「ざまぁ」「婚約破棄」短編集4巻
第8話
「どこ行った!?
探せ!
なんとしても探しだせ!
久しぶりの獲物だ。
それもとびっきりの上物だ!
女房子供を売りたくなければ、なにがなんでも探しだせ!」
失敗しました。
熟考したうえで、強行突破を選んだのですが、レオの甘えたさんを軽く見過ぎていました。
どうせ香水を使って強行突破するなら、街で盗みを働いて、路銀を補充しようとしたのが間違いでした。
城門の関所を、以前と同じ方法で通り抜けようとしたのですが、私の緊張と不安を感じ取ったのが、レオが鳴いてしまったのです。
それだけならまだ何とかなったのですが、関所にはそれなりに鍛えた兵士がいたようで、鳴き声が聞こえた場所に槍を突き出してきたのです。
私は腕を突かれ、血を流し悲鳴をあげてしまいました。
なにがどうなったのか?
血を流したのが悪かったのか、悲鳴をあげたのが悪かったのか?
朧気ながら私の姿が浮かび上がってしまいました。
正直最悪の状況です。
でもレオを恨む気にはなりません。
全ては私の判断ミス、甘く見過ぎていたせいです。
「キュウキュウキュウウウ」
レオがひと声鳴くと、私の腕の傷はみるみる治りました。
ビックリしました。
翅蜥蜴に治癒魔法が使えるなんて初耳です。
声に出してほめてあげたかったですが、今その余裕はありません。
声をだしたらもっとはっきりと姿が現れてしまうかもしれません。
だから心を込めて優しくなでてあげました。
「キュウウウウウゥゥゥ」
「あっちだ!
あっちで声がしたぞ!
追え!
絶対に逃がすな!」
こんな小さな街は無視して、通り過ぎればよかったのです。
どう考えても、大金を持っている者は住んでいません。
盗めたとしても小銭程度だったでしょう。
それを、欲深く盗もうとした私に対する天罰かもしれません。
あ、いえ、それだけはないですね。
私に天罰をくだすなら、その前に天罰をくださない相手がごまんといます。
他のせいにしてはいけません。
全ては私のせいです。
私の自己責任なのです。
ですが、事ここに至っても、私は戻りませんでした。
強行突破を実行したのです。
今さら迂回する事はできません。
今回は失敗しましたが、次に成功させればいいのです。
そのために多くの食糧を購入してきたのです。
私は何とか追っ手を振り切って、森の中に逃げ込みました。
香水をつけ直しましたから、獣に襲われる心配はありません。
焚火ができないのは色々不便ですが、今の季節なら朝晩の冷え込みもそれほどではないですから、外套を被れば風邪をひくこともないでしょう。
「キュウウウウウゥゥゥ」
「そんなに謝らなくてもいのよ。
次に我慢してくれればいいの」
レオが何度も謝ってくれます。
謝ってくれている気がします。
レオの鳴き声の意味が分かるようになった気がします。
探せ!
なんとしても探しだせ!
久しぶりの獲物だ。
それもとびっきりの上物だ!
女房子供を売りたくなければ、なにがなんでも探しだせ!」
失敗しました。
熟考したうえで、強行突破を選んだのですが、レオの甘えたさんを軽く見過ぎていました。
どうせ香水を使って強行突破するなら、街で盗みを働いて、路銀を補充しようとしたのが間違いでした。
城門の関所を、以前と同じ方法で通り抜けようとしたのですが、私の緊張と不安を感じ取ったのが、レオが鳴いてしまったのです。
それだけならまだ何とかなったのですが、関所にはそれなりに鍛えた兵士がいたようで、鳴き声が聞こえた場所に槍を突き出してきたのです。
私は腕を突かれ、血を流し悲鳴をあげてしまいました。
なにがどうなったのか?
血を流したのが悪かったのか、悲鳴をあげたのが悪かったのか?
朧気ながら私の姿が浮かび上がってしまいました。
正直最悪の状況です。
でもレオを恨む気にはなりません。
全ては私の判断ミス、甘く見過ぎていたせいです。
「キュウキュウキュウウウ」
レオがひと声鳴くと、私の腕の傷はみるみる治りました。
ビックリしました。
翅蜥蜴に治癒魔法が使えるなんて初耳です。
声に出してほめてあげたかったですが、今その余裕はありません。
声をだしたらもっとはっきりと姿が現れてしまうかもしれません。
だから心を込めて優しくなでてあげました。
「キュウウウウウゥゥゥ」
「あっちだ!
あっちで声がしたぞ!
追え!
絶対に逃がすな!」
こんな小さな街は無視して、通り過ぎればよかったのです。
どう考えても、大金を持っている者は住んでいません。
盗めたとしても小銭程度だったでしょう。
それを、欲深く盗もうとした私に対する天罰かもしれません。
あ、いえ、それだけはないですね。
私に天罰をくだすなら、その前に天罰をくださない相手がごまんといます。
他のせいにしてはいけません。
全ては私のせいです。
私の自己責任なのです。
ですが、事ここに至っても、私は戻りませんでした。
強行突破を実行したのです。
今さら迂回する事はできません。
今回は失敗しましたが、次に成功させればいいのです。
そのために多くの食糧を購入してきたのです。
私は何とか追っ手を振り切って、森の中に逃げ込みました。
香水をつけ直しましたから、獣に襲われる心配はありません。
焚火ができないのは色々不便ですが、今の季節なら朝晩の冷え込みもそれほどではないですから、外套を被れば風邪をひくこともないでしょう。
「キュウウウウウゥゥゥ」
「そんなに謝らなくてもいのよ。
次に我慢してくれればいいの」
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謝ってくれている気がします。
レオの鳴き声の意味が分かるようになった気がします。
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