奴隷魔法使い
第34話決断
「小人目付様、買取お願いいたします」
「よし、出せ」
(タケル、組合長が内密で話があるそうだ。向こうにいる)
朝野小人目付様が小声で話しかけてきた。
俺はアヤに小声で話す。
(アヤ、行こう)
「タケル殿、王都の冒険者組合経由の噂ですが」
「はい?」
「王都では、タケル殿とアヤ殿の処分を巡って、色々と紛糾しているそうです」
「処分ですか?」
「はい。宮廷魔導師団の下働きにして、上級魔術を学ばそうとする派と、伊豆三宅大島奴隷千人砦で魔竜と戦わそうとする派。更には内密に殺そうとする派まで有るそうです」
「どの派が強いのですか」
「今のところ魔竜と戦わそうとする派が強いようですが、伊豆三宅大島砦は異常に死亡率が高いのです。頭が奴隷を使い潰して利益を上げているとの噂です」
「安全策をとる方がいいと?」
「はい。今なら黒磯奴隷頭に有利な証言をする事を条件にすれば、黒磯奴隷頭も即日で平民願いを受け付けるでしょう」
「アヤ、予定は狂うけどそれでいいか」
「うん。私もそれがいいと思う」
「黒磯奴隷頭への根回しは、既に私がしてあります」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」
俺とアヤは組合長にお礼を言う。
「計算できました」
冒険者組合の買取計算役が俺を呼んでいる。
「行ってきます」
「はい。では私は、この足で黒磯奴隷頭に会ってきます。御頭と一緒に部屋でお待ちしております」
「よろしくお願いいたします」
組合長は先に解体場を出ていった。
「買取長、お待たせいたしました」
俺とアヤは、改めて獲物の計算をしてくれている買取長に声をかけた。
「いえいえ。地竜種は、三千キログラム級二頭、二千キログラム級十頭、千キログラム級十三頭、五百キログラム級二十頭です。翼竜種は、百キログラム級六十頭です。いつも通りの条件で、五万四千二百二十キログラムで五千四百二十二万銅貨です」
「二人とも払うぞ。大金貨五枚、小金貨四枚、大銀貨二枚、小銀貨二枚だ。確認したか、じゃ、捺印しろ」
「小人目付殿、昨日言われていた平民願い出させていただきます」
「を! そうか、よかったな! 直ぐ御頭様のところに行こう。横井殿、アヤが平民願い出すそうです。手続き宜しく」
「承った。アヤこちらで手続きだ」
「はい!」
「タケル、解放料は五十万銅貨だ」
俺は小人目付殿に五十万銅貨分の金貨を支払った。
「うむ、確かに。これが受け取り証と奴隷解放証明書だ。御頭の承認印を貰いに行こう」
「横井殿、宜しいか?」
「うむ、参ろう」
『奴隷千人頭部屋』
「御頭、入って宜しいですか?」
「うむ、入れ。」
「御頭、ここにいるタケルとアヤが奴隷解放願いを出し、解放料を払いました」
「後は俺一人でやる。朝野と横井は買取所に戻」
「「は!」」
「タケル、アヤ、組合長から聞いたが、評定所での証言で、俺は襲撃に無関係と言ってくれるのだな?」
「「はい、誓って!」」
「では捺印しよう」
「今から二人は平民だ。たける、あや、組合長。後の冒険者手続きは宜しく」
「は! 受け賜りました。たける殿、あや殿、組合に行きましょう」
「「御頭様、ありがとうございます」」
「うむ、頼み置くぞ」
「たける殿、あや殿。これで御二人とも平民冒険者です」
「「ありがとうございます」」
「この後はどうされます?」
「一番丈夫で安全な宿を確保したいのですが」
「では、今日は私の家に来てください。明日以降は一番の宿を長期予約しておきます」
「お願いいたします」
「では、今から一緒に行きましょうか?」
「いえ、これから御代官様に開拓願を出そうと思います」
「早速ですか?」
「はい。少しでも早く士族見習いに成っておくのが安全だと思いますので」
「左様ですな。では後で来られてください」
「「はい、失礼します」」
『代官所』
「門番様、開拓願を出しに来ました、御代官様に御取次願います」
「! タケルか? いや、たけると呼ぶべきかな?」
「は! 平民に成りました。これを確認願います」
「うむ、確かに。開拓願が受理されれば、だける殿は士族見習い様か・・・・・・」
「今はまだ、平民でございます」
「! うむ、ついて参れ」
「御代官様、たけるが開拓願を提出に参ったそうです」
「そうか。三人で話すから戻ってよいぞ」
「は、失礼いたします」
「たける、あや、上がれ」
「は? しかし我らは平民でございますが?」
「私のところでの受理は確定だ。士族見習いを庭先で対応するの無礼だからな。あやも貴殿の正室だから、士族見習い扱いすべきであろう。上がってくれ」
代官様の御言葉に甘えて、あやと二人で部屋に上がらせていただいた。
「それで、開拓地の広さはどうする?」
「当初は三千石で提出しますが、資金的には十万石まで可能です」
「分かった。その通りに申請しよう。で、肝心の姓名はどうする?」
「姓は大和、名は尊で、アヤの名は彩でお願いします」
「うむ、これで良いか?」
御代官様が書いて下さった申請書を確認するか?
「はい、結構でございます」
「では、署名するように」
「これは、明日王都に提出する。二人とも開拓費を貯めておくのが大切ぞ」
「は! ありがとうございます」
「御代官様、御陰様で生き抜くことが出来ました。」
「礼はいらぬよ。では、今日はここまでとしよう」
「「はい! ありがとうございました」」
『冒険者組合長 自宅』
「組合長、お世話になります」
「申請がお済に成られたということは、士族見習い様ですか?」
「王都からの許可が出るまでは、平民扱いでお願いいたします」
「そう言われるのなら、ざっくばらんにさせていただきましょう」
組合長は2階の客室に案内してくれた。
「部屋はこちらをお使いください。」
「「ありがとうございます」」
「あや、今日は組合長の家だから、魔法袋の製作と魔術訓練だけにしよう」
「はい、大きさは?」
「僕は九千キログラム級、あやは三千キログラム級で」
「はい」
「じゃ、食事に行かせてもらおうか」
「よし、出せ」
(タケル、組合長が内密で話があるそうだ。向こうにいる)
朝野小人目付様が小声で話しかけてきた。
俺はアヤに小声で話す。
(アヤ、行こう)
「タケル殿、王都の冒険者組合経由の噂ですが」
「はい?」
「王都では、タケル殿とアヤ殿の処分を巡って、色々と紛糾しているそうです」
「処分ですか?」
「はい。宮廷魔導師団の下働きにして、上級魔術を学ばそうとする派と、伊豆三宅大島奴隷千人砦で魔竜と戦わそうとする派。更には内密に殺そうとする派まで有るそうです」
「どの派が強いのですか」
「今のところ魔竜と戦わそうとする派が強いようですが、伊豆三宅大島砦は異常に死亡率が高いのです。頭が奴隷を使い潰して利益を上げているとの噂です」
「安全策をとる方がいいと?」
「はい。今なら黒磯奴隷頭に有利な証言をする事を条件にすれば、黒磯奴隷頭も即日で平民願いを受け付けるでしょう」
「アヤ、予定は狂うけどそれでいいか」
「うん。私もそれがいいと思う」
「黒磯奴隷頭への根回しは、既に私がしてあります」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」
俺とアヤは組合長にお礼を言う。
「計算できました」
冒険者組合の買取計算役が俺を呼んでいる。
「行ってきます」
「はい。では私は、この足で黒磯奴隷頭に会ってきます。御頭と一緒に部屋でお待ちしております」
「よろしくお願いいたします」
組合長は先に解体場を出ていった。
「買取長、お待たせいたしました」
俺とアヤは、改めて獲物の計算をしてくれている買取長に声をかけた。
「いえいえ。地竜種は、三千キログラム級二頭、二千キログラム級十頭、千キログラム級十三頭、五百キログラム級二十頭です。翼竜種は、百キログラム級六十頭です。いつも通りの条件で、五万四千二百二十キログラムで五千四百二十二万銅貨です」
「二人とも払うぞ。大金貨五枚、小金貨四枚、大銀貨二枚、小銀貨二枚だ。確認したか、じゃ、捺印しろ」
「小人目付殿、昨日言われていた平民願い出させていただきます」
「を! そうか、よかったな! 直ぐ御頭様のところに行こう。横井殿、アヤが平民願い出すそうです。手続き宜しく」
「承った。アヤこちらで手続きだ」
「はい!」
「タケル、解放料は五十万銅貨だ」
俺は小人目付殿に五十万銅貨分の金貨を支払った。
「うむ、確かに。これが受け取り証と奴隷解放証明書だ。御頭の承認印を貰いに行こう」
「横井殿、宜しいか?」
「うむ、参ろう」
『奴隷千人頭部屋』
「御頭、入って宜しいですか?」
「うむ、入れ。」
「御頭、ここにいるタケルとアヤが奴隷解放願いを出し、解放料を払いました」
「後は俺一人でやる。朝野と横井は買取所に戻」
「「は!」」
「タケル、アヤ、組合長から聞いたが、評定所での証言で、俺は襲撃に無関係と言ってくれるのだな?」
「「はい、誓って!」」
「では捺印しよう」
「今から二人は平民だ。たける、あや、組合長。後の冒険者手続きは宜しく」
「は! 受け賜りました。たける殿、あや殿、組合に行きましょう」
「「御頭様、ありがとうございます」」
「うむ、頼み置くぞ」
「たける殿、あや殿。これで御二人とも平民冒険者です」
「「ありがとうございます」」
「この後はどうされます?」
「一番丈夫で安全な宿を確保したいのですが」
「では、今日は私の家に来てください。明日以降は一番の宿を長期予約しておきます」
「お願いいたします」
「では、今から一緒に行きましょうか?」
「いえ、これから御代官様に開拓願を出そうと思います」
「早速ですか?」
「はい。少しでも早く士族見習いに成っておくのが安全だと思いますので」
「左様ですな。では後で来られてください」
「「はい、失礼します」」
『代官所』
「門番様、開拓願を出しに来ました、御代官様に御取次願います」
「! タケルか? いや、たけると呼ぶべきかな?」
「は! 平民に成りました。これを確認願います」
「うむ、確かに。開拓願が受理されれば、だける殿は士族見習い様か・・・・・・」
「今はまだ、平民でございます」
「! うむ、ついて参れ」
「御代官様、たけるが開拓願を提出に参ったそうです」
「そうか。三人で話すから戻ってよいぞ」
「は、失礼いたします」
「たける、あや、上がれ」
「は? しかし我らは平民でございますが?」
「私のところでの受理は確定だ。士族見習いを庭先で対応するの無礼だからな。あやも貴殿の正室だから、士族見習い扱いすべきであろう。上がってくれ」
代官様の御言葉に甘えて、あやと二人で部屋に上がらせていただいた。
「それで、開拓地の広さはどうする?」
「当初は三千石で提出しますが、資金的には十万石まで可能です」
「分かった。その通りに申請しよう。で、肝心の姓名はどうする?」
「姓は大和、名は尊で、アヤの名は彩でお願いします」
「うむ、これで良いか?」
御代官様が書いて下さった申請書を確認するか?
「はい、結構でございます」
「では、署名するように」
「これは、明日王都に提出する。二人とも開拓費を貯めておくのが大切ぞ」
「は! ありがとうございます」
「御代官様、御陰様で生き抜くことが出来ました。」
「礼はいらぬよ。では、今日はここまでとしよう」
「「はい! ありがとうございました」」
『冒険者組合長 自宅』
「組合長、お世話になります」
「申請がお済に成られたということは、士族見習い様ですか?」
「王都からの許可が出るまでは、平民扱いでお願いいたします」
「そう言われるのなら、ざっくばらんにさせていただきましょう」
組合長は2階の客室に案内してくれた。
「部屋はこちらをお使いください。」
「「ありがとうございます」」
「あや、今日は組合長の家だから、魔法袋の製作と魔術訓練だけにしよう」
「はい、大きさは?」
「僕は九千キログラム級、あやは三千キログラム級で」
「はい」
「じゃ、食事に行かせてもらおうか」
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