奴隷魔法使い

克全

第169話常陸大公家21

常陸大公軍の兵達は度肝を抜かれてるようだ。
大和様と連携した囮狩りは、安全確実に魔竜魔獣を狩れる。
多摩から分派された、奴隷千人隊と冒険者村にいた狩人たち。
総数1000兵の部隊連携は完璧に近い。
いや、大和様の保証が有る強者は、高価な魔龍製武具を月割で手に入れた。
中には組合から貸与されている者もいる。
飛びぬけた者達で組んだ隊は莫大な収穫を手にしてる。
並みの者が組合指導で組んだ隊でも十分な収穫だ。

「組合長、今日の収穫は幾らになるんだ?」

王都からついて来ている、常陸大公家の代官が聞いてくる。
後から集合した大公軍の兵達に聞かせたいのだろう。

「はい、10kgから100kgまでの小者魔竜や魔獣が中心ですが、並みの部隊で1人平均40kg程度は稼げているようです、日当1万7000銅貨です。」

「並みじゃない、あそこで狩ってる強者隊は?」

「そうですね、彼ら強弓3、投擲3の6人組、大和様からの狩り終了合図までに、100kg級の魔竜を60頭ほど狩っております。」

「それで?」

「6人で6000kg1200万銅貨、税が2割ですから960万銅貨、1人当たり160万銅貨に成ります。」

「な! 1日で、たった1日で、800石の知行取の士族の年収が手に入るのか。」

「まあ、彼らは大和家の陪臣に内定しており、組合費が無いからですがね。」

「組合費だと?」

「冒険者だと、王国や領主に2割の税と共に、組合費2割が引かれます。」

「我が大公軍が狩った場合はどうなる?」

「大公家の規則次第です。」

「領主は2割の税だが、他に何かあるのか?」

「家臣なのですから、ちゃんと知行や扶持を頂いてる以上、全額上納という貴族家もあります。」

「いや、大公殿下は2割の上納だけで好いといわれておられる。」

「では、大和様に囮料を何割支払うかですね。」

「囮料とは?」

「大和様がボスの属性魔龍を引き付け、それを連絡してくださらなければ、どんな強者でもブレス1発で即死ですよ。」

「前例は有るのか?」

「2割ですね。」

「それでどうなる?」

「まあ、大公軍の実力次第ですが、我ら冒険者と同じと考えれば、兵1人当たり1日1万7000銅貨、1000人の部隊で170万銅貨ですね、大公家への上納金は60万銅貨弱ではないですかね。」

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