奴隷魔法使い

克全

第163話常陸大公家15

「ヒロミ、トモコ、家臣になってくれるんだって、ありがとう。」
「ヒロミ、トモコ、私からもお礼申します。」

『有り難き幸せ。』

「それと仕官条件だけど、朝野の言ったように狩りの獲物の2割が上納、8割が手取、魔晶石は除外、陪臣士族位、屋敷地または長屋貸与を約束しよう。」

『有り難き幸せ。』

「朝野、双方に契約書を作ろう。」

「契約書でございますか?」

「熊野牛王符に誓約するんだよ。」

「そこまでなさらなくても。」

「殿様、それが宜しゅうございます。」

「だろ彩、ヒロミ、トモコそれで好いかい?」

『殿様、真に勿体無く、有り難いことでございます。』

「そうだ、家臣になるんだから名字(なあざな)と諱(いみな)は決めたかい?」

『はい。』

「私は弘美にします。」
「私は智子にします。」

「うん好い諱だね、名字は?」

「農家出の私達には名字は無くて・・・・・」
農民の親が育てられなくて奴隷になったのか。

「俺や彩も同じだよ、適当につければ好いよ。」
「そうよ、私は殿様が名乗られた名字を使わせていただいてるだけ。」

弘美と智子は互いに視線を合わせてうなずいた。
『殿様、名字をつけてください!』

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