奴隷魔法使い
第247話開戦かな?
『琉球・首里城郊外・唐津子爵家陣城』
「秀子、兵の様子はどうだ?」
「子爵閣下が創り出された兵舎で寝床を確保しておる者と、城壁で首里城の兵達に備える者に分けております。」
「使い物になりそうか?」
「大半の者はそれなりに武芸が出来ますが、その性根は確かめようがございません。」
「首里城の女官や婦女子に乱暴狼藉をする可能性があるのだな?」
「子爵閣下の魔力には恐怖しておるようでございますが、逆に虎の威を借り何をやっても許さると、驕り高ぶっている者がおるやもしれません。」
「そうか、ならば少し威しておいた方がいいな。」
「はい、そうして頂ければ苦しむ者が出ないかもしれません。」
秀子は陣城内の全ての将兵を集めに行った。
「彩、索敵を任せる。」
「分かったわ、任せて。」
秀子や各組頭が実戦試験参加の兵達を集めた。そして尊は魔力を込めて全員に話が伝わるように話し始めた。
「皆の者よく聞け! 首里城を攻めるに当たり絶対に守るべき事がある。それは婦女子に対する乱暴狼藉の禁止だ、破った者は一族皆殺しにする。勝手に陣城を抜け出そうとした者は、俺と飯豊男爵の魔法で殺す。これは国王陛下の許可を受けた軍法である、分かったか!」
「「「はい!」」」
「各組頭・惣頭はそのような者を見つけたら即座に殺せ。たとえ相手が貴族家士族家の子弟縁者であろうと問答無用、手を抜けば組頭・惣頭を一族皆殺しにする、分かったか!」
「「「はい!」」」
「では解散。」
「尊、大公家はどうでるかな?」
「戦だろうね。」
「それほどの覚悟があるのかな?」
「恐らく薩摩辺境伯家から、援軍を出すと念話が行くだろう。」
「確かに薩摩辺境伯家が援軍に来るなら戦いを決断するでしょうね。」
「だが実際に援軍が来る事は無いと思うよ。」
「時間稼ぎの捨て石にすると言う事?」
「そうなるだろうね。」
「酷いわね、それならいっそ薩摩辺境伯家は奴隷売買を知らなかったと言って、私達の援軍に来たりしない?」
「そうだね、そんな愚かな事をする可能性も少しはあるかな、でもその時は問答無用で皆殺しにするから。」
「そうよね、それくらいの判断は出来るわよね、じゃあ明日には城攻めを始めるの?」
「いや、城の規模を強化して王都からもっと兵を集める。その上で西表島・石垣島・宮古島・徳之島・奄美大島・屋久島・種子島に兵を送って占領するよ。」
「合戦で不測の事態が起こることを恐れてるの?」
「合戦になれば、どれほど注意しても品性下劣で愚かな奴が婦女子に乱同狼藉を働くと思う。だから戦わずに勝ちたいんだよ。」
「そうですね、それが大切ですね。」
「敵の攻撃を防ぐ為にも、味方の愚か者が陣城を抜け出して、婦女子に害を与えないようにする為にも、濠を深く広くして城壁も厚く高くしよう。」
「交代で寝た方がいいんじゃない?」
「俺は大丈夫だよ、彩が先に寝てくれ。」
「分かったわ、3時間で起きるからその後寝てね。」
「ああそうするよ。」
『薩摩辺境伯・鹿児島城』
「辺境伯様どういたしましょうか?」
「合戦の準備を致せ。」
「勝てましょうか?」
「おめおめと大隅1国を手放せと言うのか?」
「左様は申しませんが、唐津子爵の実力を量ってからの方が宜しいのではありませんか。」
「どう量るのだ?」
「琉球に戦わせましょう、その戦いぶりを見て御家の生末を決めましょう。」
「唐津子爵が圧倒的な魔力を持っていたら、戦わずして大隅を手放し王家の軍門に下るのか!」
「御家を潰す訳には参りません。」
「何方にしても潰れるではないか、今ですら家中の者を養う為に奴隷売買をしておるのだ、領地が半減すれば辺境伯家を維持する事など出来ん。」
「その場合を家臣を召し放ちに致しませ。」
「戦国の世から薩摩家の為に戦って来てくれた家臣を召し放てと申すのか!」
「国家老として申し上げます。辺境伯家を立て直すには家臣を召し放つか、家臣達に冒険者として出稼ぎさせるしかありません。何方も唐津子爵と敵対しては出来ない事です。」
「しかし既に我が家は子爵と敵対しているではないか、王都の元吉が何度も刺客を放って捕まっておる、今更どうにもならぬ。」
「しかしながら王家・王国もその事は百も承知でございましょう。それでも御家取り潰しではなく、半知没収で済んでおります。ここで下手に抵抗すればこれ幸いと取り潰しにかかりますぞ。」
「う~む、それなら琉球に抵抗させるのも問題なのではないか。」
「問題でございます。」
「貴様先ほど唐津子爵の実力を量るために抵抗させよと申したではないか!」
「それは辺境伯様が合戦の準備を命じられたから、それを押し止める為に次善の策として申し上げたのでございます。最善の策は王家の沙汰を素直に受けて、家臣達を冒険者として出稼ぎさせる事でございます。」
「確かに長崎の貿易を見れば、奴隷売買より家臣達に出稼ぎさせる方がよほど利益がある。」
「チュエストー!」
部屋の外で警備をしていたはずの若衆が部屋に乱入して、国家老・島津久共を一刀の下に切り殺した。
「無礼者!」
「辺境伯様、騙されてはなりませんぞ、この者達一派の言う事を聞いては辺境伯様はよくて押込、悪くすれば切腹させられます。」
「なに!?」
「こやつらは辺境伯家を王家に売り渡し、自分達が辺境伯になろうとしているのです。」
「う~む。」
「辺境伯様には10万の家臣がついております、一部不忠者もおりますが、そのような者共は武を忘れた軟弱者、我らが一刀の下に討ち果たして御覧に入れます。」
「うむ、よくぞ申した。」
「この者は不忠者なれど、この者が申した琉球に時間稼ぎをさせるのはよき策でございます。早速魔法使いに念話で合戦の指示をださせましょう。」
「うむ、直ぐに指図いたせ。」
「は、承りました。この死骸は近習達に片づけさせましょう。」
「うむ。」
『琉球・首里城郊外・唐津子爵家陣城』
「兵が慌ただしく城門を出入りしております!」
「攻めて来そうか?」
「いえ、此方の様子を伺っておるようです。子爵様と男爵様にご報告しなくてもよいのでしょうか?」
「もうご存知だろうが、念の為に行ってこい。」
「はい!」
伝令が来る頃には全て理解していた。今まで城の中に籠って様子を伺っていたのが、急に怯えながらも首里城を出てこちらの動きを探り出した。薩摩辺境伯からの命令か援軍の約束があったのだろう。だが琉球大公国も単独で積極的の攻勢に出る心算は無いようだ。
「どうするの、尊?」
「王都には新たな実戦試験希望者が殺到しているだろう。」
「そうでしょうね。」
「彼らを島々に輸送して占領する。」
「拠点となる城も作るの?」
「ああ、俺と彩が領主になるだろうからね。」
「琉球全土を?」
「そうなるだろうね。」
「じゃあタケルは伯爵様? それとも辺境伯様?」
「さあ、どっちだろうね? まあどっちでもいいよ。」
「そうね、民を奴隷として海外に売っていた土地を、売られた人達を助ける拠点に出来ればそれでいいわ。」
「さあ、頑張って兵を運んで城を創り出そう。」
「うん!」
俺と彩はこの日に西表島に城を創り出し王都から1000兵を運んだ。次の日には石垣島に城を創り出し1000兵を運び、3日目は宮古島、4日目は徳之島、5日目は奄美大島、6日目は屋久島、7日目は種子島と7日で7つの城を創り出し5000兵を運んだ。もちろん初日の琉球本島の城と5000兵は別になる。
これでいよいよ本格的に琉球大公国を接収する大仕事を本格的に始めることになる。
「秀子、兵の様子はどうだ?」
「子爵閣下が創り出された兵舎で寝床を確保しておる者と、城壁で首里城の兵達に備える者に分けております。」
「使い物になりそうか?」
「大半の者はそれなりに武芸が出来ますが、その性根は確かめようがございません。」
「首里城の女官や婦女子に乱暴狼藉をする可能性があるのだな?」
「子爵閣下の魔力には恐怖しておるようでございますが、逆に虎の威を借り何をやっても許さると、驕り高ぶっている者がおるやもしれません。」
「そうか、ならば少し威しておいた方がいいな。」
「はい、そうして頂ければ苦しむ者が出ないかもしれません。」
秀子は陣城内の全ての将兵を集めに行った。
「彩、索敵を任せる。」
「分かったわ、任せて。」
秀子や各組頭が実戦試験参加の兵達を集めた。そして尊は魔力を込めて全員に話が伝わるように話し始めた。
「皆の者よく聞け! 首里城を攻めるに当たり絶対に守るべき事がある。それは婦女子に対する乱暴狼藉の禁止だ、破った者は一族皆殺しにする。勝手に陣城を抜け出そうとした者は、俺と飯豊男爵の魔法で殺す。これは国王陛下の許可を受けた軍法である、分かったか!」
「「「はい!」」」
「各組頭・惣頭はそのような者を見つけたら即座に殺せ。たとえ相手が貴族家士族家の子弟縁者であろうと問答無用、手を抜けば組頭・惣頭を一族皆殺しにする、分かったか!」
「「「はい!」」」
「では解散。」
「尊、大公家はどうでるかな?」
「戦だろうね。」
「それほどの覚悟があるのかな?」
「恐らく薩摩辺境伯家から、援軍を出すと念話が行くだろう。」
「確かに薩摩辺境伯家が援軍に来るなら戦いを決断するでしょうね。」
「だが実際に援軍が来る事は無いと思うよ。」
「時間稼ぎの捨て石にすると言う事?」
「そうなるだろうね。」
「酷いわね、それならいっそ薩摩辺境伯家は奴隷売買を知らなかったと言って、私達の援軍に来たりしない?」
「そうだね、そんな愚かな事をする可能性も少しはあるかな、でもその時は問答無用で皆殺しにするから。」
「そうよね、それくらいの判断は出来るわよね、じゃあ明日には城攻めを始めるの?」
「いや、城の規模を強化して王都からもっと兵を集める。その上で西表島・石垣島・宮古島・徳之島・奄美大島・屋久島・種子島に兵を送って占領するよ。」
「合戦で不測の事態が起こることを恐れてるの?」
「合戦になれば、どれほど注意しても品性下劣で愚かな奴が婦女子に乱同狼藉を働くと思う。だから戦わずに勝ちたいんだよ。」
「そうですね、それが大切ですね。」
「敵の攻撃を防ぐ為にも、味方の愚か者が陣城を抜け出して、婦女子に害を与えないようにする為にも、濠を深く広くして城壁も厚く高くしよう。」
「交代で寝た方がいいんじゃない?」
「俺は大丈夫だよ、彩が先に寝てくれ。」
「分かったわ、3時間で起きるからその後寝てね。」
「ああそうするよ。」
『薩摩辺境伯・鹿児島城』
「辺境伯様どういたしましょうか?」
「合戦の準備を致せ。」
「勝てましょうか?」
「おめおめと大隅1国を手放せと言うのか?」
「左様は申しませんが、唐津子爵の実力を量ってからの方が宜しいのではありませんか。」
「どう量るのだ?」
「琉球に戦わせましょう、その戦いぶりを見て御家の生末を決めましょう。」
「唐津子爵が圧倒的な魔力を持っていたら、戦わずして大隅を手放し王家の軍門に下るのか!」
「御家を潰す訳には参りません。」
「何方にしても潰れるではないか、今ですら家中の者を養う為に奴隷売買をしておるのだ、領地が半減すれば辺境伯家を維持する事など出来ん。」
「その場合を家臣を召し放ちに致しませ。」
「戦国の世から薩摩家の為に戦って来てくれた家臣を召し放てと申すのか!」
「国家老として申し上げます。辺境伯家を立て直すには家臣を召し放つか、家臣達に冒険者として出稼ぎさせるしかありません。何方も唐津子爵と敵対しては出来ない事です。」
「しかし既に我が家は子爵と敵対しているではないか、王都の元吉が何度も刺客を放って捕まっておる、今更どうにもならぬ。」
「しかしながら王家・王国もその事は百も承知でございましょう。それでも御家取り潰しではなく、半知没収で済んでおります。ここで下手に抵抗すればこれ幸いと取り潰しにかかりますぞ。」
「う~む、それなら琉球に抵抗させるのも問題なのではないか。」
「問題でございます。」
「貴様先ほど唐津子爵の実力を量るために抵抗させよと申したではないか!」
「それは辺境伯様が合戦の準備を命じられたから、それを押し止める為に次善の策として申し上げたのでございます。最善の策は王家の沙汰を素直に受けて、家臣達を冒険者として出稼ぎさせる事でございます。」
「確かに長崎の貿易を見れば、奴隷売買より家臣達に出稼ぎさせる方がよほど利益がある。」
「チュエストー!」
部屋の外で警備をしていたはずの若衆が部屋に乱入して、国家老・島津久共を一刀の下に切り殺した。
「無礼者!」
「辺境伯様、騙されてはなりませんぞ、この者達一派の言う事を聞いては辺境伯様はよくて押込、悪くすれば切腹させられます。」
「なに!?」
「こやつらは辺境伯家を王家に売り渡し、自分達が辺境伯になろうとしているのです。」
「う~む。」
「辺境伯様には10万の家臣がついております、一部不忠者もおりますが、そのような者共は武を忘れた軟弱者、我らが一刀の下に討ち果たして御覧に入れます。」
「うむ、よくぞ申した。」
「この者は不忠者なれど、この者が申した琉球に時間稼ぎをさせるのはよき策でございます。早速魔法使いに念話で合戦の指示をださせましょう。」
「うむ、直ぐに指図いたせ。」
「は、承りました。この死骸は近習達に片づけさせましょう。」
「うむ。」
『琉球・首里城郊外・唐津子爵家陣城』
「兵が慌ただしく城門を出入りしております!」
「攻めて来そうか?」
「いえ、此方の様子を伺っておるようです。子爵様と男爵様にご報告しなくてもよいのでしょうか?」
「もうご存知だろうが、念の為に行ってこい。」
「はい!」
伝令が来る頃には全て理解していた。今まで城の中に籠って様子を伺っていたのが、急に怯えながらも首里城を出てこちらの動きを探り出した。薩摩辺境伯からの命令か援軍の約束があったのだろう。だが琉球大公国も単独で積極的の攻勢に出る心算は無いようだ。
「どうするの、尊?」
「王都には新たな実戦試験希望者が殺到しているだろう。」
「そうでしょうね。」
「彼らを島々に輸送して占領する。」
「拠点となる城も作るの?」
「ああ、俺と彩が領主になるだろうからね。」
「琉球全土を?」
「そうなるだろうね。」
「じゃあタケルは伯爵様? それとも辺境伯様?」
「さあ、どっちだろうね? まあどっちでもいいよ。」
「そうね、民を奴隷として海外に売っていた土地を、売られた人達を助ける拠点に出来ればそれでいいわ。」
「さあ、頑張って兵を運んで城を創り出そう。」
「うん!」
俺と彩はこの日に西表島に城を創り出し王都から1000兵を運んだ。次の日には石垣島に城を創り出し1000兵を運び、3日目は宮古島、4日目は徳之島、5日目は奄美大島、6日目は屋久島、7日目は種子島と7日で7つの城を創り出し5000兵を運んだ。もちろん初日の琉球本島の城と5000兵は別になる。
これでいよいよ本格的に琉球大公国を接収する大仕事を本格的に始めることになる。
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