魔法武士・種子島時堯
第191話明石長行・三好政長・山中又三郎
1543年7月9日『摂津国・枝吉城主』種子島権大納言時堯・15歳
「権大納言さま、これからよろしくお願い申し上げます」
「分かった、京に屋敷を用意してあるから、家臣共々移るがよい」
「有り難き幸せに存じます」
枝吉城主・明石長行は、1538年に御着城主・小寺則職と結んで主君・赤松政村に謀反を起こした。1539年にも赤松政村と政村の援軍に来た阿波守護・細川持隆と戦い、最終的には和睦はしたものの、やはりわだかまりは残っていた。だからこそ今回の騒動を契機に、心機一転城地を捨てて種子島家に仕える決断をしたのだった。
それに俺に逆らいたくても、そもそもそれだけの戦力の軍資金もない。城地を捨てて播磨に逃げたくても、1度謀反を起こした明石長行が力を無くしたのだ、赤松政村が好機ととらえて成敗する可能性が高い。もちろん三好長慶の名目上の主人、阿波守護・細川持隆と戦っているのだから三好家も頼れない。何方にしても城地を捨てるのなら、種子島家に仕える方が安全に功名を稼げる可能性が高いのだ。
1543年7月9日『摂津国・東成郡榎並城』種子島権大納言時堯・15歳
「権大納言さま、そのような事を仰らずに家臣の端にお加えください」
「駄目だな」
「何故でございます、この三好越後守政長、武将としての力はそれなりに持っているつもりでございます!」
「だが裏切り者だ!」
「そんなことはございません、管領・細川晴元様に忠誠を尽してきました!」
「細川晴元に讒言して、同じく忠誠を尽していた三好惣領家の三好元長を討たせたであろう! 主人に讒言を吹き込み本家当主を討たせ、領地を奪い取るような下劣な者は虫唾が走る、離れろ下郎!」
俺はこんな三好政長のような奴が大嫌いなのだ!
特に今のようにおもねる様な言葉使いと態度には我慢が出来ないのだ!
「明朝早々にこの城に大岩を叩き落として潰す! 早々に立ち去るがよい!」
俺は早々に空に浮かんで三好政長から離れて、今度は城内に残っている者に再度怒鳴りつけた。
「本家を裏切り主君に讒言を吹き込み、本家当主を攻め殺させるような卑劣外道な者は許せん、今日中に全員が城から出て明け渡さねば、この城は明朝三宅城のように大岩の下敷きにして押し潰す! 再度繰り返すぞ、今日中に城を出て明け渡さねば明朝大岩の下敷きになって死ぬことになるぞ!」
1543年7月10日『摂津国・東成郡榎並城』種子島権大納言時堯・15歳
翌日の払暁に大岩を持ち上げながら榎並城に翔けて行ったが、既に俺に降伏し臣従を誓った地侍や雑兵しか残っていなかった。もちろん彼らは俺の噂を聞き知っているから、城の中の物を盗む度胸はなかった。彼らに榎並城の管理を任せて、次の交渉相手の大塚城に向かった。
「権大納言さま、これからよろしくお願い申し上げます」
「うむ、早々に家族ともども京の屋敷に移住するように」
大塚城の山中又三郎は、自分を含め希望する一族や地侍を取りまとめて家臣になると申し出ていた。もちろん何の対策も立てずに領地を捨てる訳では無く、一族や家臣の家族を自作農として残した上での臣従であった。
「権大納言さま、これからよろしくお願い申し上げます」
「分かった、京に屋敷を用意してあるから、家臣共々移るがよい」
「有り難き幸せに存じます」
枝吉城主・明石長行は、1538年に御着城主・小寺則職と結んで主君・赤松政村に謀反を起こした。1539年にも赤松政村と政村の援軍に来た阿波守護・細川持隆と戦い、最終的には和睦はしたものの、やはりわだかまりは残っていた。だからこそ今回の騒動を契機に、心機一転城地を捨てて種子島家に仕える決断をしたのだった。
それに俺に逆らいたくても、そもそもそれだけの戦力の軍資金もない。城地を捨てて播磨に逃げたくても、1度謀反を起こした明石長行が力を無くしたのだ、赤松政村が好機ととらえて成敗する可能性が高い。もちろん三好長慶の名目上の主人、阿波守護・細川持隆と戦っているのだから三好家も頼れない。何方にしても城地を捨てるのなら、種子島家に仕える方が安全に功名を稼げる可能性が高いのだ。
1543年7月9日『摂津国・東成郡榎並城』種子島権大納言時堯・15歳
「権大納言さま、そのような事を仰らずに家臣の端にお加えください」
「駄目だな」
「何故でございます、この三好越後守政長、武将としての力はそれなりに持っているつもりでございます!」
「だが裏切り者だ!」
「そんなことはございません、管領・細川晴元様に忠誠を尽してきました!」
「細川晴元に讒言して、同じく忠誠を尽していた三好惣領家の三好元長を討たせたであろう! 主人に讒言を吹き込み本家当主を討たせ、領地を奪い取るような下劣な者は虫唾が走る、離れろ下郎!」
俺はこんな三好政長のような奴が大嫌いなのだ!
特に今のようにおもねる様な言葉使いと態度には我慢が出来ないのだ!
「明朝早々にこの城に大岩を叩き落として潰す! 早々に立ち去るがよい!」
俺は早々に空に浮かんで三好政長から離れて、今度は城内に残っている者に再度怒鳴りつけた。
「本家を裏切り主君に讒言を吹き込み、本家当主を攻め殺させるような卑劣外道な者は許せん、今日中に全員が城から出て明け渡さねば、この城は明朝三宅城のように大岩の下敷きにして押し潰す! 再度繰り返すぞ、今日中に城を出て明け渡さねば明朝大岩の下敷きになって死ぬことになるぞ!」
1543年7月10日『摂津国・東成郡榎並城』種子島権大納言時堯・15歳
翌日の払暁に大岩を持ち上げながら榎並城に翔けて行ったが、既に俺に降伏し臣従を誓った地侍や雑兵しか残っていなかった。もちろん彼らは俺の噂を聞き知っているから、城の中の物を盗む度胸はなかった。彼らに榎並城の管理を任せて、次の交渉相手の大塚城に向かった。
「権大納言さま、これからよろしくお願い申し上げます」
「うむ、早々に家族ともども京の屋敷に移住するように」
大塚城の山中又三郎は、自分を含め希望する一族や地侍を取りまとめて家臣になると申し出ていた。もちろん何の対策も立てずに領地を捨てる訳では無く、一族や家臣の家族を自作農として残した上での臣従であった。
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