「溺愛」「婚約破棄」「ざまあ」短編集
第15話
「はい、我がレオネオル家は皇国建国以来の家柄です。
宗家は伯爵家で、本家は男爵家となり、我が家は騎士家です。
家門の名誉にかけて、忠誠を尽くさせていただきます」
この男も駄目ですね。
名門意識が強すぎます。
しかも本家宗家を頼り過ぎです。
己一人の腕で家運を開こうという、気概のかけらもありません。
思っていた以上に有望な人間がいません。
「私の家は士爵でしかありませんが、本家は子爵家でございます。
宗家は建国以来の名門侯爵家、リシュリュー家でございます。
忠誠心はもとより、皇国流の行儀作法も学んでおります。
皇太子殿下のご不興を買うような真似は致しません」
また馬鹿が来ました。
皇太子殿下のご不興を買わないと言いながら、既に不機嫌にさせています。
意識してわざと口にしたのか、それとも無意識なのかはわかりませんが、
「皇国流の行儀作法も学んでおります」
と口にした時点で、私の事を揶揄しているのです。
これが馬鹿でなくて誰が馬鹿なのでしょうか?
リシュリュー家の一門につながる侍従と侍女が、顔色を悪くしています。
この愚行が、自分達に跳ね返ってくるのを自覚しているのでしょう。
私もそう思います。
リシュリュー家の縁者は、確実に皇太子宮から追放ですね。
「私はゴア騎士家の長女ネーラと申します。
このような大女の醜女に生まれましたので、結婚は諦め、後宮警備に採用してもらいたく、武芸一筋に励んできました。
ですがこれまでは、武芸ではなく家柄と容姿で不採用になってきました。
正直諦めて冒険者をしていましたが、この度は家柄容姿に関係なく、忠誠心と武芸で採用していただけると聞き、今一度挑戦させていただき事にしました」
この女武芸者は見込みがありますね。
本家や宗家の名前を出しません。
まあ、事前に調べた範囲では、親戚縁者に貴族はいないようですから、出したくても出せないのかもしれません。
ですが、それでも、期待はできます。
「まず型から披露してもらおう」
アレキサンダー皇太子殿下の言葉を受けて、ネーラ・リッター・ゴアが青龍偃月刀の型を披露しましたが、その流麗で速い演武は、殿下を感心させるほどでした。
「クレア。
貴女はどう思いますか?」
「とても私が勝てる相手ではありません。
三人がかりで戦っても、わずかな時間稼ぎができる程度です。
忠誠心に間違いがなければ、今直ぐにでも採用なさるべきです。
僅かでも忠誠心に疑念があるのなら、絶対に側に近づけてはいけません」
「手合わせする必要もないのですか?」
「情けない話ですが、一合も刃を交わすことなく負けます」
私は戦闘侍女のクレアに確かめてみましたが、その武芸に対しては手放しでほめています。
「では忠誠心を試させてもらおうか」
アレキサンダー皇太子殿下は、どうやって忠誠心を確かめられるのでしょうか?
宗家は伯爵家で、本家は男爵家となり、我が家は騎士家です。
家門の名誉にかけて、忠誠を尽くさせていただきます」
この男も駄目ですね。
名門意識が強すぎます。
しかも本家宗家を頼り過ぎです。
己一人の腕で家運を開こうという、気概のかけらもありません。
思っていた以上に有望な人間がいません。
「私の家は士爵でしかありませんが、本家は子爵家でございます。
宗家は建国以来の名門侯爵家、リシュリュー家でございます。
忠誠心はもとより、皇国流の行儀作法も学んでおります。
皇太子殿下のご不興を買うような真似は致しません」
また馬鹿が来ました。
皇太子殿下のご不興を買わないと言いながら、既に不機嫌にさせています。
意識してわざと口にしたのか、それとも無意識なのかはわかりませんが、
「皇国流の行儀作法も学んでおります」
と口にした時点で、私の事を揶揄しているのです。
これが馬鹿でなくて誰が馬鹿なのでしょうか?
リシュリュー家の一門につながる侍従と侍女が、顔色を悪くしています。
この愚行が、自分達に跳ね返ってくるのを自覚しているのでしょう。
私もそう思います。
リシュリュー家の縁者は、確実に皇太子宮から追放ですね。
「私はゴア騎士家の長女ネーラと申します。
このような大女の醜女に生まれましたので、結婚は諦め、後宮警備に採用してもらいたく、武芸一筋に励んできました。
ですがこれまでは、武芸ではなく家柄と容姿で不採用になってきました。
正直諦めて冒険者をしていましたが、この度は家柄容姿に関係なく、忠誠心と武芸で採用していただけると聞き、今一度挑戦させていただき事にしました」
この女武芸者は見込みがありますね。
本家や宗家の名前を出しません。
まあ、事前に調べた範囲では、親戚縁者に貴族はいないようですから、出したくても出せないのかもしれません。
ですが、それでも、期待はできます。
「まず型から披露してもらおう」
アレキサンダー皇太子殿下の言葉を受けて、ネーラ・リッター・ゴアが青龍偃月刀の型を披露しましたが、その流麗で速い演武は、殿下を感心させるほどでした。
「クレア。
貴女はどう思いますか?」
「とても私が勝てる相手ではありません。
三人がかりで戦っても、わずかな時間稼ぎができる程度です。
忠誠心に間違いがなければ、今直ぐにでも採用なさるべきです。
僅かでも忠誠心に疑念があるのなら、絶対に側に近づけてはいけません」
「手合わせする必要もないのですか?」
「情けない話ですが、一合も刃を交わすことなく負けます」
私は戦闘侍女のクレアに確かめてみましたが、その武芸に対しては手放しでほめています。
「では忠誠心を試させてもらおうか」
アレキサンダー皇太子殿下は、どうやって忠誠心を確かめられるのでしょうか?
コメント