「溺愛」「婚約破棄」「ざまあ」短編集4
第9話
自国の王都から他国の大陸連合魔法学院までの旅は、獣はもちろん山賊や盗賊まで襲いかかってくる危険な旅でした。
刺客の襲撃で、最初に選抜した騎士や従士が死傷しているので、信用信頼か戦闘力で少々劣る者が護衛を務めているのも、旅を困難にさせました。
もっとも、真の姿が刺客の戦闘侍女が最側近として護ってくれているので、本当の危機には遭遇しませんでした。
「カチュア、練った魔法を叩きつけなさい!」
「ですがおばあ様、相手は人間です!」
「躊躇ってはなりません!
ここで貴女が躊躇えば、騎士や従士が死んでしまうのですよ!
見逃せば、無辜の民が襲われるのですよ!
何の罪もない娘が襲われ、凌辱されるのですよ!
高貴なる者の責任を果たしなさい!」
「……はい……おばあ様」
厳しいのは分かっています。
厳し過ぎるかもしれません。
しかし、カチュアには頼れる者が少ないのです。
私の息子で、カチュアの父であるリアムには、決定的な欠点があります。
病的な女好きは死ぬまで治らないでしょう。
本来一番の保護者であるべき父親を心底頼れないのです。
明確な敵もいます。
王太子ルーカスは敵です。
私が生きている間は手を出してこないかもしれません。
ですが私も歳です。
長生きできるように、できる限りの努力はしますが、天寿には逆らえないのです。
私が死んでしまった時でも、カチュアが生き残れるようにしておくのです!
そのために大切なのが、どうしても避けて通れないのが、殺人の経験です。
単に命令をくだして、自分の眼に触れないところで殺すのではなく、自分の目の前で殺す命令を出す事!
目の前で人が死ぬところを見る事!
自分自身の手で人を殺す経験をすること!
辛く酷い経験ですが、どうしても必要な経験です。
敵に襲われて、自分が相手を殺さなければいけなくなった時、人を殺した経験があるかないかで、生死の境が変わってきます。
私自身の経験が、苦い苦しい経験が、それを証明しています。
私も母から伝えられました。
躊躇わず、カチュアの母ペネロペに伝えていればよかったのです。
今でも思い出すと、苦々しいモノがこみ上げてきます。
それが、旅の途中でカチュアに殺人を経験さえなければいけないという、突き上げるような思いとなっています。
最初は馬車の中から盗賊の姿が見えない状態で殺人を経験させました。
次に馬車の中から小窓を開けて、盗賊の姿を見ながら殺人を経験させました。
次は馬車から出して、盗賊が襲いかかってくるところ殺させました。
もちろん私や戦闘侍女が万全の態勢で護っていますから、危険はありません。
最後は、薙刀を持たせて盗賊を斬り殺させました。
人殺しの感触をその手に経験させたのです。
我ながら酷い祖母だと思います。
刺客の襲撃で、最初に選抜した騎士や従士が死傷しているので、信用信頼か戦闘力で少々劣る者が護衛を務めているのも、旅を困難にさせました。
もっとも、真の姿が刺客の戦闘侍女が最側近として護ってくれているので、本当の危機には遭遇しませんでした。
「カチュア、練った魔法を叩きつけなさい!」
「ですがおばあ様、相手は人間です!」
「躊躇ってはなりません!
ここで貴女が躊躇えば、騎士や従士が死んでしまうのですよ!
見逃せば、無辜の民が襲われるのですよ!
何の罪もない娘が襲われ、凌辱されるのですよ!
高貴なる者の責任を果たしなさい!」
「……はい……おばあ様」
厳しいのは分かっています。
厳し過ぎるかもしれません。
しかし、カチュアには頼れる者が少ないのです。
私の息子で、カチュアの父であるリアムには、決定的な欠点があります。
病的な女好きは死ぬまで治らないでしょう。
本来一番の保護者であるべき父親を心底頼れないのです。
明確な敵もいます。
王太子ルーカスは敵です。
私が生きている間は手を出してこないかもしれません。
ですが私も歳です。
長生きできるように、できる限りの努力はしますが、天寿には逆らえないのです。
私が死んでしまった時でも、カチュアが生き残れるようにしておくのです!
そのために大切なのが、どうしても避けて通れないのが、殺人の経験です。
単に命令をくだして、自分の眼に触れないところで殺すのではなく、自分の目の前で殺す命令を出す事!
目の前で人が死ぬところを見る事!
自分自身の手で人を殺す経験をすること!
辛く酷い経験ですが、どうしても必要な経験です。
敵に襲われて、自分が相手を殺さなければいけなくなった時、人を殺した経験があるかないかで、生死の境が変わってきます。
私自身の経験が、苦い苦しい経験が、それを証明しています。
私も母から伝えられました。
躊躇わず、カチュアの母ペネロペに伝えていればよかったのです。
今でも思い出すと、苦々しいモノがこみ上げてきます。
それが、旅の途中でカチュアに殺人を経験さえなければいけないという、突き上げるような思いとなっています。
最初は馬車の中から盗賊の姿が見えない状態で殺人を経験させました。
次に馬車の中から小窓を開けて、盗賊の姿を見ながら殺人を経験させました。
次は馬車から出して、盗賊が襲いかかってくるところ殺させました。
もちろん私や戦闘侍女が万全の態勢で護っていますから、危険はありません。
最後は、薙刀を持たせて盗賊を斬り殺させました。
人殺しの感触をその手に経験させたのです。
我ながら酷い祖母だと思います。
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