「溺愛」「婚約破棄」「ざまあ」短編集5
第27話
「では行ってきます」
「「「「行ってきます」」」」
「ご無事のご帰還を願っております」
「「「「「願っています!」」」」」
今日もルーカス様たちが邪竜を誘導に行かれます。
他国を威圧するために。
絶対の私を護れることを証明するために。
私を女王にするために。
まだ私の中には、怒りも戸惑いもあります。
ルーカス様たちは、元々が現実主義の冒険者です。
重症の仲間を見捨てる決断をしなければいけない場合もあります。
必要ならば、仲間を囮にして逃げることも厭いません。
つい最近も、王都の民を見殺しにしたばかりです。
ルーカス様たちなら、王都の民が喰い殺される前に、邪竜を斃せました。
ですがあえて斃されませんでした。
王都の民を見殺しにする方が、より多くの民を助けられると判断されたのです。
私にはできません。
絶対にやりたくありません。
でも女王になれば、やらなければいけなくなるのです。
女王の責任として、より多くの人を助けるための、少ない人を見殺しにしなければいけなくなるのです。
「カチュア様!
どうか、どうか、どうかお願いいたします。
ルーカス様たちにおとりなし願えないでしょうか?!
我が国の王は、カチュア様の戴冠を認めると申しております。
これまでの無礼な態度も、正式に詫びると申しております。
ですから、ですからどうか、邪竜を追い払ってください。
せめて、邪竜を我が国の王都に追うのだけは、お止めくださるように、ルーカス様たちにおとりなし願えないでしょうか!」
「分かりました。
使者殿の話は伝えさせていただきます。
ですが私を攫おうとしたことで、ルーカス様たちは激怒されておられます。
早急に王都から離れられることをお勧めします」
「ありがとうございます!
王にはそのように申し伝えます。
これはまことに些少ではございますが、取り急ぎご用意させていただいた宝石でございます。
いえ、これは伝言のお礼でございます。
誘拐しようといたことに対する詫びは、後日必ずお持ちさせていただきます」
「余計なことかもしれませんが、急がれた方がいいと思いますよ。
他国の政治に口出しする気など全くありませんが、ルーカス様たちは本気で怒っておられましたから。
必要とあれば、自国の王や王都の民ですら邪竜に食べさせる方々です。
他国への警告のために、貴国の王侯貴族だけでなく、全ての民を邪竜に食べさせることすら厭わないと思いますよ」
「……貴重なご助言感謝したします」
使者は真っ青な顔をして急ぎ自国に帰って行きました。
それを見ていた多くの国の使者も、真っ青になっています。
助言はしてあげましたが、役に立たないでしょうね。
たぶん、もう手遅れです。
「「「「行ってきます」」」」
「ご無事のご帰還を願っております」
「「「「「願っています!」」」」」
今日もルーカス様たちが邪竜を誘導に行かれます。
他国を威圧するために。
絶対の私を護れることを証明するために。
私を女王にするために。
まだ私の中には、怒りも戸惑いもあります。
ルーカス様たちは、元々が現実主義の冒険者です。
重症の仲間を見捨てる決断をしなければいけない場合もあります。
必要ならば、仲間を囮にして逃げることも厭いません。
つい最近も、王都の民を見殺しにしたばかりです。
ルーカス様たちなら、王都の民が喰い殺される前に、邪竜を斃せました。
ですがあえて斃されませんでした。
王都の民を見殺しにする方が、より多くの民を助けられると判断されたのです。
私にはできません。
絶対にやりたくありません。
でも女王になれば、やらなければいけなくなるのです。
女王の責任として、より多くの人を助けるための、少ない人を見殺しにしなければいけなくなるのです。
「カチュア様!
どうか、どうか、どうかお願いいたします。
ルーカス様たちにおとりなし願えないでしょうか?!
我が国の王は、カチュア様の戴冠を認めると申しております。
これまでの無礼な態度も、正式に詫びると申しております。
ですから、ですからどうか、邪竜を追い払ってください。
せめて、邪竜を我が国の王都に追うのだけは、お止めくださるように、ルーカス様たちにおとりなし願えないでしょうか!」
「分かりました。
使者殿の話は伝えさせていただきます。
ですが私を攫おうとしたことで、ルーカス様たちは激怒されておられます。
早急に王都から離れられることをお勧めします」
「ありがとうございます!
王にはそのように申し伝えます。
これはまことに些少ではございますが、取り急ぎご用意させていただいた宝石でございます。
いえ、これは伝言のお礼でございます。
誘拐しようといたことに対する詫びは、後日必ずお持ちさせていただきます」
「余計なことかもしれませんが、急がれた方がいいと思いますよ。
他国の政治に口出しする気など全くありませんが、ルーカス様たちは本気で怒っておられましたから。
必要とあれば、自国の王や王都の民ですら邪竜に食べさせる方々です。
他国への警告のために、貴国の王侯貴族だけでなく、全ての民を邪竜に食べさせることすら厭わないと思いますよ」
「……貴重なご助言感謝したします」
使者は真っ青な顔をして急ぎ自国に帰って行きました。
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助言はしてあげましたが、役に立たないでしょうね。
たぶん、もう手遅れです。
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