奴隷魔法使い

克全

第55話竜タンステーキ

「旦那様、空腹過ぎて眩暈がします、視界が少し暗くなってます!」

「低血糖発作と言って、血液の栄養が極端に低下してるんだ、無理させて御免ね! このミックスジュースを飲んで。」

「ありがとうございます、旦那様。」
ゴク・ゴク・ゴク・ゴク・ゴク・ゴク

「旦那様は大丈夫なのですか?」

「うん、僕も飲むよ。それで彩はどれくらい魔力は回復したの?」

「そうですね? 1割くらいでしょうか?」

「俺は2割くらいだから、回復にも個性が有るのかな? 慣れてくれば一気に全回復までできるのか? 食事量に比例するのか? じっくり検証しよう。」

「はい、お手伝いさせていただきます、旦那様。」

「もう一度朝食を食べよう。」
俺達は作り置きしておいた、竜肉シチュー・玄米握り飯・ミックスジュースをお腹一杯食べた。

朝1番の狩りは第3餌場で草食竜を狩り、ボスに1回ブレスを吐かせ、砦に帰らず第1餌場に向かい肉食竜を狩り、ここでもボスに1回ブレスを吐かせてから砦に帰還、狩った竜を買取してもらった。

「彩、又腹一杯食べて実験ね!」

「はい旦那様、でも、太らないでしょうか?」

「低血糖発作起こすくらい栄養を消費してるから、絶対太らないよ。寧ろ出来る事なら少しは太って、いざという時の栄養を貯めておきたいくらいだよ。」

「でも、太って旦那様に嫌われるのは嫌です!」

「僕が彩を嫌うことは無いよ!」

「はい、ありがとうございます、旦那様。」

俺達は手早く岩盤プレートに竜脂を引いて、包丁で細かく切れ目を入れて食べ易くした竜タン厚切りを焼いた。元々芯タン部分でも特に柔らかい部位をステーキ用にしたので、簡単に噛切(かみき)れた、竜脂の甘さ、肉の旨味、食感、もうたまりません! がつがつと一気に2kgのタンを食べきってしまった。彩も必死で500gを食べたようだ。勿体無くてプレート上に残った竜脂も食べ切ろうと、細もやし・キャベツ・ピーマンの細切りをさっと竜脂で炒めて食べる。糖質はバナナを食べて補い、ビタミンはミックスジュースで補った。

「彩、もう一度魔力回復実験だ!」

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