奴隷魔法使い

克全

第141話献上品1

「何を献上したいというのじゃ?」

「臣と彩は共に陛下に忠誠を誓う臣下でございます。」

「うむ。」

「王国領以外では冒険者は領主に2割の税を納めます。」

「うむ。」

「王国では歴代の陛下の御厚情で無税ととなっております。」

「うむ。」

「しかしそれに甘えるは、家臣領民としては不忠にございます。」

「う~~む。」

「されば、献上品として家臣領民は自ら進んで収めるが道理と考えます。」

「う~~む。」

「何より、税の無い王国領に優秀な冒険者が集まり、諸侯士族の領内の税収を圧迫しております。」

「なるほど、臣下が困っておるのを見過ごすわけにはいかぬな。」

「また、冒険者を目指した者が難民となって王都に集まり、貧民街を作り王都の治安悪化を招いております。」

「うむ!」

「献上品として2割を収める前例を作り、王国領や諸侯士族領を少しずつ公平にしていただきたく存じます。」

「あいわかった!」

「献上品を出すがよい。」

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