魔法武士・種子島時堯

克全

第249話因幡国始末

1546年10月

俺は但馬国を完全制圧して、石見銀山の直接支配と採掘・精製の増産に乗り出した。黄銅貨と白銅貨の増産は順調だが、それとは別に将来の事も考え、国家の紙幣発行の基準となる、金銀の備蓄を進めた。

将来金本位制に移行する事は分かっているし、国力と金保有量がリンクすることも分かっている。今の内に黄金の国ジパングと呼ばれた日本の金銀を、国外に流出させないように準備しておきたいのだ。それが歴史を知る俺の役目の1つだとも思っている。

それと同時進行して、因幡国の海岸線を種子島海軍で制圧し、自ら街道を整備しつつ因幡国に攻め込んだ。

因幡守護を務める因幡山名家は、戦国乱世で守護の交代が混乱した上に、近年も宗家・但馬山名家の介入が度々行われていた。その為に内乱を伴う血で血を洗う兄弟間や従兄弟間での合戦が繰り返され、国内が纏まっていなかった。最終的に因幡山名家は、但馬山名家の指示を伝えるだけの存在となり果てていた。

そこに大内家と尼子家の勢力争いが加わり、今は俺の天下平定戦が始まったのだからたまらない。因幡国の国衆・地侍は、生き残りをかけて誰に付くかを考え、戦わなければならない状態になった。

もちろん最初に但馬水軍の影響下にあった水軍衆が逸早く降伏臣従した。同時に街道沿の国衆・地侍も進んで降伏臣従してきた。

勅許はもちろん但馬山名家の山名祐豊からも降伏臣従を勧める書状を送らせたので、多くの国衆・地侍にとって俺に降伏臣従する免罪符となった。しかし因幡銀山などの鉱山は直轄化するので、因幡銀山を支配している巨濃郡二上山城主の三上豊範と、主君格の武田高信にはそれ相応の扶持を与えようとした。しかし武田高信は、父親に謀叛を疑いを掛けて切腹させた主君・山名誠通の引き渡しを要求した。

その山名誠通は、尼子家の支援を受けて宗家から独立しようとしてたので、今更俺に降伏臣従するわけにはいかなかったのだろう、天神山城に籠城しやがった。だがまあなんだ、俺が身体強化して本気になれば、普通の人間など簡単に捕虜に出来るから、さっさと天神山城に乗り込んで気絶させて確保し、武田高信に引き渡した。

この結果、山名誠通味方していた国衆・地侍は総崩れとなり、独立色の強かった国衆・地侍も次々と降伏臣従してきたが、今更降伏した者を許す必要も無く、城地を召し上げて希望する者だけ六衛府で扶持を与えた。

だがこれで全ての因幡の国衆・地侍を制圧出来た訳ではなく、尼子家に味方する美作・伯耆国境線の国衆・地侍は放置することになる。何より問題となったのは、大内家の味方と言い張って降伏臣従を拒む国衆・地侍だった。彼らを問答無用に攻め滅ぼす訳にはいかなかった。

特にそれなりの勢力を有していた、八頭郡淀山城主・草苅衡継と因幡毛利家の八頭郡市場城主・毛利信濃守の処遇は、大内義隆との話し合いを必要とした為、これ以上の日本海側の侵攻は少し様子を見ることになった。




「因幡山名家は尼子家につき種子島家に敵対」
因幡山名誠通(15??~1548)
居城:高草郡天神山城主
父親:山名豊頼
官位:因幡国守護職
官途:左馬助

因幡山名豊成(15??~15??)
父親:山名誠通

因幡山名豊次(15??~15??)
父親:山名誠通の次男
通称:弥次郎

志加奴入道(15??~15??)
主君:山名誠通
居城:気多郡鹿野城主
別名:鹿野入道

中村政重(15??~15??)
居城:高草郡新山城主
主君:山名誠通
通称:新三郎

中村豊重(15??~1563)
父親:中村政重の次男
官途:伊豆守
通称:十兵衛尉

中村国重(15??~15??)
父親:中村豊重の次男
通称:源八郎

矢部小次郎(15??~15??)
主君:山名誠通
居城:水無之城主






「山名祐豊の指示を受けて種子島家の降伏臣従」

青木実俊(15??~15??)
居城:八頭郡青木館主
通称:六郎左衛門

秋里玄蕃允(15??~15??)
主君:山名豊国
居城:秋里城主

大坪甚兵衛(15??~15??)
主君:山名豊国
居城:八頭郡大坪城主

首藤豊後守(15??~15??)
居城:勝山城

小宮山宗珠(15??~15??)
居城:八頭郡右近城主
官途:備前守

田公綱典(15??~15??)
居城:八上郡日下部城主
別名:秋庭綱豊

田公澄典(15??~15??)
父親:田公綱典の男。

田公宗彰(1573~1646)
父親:田公綱豊の次男。
別名:「沢庵和尚」
臨済宗の僧

田公高家(15??~15??)
主君:山名豊国
居城:気多郡宮吉城主
通称:新介
田公流銃術の名手

田公豊高(15??~15??)
主君:山名豊国
官途:土佐守

橋本正恒(15??~15??)
居城:邑美郡橋本城主
主君:山名豊国
父親:橋本正頼
通称:将監

橋本宗継(1528~1580)
父親:橋本正恒
通称:兵庫頭

橋本宗信(15??~15??)
父親:橋本宗継
通称:六郎右衛門

林玄朴(15??~15??)
居城:八頭郡岩神城主

樋土佐右衛門(15??~1616)
主君:山名豊国
居城:高草郡大崎城
通称:孫左衛門

別所弾正忠(15??~15??)
主君:山名豊定
居城:猪子山城主

三上経実(15??~1541)
居城:巨濃郡道竹城主
官途:兵庫頭

三上輝房(15??~15??)
父親:山名摂津守
養父:三上経実の養子
通称:不二郎
幕府:奉公衆

目黒伝之助(15??~15??)
居城:八頭郡水尾城主

用瀬備前守(15??~1580)
主君:山名豊国
居城:古用瀬城主

矢部吉茂(15??~1575)
居城:八頭郡若桜鬼ヶ城主
通称:太良左衛門
幕府:奉公衆

矢部三郎次郎(15??~15??)
父親:矢部吉茂の男

吉岡春斎(15??~15??)
居城:高草郡防己尾城主
主君:山名豊定家臣

吉岡定勝(1532~1606)
父親:吉岡春斎
官途:安芸守

吉岡右近(15??~15??)
父親:吉岡春斎の次男。

海老名七郎(15??~15??)
主君:山名豊国
居城:釜谷城主

徳吉将監(15??~15??)
主君:山名豊国
居城:徳吉城主

磯部康氏(15??~16??)
居城:智頭郡景石城主
通称:兵部大輔
別名:山名豊直・磯部豊直
山名勝豊を祖とする因幡山名氏の一族
山名祐豊により北丹波の夜久野城主に封じられた

岡六郎左衛門(15??~15??)
居住:八頭郡
別名:北村六郎左衛門。

隠岐土佐守(15??~15??)
居城:八頭郡富貴谷城主

坂上定六(15??~15??)
居城:岩美郡猪尾山城主
槍の名手

篠部周防守(15??~15??)
居城:岩美郡二ッ山城主。

助右衛門(15??~15??)
居城:気多郡鹿野城主

吉川太郎兵衛(15??~15??)
別名:小椋太郎兵衛
八東郡吉川村の庄屋

荒神谷七郎左衛門(15??~15??)
居城:蛇山城主

岩崎弾正忠(15??~15??)
居城:岩崎城主。

逢坂與十郎(15??~15??)
居城:気高郡会下城主
弓術の達人

小原小兵衛(15??~15??)
居城:八頭郡杉ヶ尾城主
戦を好まぬ性であったが戦いえば必ず勝った

大江忠真(15??~15??)
主君:毛利豊元(毛利元就の祖父)
官途:筑後守
別名:毛利苓原

落岩玄蕃頭(15??~15??)
主君:毛利豊元
居城:八頭郡落岩城主。

大坪一之(15??~15??)
父親:大坪甚兵衛の男

木原元信(15??~15??)
居城:八頭郡唐櫃城主

波多野民部大輔(15??~1559)
居城:八頭郡隆平城主

山崎毛利中将(15??~1555)
居城:法美郡山崎城主

石井常成(1582~1649)
通称:彦右衛門
別名:石井宗徳
鳥取の商人。町年寄筆頭役。





「因幡武田家:山名豊国の味方だが独立性高し」
因幡武田国信(15??~1545)
主君:山名誠通
居城:邑美郡鳥取城主
官途:山城守
別名:武田高義

因幡武田高信(1529~1578)
父親:武田国信
官途:三河守・刑部少輔
別名:又五郎
兄 :又三郎
子供:又太郎、与十郎、助信

因幡武田又三郎(15??~1571)
父親:武田国信の次男
居城:高草郡鵯尾城主

因幡武田源五郎(15??~1563)
父親:武田国信の三男
居城:道竹城主

「因幡武田家の味方:山名豊国の味方だが独立性高し」
伊田下野守(15??~15??)
主君:武田高信
居城:八頭郡半柵城主。

風坂頼武(15??~1560)
主君:伊田下野守
居城:八頭郡栃谷城主
通称:左衛門尉

西郷因幡守(15??~15??)
主君:武田高信
居城:八上郡弓河内館主
武田高信に仕え家老職として重用された

西郷与五郎(15??~15??)
父親:西郷因幡守

中島正義(15??~1590)
居城:巨濃郡中島城主
通称:与七郎
別名:山名正義

中島正時(15??~1612)
父親:中島正義の男
通称:四郎左衛門
別名:山名正義

中原木工允(15??~1546)
主君:武田国信

広岡国宣(15??~15??)
主君:武田高信
官途:甲斐守

福田光信(15??~15??)
主君:武田高信
居城:八頭郡中山城主
通称:新三郎

三上豊範(15??~15??)
居城:巨濃郡二上山城主
官途:兵庫頭
1.荒金・法正寺・銀山・岩常から産出する金・銀・銅資源の掌握と管轄。
2.山陰道のおさえ。
3.山麓の小田川を通じての水運の利用
4.天険を利用しての軍事拠点

矢田幸佐(15??~15??)
居城:荒神山城主
通称:七郎左衛門
主君:武田高信






「尼子の味方」
勝山尼子正久(15??~15??)
居城:勝山城主
官途:豊前守

安藤信濃守(15??~15??)
主君:尼子勝久
居城:白地城主

広田良利(15??~15??)
居城:八頭郡鴉ヶ城主
通称:民部大輔。

広田良膳(15??~15??)
父親:広田良利
通称:民部

井村素安(15??~15??)
主君:尼子晴久家臣
居城:気多郡山宮村館主
通称:角兵衛




「大内の味方」
安藤義光(15??~15??)
居城:八頭郡津黒城主
別名:安藤義躬

小畑出羽守(15??~1575)
居城:八頭郡小畑城主

安藤釆女正(15??~15??)
居城:岩美郡半滝城主。

草苅衡継(15??~15??)
居城:八頭郡淀山城主
官途:加賀守
正室:山名兵庫頭の娘

草刈景継(15??~1579)
父親:草刈衡継

草苅重継(1558年~元和2年4月25日(1616年6月9日))
父親:草苅衡継
正室:朝倉弘房の娘
後室:宗像氏貞の次女
通称:次郎・太郎左衛門尉
官途:対馬守。

草苅加賀守(15??~15??)
居城:茶臼山城主。

和田祐興(15??~15??)
主君:草苅重継
居城:八頭郡乗雲ヶ出城主
通称:乗雲。

小松勝豊(15??~1575)
居城:八頭郡婆ヶ城主
別名:小松勝吉

坂川平左衛門(15??~15??)
主君:毛利豊元
居城:八頭郡白磯城主

佐々木駿河守(15??~15??)
居城:八頭郡香音寺城主

田尻大膳(15??~1581)
居城:荒山城主

丹比孫之丞(15??~1581)
居城:八頭郡鷹山城主

山田家治(15??~15??)
居城:大野城主。
官途:安芸守

因幡吉見範隆(15??~15??)
居城:巨濃郡姥ヶ谷城主
通称:兵部少輔

因幡吉見範仲(15??~1579)
父親:吉見範隆
通称:兵部大輔



「因幡毛利家」
私部毛利信濃守(15??~15??)
居城:八頭郡市場城主

私部毛利豊元(15??~1581)
父親:毛利信濃守の男
官途:豊前守

毛利左近丞(15??~1560)
主君:毛利豊元家臣

安藤義光(15??~15??)
主君:毛利豊元
居城:八頭郡津黒城主
別名:安藤義躬

大江忠真(15??~15??)
主君:毛利豊元
官途:筑後守
別名:毛利苓原

落岩玄蕃頭(15??~15??)
主君:毛利豊元
居城:八頭郡落岩城主。

長砂伊賀守(15??~15??)
主君:毛利豊元家臣
居城:八頭郡長砂城主

長砂与五郎(15??~15??)
父親:長砂伊賀守の男。

姫地玄蕃允(15??~15??)
主君:毛利豊元

兵主源六(15??~15??)
居城:気高郡金剛城主。

戦国武将録・ウィキベキ・世界帝王辞典・鳥取県郷土人物文献データベース、参考参照

コメント

コメントを書く

「歴史」の人気作品

書籍化作品