第231話備前確保

「権大納言様、この度は降伏臣従を受け入れて頂い、誠にありがとうございます」

「右京大夫殿、勝敗は武家の常、今回は我に分があっただけのことだ」

「いえいえ、権大納言様と私めでは全く力が違っております。もっと早く降伏臣従させて頂くべきだったかもしれませんが、私めにも武士としての誇りがございますし、赤松一門として、佐用家を引き継ぐ者としての誇りがございます」

「ふむ、佐用家の養嗣子として佐用家の血と名跡を残す責任か」

「はい、武勇拙く戦うこともなく降伏臣従する事になりましたが、これだけは御願申し上げます」

「ふむ、そこに揃っておられる、庶子の長男・正満殿に赤松を名乗らせ、嫡男の蔵人大輔殿に佐用を名乗らせ、上月赤松家の正統を継がせると言う事だな。だが名乗りを上月赤松家とすると言う事は、家格は赤松家として遇して欲しいと言う事だな？」

「はい、後々蔵人大輔は功名を上げた時に、佐用の場合と赤松の場合で頂ける位階が違ってくるかと思いました」

「なるほどな、その気持ちは分かるが、それでは安全な公家として遇する訳にはいかなくなるぞ」

「分かっております、武家として命懸けの奉公をさせて頂きます」

「右京大夫殿が蔵人大輔殿の盾となり剣となると言うのだな」

「権大納言様には後れを取りましたが、他の者が相手なら負けることはありません」

「さようか、その覚悟があるのなら最前線で戦ってもらうことになるが、そうなると目付をつけねばならぬし、蔵人大輔殿と正満殿に人質として京に残ってもらう事になる」

「それで結構でございます」

「分かった、では滞りなく指揮が取れるように、近江で訓練をしてから最前線に向かってもらおう」

「有り難く幸せに存じます」




「上月赤松家」
赤松右京大夫政元・佐用郡上月城主・武勇に優れる
佐用郡、赤穂郡、揖東郡、揖西郡、宍粟郡の五郡を領主
赤松蔵人大輔政範・赤松政元の次男で嫡男
赤松正満・播磨鞍掛山城主・赤松政元の長男
赤松次郎政直・佐用郡早瀬城主・赤松政元の三男
赤松三郎政茂・赤松政元の四男
横山藤左衛門義祐・別名赤松政之・赤松政元の五男・室山城主
赤松政宗・赤松政範の男
赤松右馬助正澄・佐用郡丸山城主・赤松正満の男
大谷正義・丸山城主・赤松政元家臣
大谷新左衛門義房・大谷正義の男
太田則近・赤松政元家臣・通称新兵衛・七条赤松家三家老衆のひとり
小林宇右衛門満末・大日山城主・上月赤松家三家老
赤松政直・赤松政範家臣
赤松正満・赤松政範家臣
高島右馬介正澄・佐用郡高野須城主・赤松義村の三男・上月赤松家三家老
高島政友・高島正澄の男
早瀬正義・赤松政範家臣
国府寺入道・赤松政範家臣
国府寺左近太郎良義・侍大将
中村伊勢入道・赤松政範家臣
赤鵜野弥太郎・赤松政元家臣・侍大将
櫛田左馬助頼久・佐用郡櫛田城主・上月赤松政範家臣
上月恒織・佐用郡浅瀬山城主・上月赤松政範家臣
早瀬帯刀正義・佐用郡柏原城主
福原左京進則高・佐用郡福原城主
福原藤馬允則尚・福原則高の男・室は赤松政元の娘
福原主膳助就・佐用郡高倉山城主・室は福原則高の娘
別所清治・佐用郡利神城主・別所家の庶家
別所太郎左衛門定道・別所清治の男
別所日向守林治・別所清治の次男・本家・別所長治の叛旗に従う
真嶋新左衛門尉元治・飯山城主・侍大将

「種子島家の家臣を養嗣子に送り込んだ家」
「上月赤松家」
赤松政郁・佐用郡上月城主
赤松満輝・播磨鞍掛山城主
赤松直辰・佐用郡早瀬城主
横山継祐・室山城主
赤松垣澄・佐用郡丸山城主
大谷正信・丸山城主
小林来計・大日山城主
高島崔澄・佐用郡高野須城主
櫛田猪久・佐用郡櫛田城主
上月恒惟・佐用郡浅瀬山城主
早瀬康義・佐用郡柏原城主
福原宗則・佐用郡福原城主
福原助清・佐用郡高倉山城主
別所清実・佐用郡利神城主
真嶋元充・飯山城主


「浦上家から尼子家、尼子家から上月赤松家に寝返った国衆」
島村盛実：邑久郡高取山城主
浦上国秀：富田松山城主・浦上政宗の叔父で後見人
大田原長時：和気郡大田原城主
岡本氏秀：浦上家の重臣
大田原長時：浦上家の重臣
服部久家：浦上家の重臣
日笠頼房：浦上家の重臣
明石景親：浦上家の重臣
小嶋一頼：浦上家の重臣
笹部勘次郎：赤磐郡茶臼山城主
塩見孫左衛門
高取宗政：香登城主
恒次家員：和気郡北曾根城主
羽床伊賀守：宮内城主
平賀頼久：赤磐郡明田城主・羽床伊賀守家臣
平賀義兼：赤磐郡山鳥城・羽床伊賀守家臣
日笠頼房：和気郡日笠青山城主
延原景能：上山城主
主君：浦上宗景家
額田秀正：赤磐郡大久保城主
額田喜介：赤磐郡佐古谷城主
明石景則：和気郡坂根城主
苅田万三郎：赤坂郡古城山城主
川端家長：佐良山城主

「種子島家の家臣を養嗣子に送り込んだ家」
島村盛興：邑久郡高取山城主
浦上国倶：富田松山城主・浦上政宗の叔父で後見人
大田原長篤：和気郡大田原城主
岡本氏廉：浦上家の重臣
笹部一秋：赤磐郡茶臼山城主
高取政康：香登城主
恒次紀員：和気郡北曾根城主
羽床飛秀：宮内城主
平賀頼国：赤磐郡明田城主・羽床伊賀守家臣
平賀義朽：赤磐郡山鳥城・羽床伊賀守家臣
日笠頼之：和気郡日笠青山城主
延原景棟：上山城主
額田秀昌：赤磐郡大久保城主
額田喜富：赤磐郡佐古谷城主
明石景常：和気郡坂根城主
苅田覧道：赤坂郡古城山城主
川端家能：佐良山城主
浦上種陶：和気郡天神山城