奴隷魔法使い

克全

第103話再度甲府城

俺達は盥空船(たらいそらふね)で甲府城大手門(こうふじょうおおてもん)まで飛んで行った。初めて見る異様な飛行物体に、門番達が緊張した表情で何時でも戦える構えをしている。

余計な争い事は避けたいので、組合長を使いに門番と話し合いをさせた。流石(さすがに)に冒険者組合長は顔が知れているようで、あっさりと1人が城内におられるだろう上使様御一行に伝言に行ったくれた。

「組合長、これで上使様御一行の接待を頼む。」

俺は大銀貨10枚を組合長に渡して接待の準備を依頼して、彩と共に明石魔境に盥空船(たらいそらふね)で向かった。組合長には今後の指示は出してあるし、日本円で5000万も接待費用を渡せば大丈夫だろうし、別件で明石魔境付近の検地測量も組合に正式な仕事として依頼してある。

俺と彩は、地上戦での攻防を十分配慮して築城された甲府城を見ながら、明石魔境に向かった。さて明石のボス魔龍はどんな奴か! 多摩魔境のボス魔竜より、5割増しの強敵と仮定して十分な準備をした心算だが、万が一の事も有る、勝てないどころか逃げる事も出来ず、瞬殺される事も有り得るのだ。細心の注意を払い、どんな些細な事も見逃さぬ覚悟で向かた。

「奴隷魔法使い」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く