魔法武士・種子島時堯

克全

第123話細川晴元の捕縛

1540年5月5日『京・御所上空』種子島大弐時堯・12歳

俺は一旦料理を入れた大籠を陽明門の内側の置こうとしたのだが、高度を下げた事で逃げようとしたと判断したのか、強気になった細川晴元軍が恐怖を抑えて矢を射って来た!

俺の身体にいくら矢が刺さろうと、表皮を傷つけるだけでその下の防御魔法で弾かれてしまう。破れた表皮も治癒魔法で素早く横から再生されるから何の問題も無い。

だが端午の節句料理を入れた大籠に矢が刺さってしまった!

料理が混じったり損なわれ無いように、ゆっくりとしか動けないのをいい事に、細川軍は好き勝手に矢を射掛けてくる。最初は事を荒立てないように位で威嚇するだけにするつもりだったが、段々腹が立って来た!

陽明門の内側にまで沢山の矢が射られた事で、俺の堪忍袋がブチ切れた!

「御所の内裏の中にまで矢を射掛けるとはなにごとだ! 朝敵細川晴元軍を撃つ!」

料理の入った大籠を置き終えた俺は、3千前後の細川軍の中を宙に浮かびながら翔け抜けた!

もちろんずっと浮いている訳ではなく、状況に応じて臨機応変に地面の足を着けて脚力も有効に使って駆け抜け、その間に細川晴元軍将兵を叩きのめしていった。

最初に細川晴元を討ち取り名乗りを上げたら早く始末がつくのだが、そうなると残党が京でどのような乱暴狼藉を働くか分かったものではない。だから飛び道具の矢を射て御所内に被害を与えそうな者から順に、でも進行先にいる将兵は弓の有無に関係なくぶちのめして気絶させていった。

俺としてはここにいる細川晴元軍将兵全員を捕虜にして、九州まで連行して奴隷のように働かせるつもりだ。だって当然だろう、御所内に矢を射掛けた朝敵なのだ、これから御上と朝廷の権威を利用して、極力日本国内を戦争をしないで統一するつもりなのだ。ここで御上と朝廷の権威を失墜させる訳にはいかない!

細川晴元の表情に、徐々に恐怖が浮かび上がり撤退の合図をしそうな気配が見えたので、急いで取って返して細川晴元をぶちのめして気絶させた。全将兵を叩きのめすまでは、統率のとれない逃亡は絶対にさせない。

細川晴元を気絶させた事を気付かれ無いようにしながら、しかも不利とみて勝手に逃げ出そうとした将兵から順に叩きのめしていった。1時間弱かかってしまったが、3千前後の兵を全て気絶させて無力化させた。

中にはショック死してしまった者もいるかもしれないし、肋骨などを骨折した者もいるだろうが、京の庶民に絶対被害を出さないように、御所を襲撃した軍勢を鎮圧するためには、これはどうしても仕方のないことだった。

「遠からんものは音に聞け、近くば寄って目にも見よ、従一位関白鷹司忠冬が養嗣子、従三位・参議・大宰大弐・右近衛権中将・左衛門督の鷹司時堯が、御所に攻め込んだ細川晴元と3千の将兵を召捕ったり!」

俺の名乗りを受けて、何度も俺と九州侵攻作戦を共にした番長に率いられて、衛門府の軍勢が細川晴元軍将兵に縄をかけるべく陽明門を開けて出て来た。

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