馬も王家の焼印が押されているので、売るのは無理だったでしょうね。
「おい、こら、待て。
なに無視している!
無視しても逃げられないぞ!」
「お頭!
さっさとこの場でやっちまいましょうや。
身体に分からせた方が話が早いですよ」
「まあ待て。
恐ろしく高価な衣装を着た女だ。
服装だけ見たら上級貴族の令嬢としか思えない。
もし本当に上級貴族の令嬢で乙女だったら、このまま売れば、しばらく遊んで暮らせるくらいの金になる。
ここで衣装を破くのは馬鹿のする事だ。
さっき捕まえた王家の紋章の入った馬車と一緒に売れば、それこそ一生遊んで暮らせるかもしれないんだぞ」
「ええええ、そんな殺生な」
あら、あら、あら、あら。
獲物が向こうからやってきてくれました。
しかもさっき後悔していた、馬車を確保してくれているではありませんか。
これは幸運以外の何物でもありませんね。
相手は多くの人を苦しめてきた盗賊です。
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