魔法武士・種子島時堯

克全

第113話官位官職の昇進条件(興味のない方は飛ばして下さい)

「関白」
天皇の代わりに政治を行う官職で実質上の公家の最高位
天皇が幼少または病弱などのために大権を全面的に代行する摂政とは異なり、関白の場合、最終的な決裁者はあくまでも天皇である。従って、天皇と関白のどちらが主導権を取るとしても、天皇と関白が協議などを通じて合意を図りながら政務を進めることが基本
慣例として摂政関白は「天皇の代理人」であるため、天皇臨席などの例外を除いては、太政官の会議には参加しない(あるいは決定には参与しない)、太政大臣・左大臣が摂政・関白を兼任している場合にはその次席の大臣が太政官の首席の大臣として政務を執った
摂関家で最も官位の高い者が摂政・関白に任ぜられる

「摂政」
天皇の勅令を受けて天皇に代わって政務を執ることまたその者の職
摂政は幼い天皇に代わって政務を代理する職
摂関家で最も官位の高い者が摂政・関白に任ぜられる

「太政大臣」
太政官の長官。前近代日本の律令官制と明治時代の太政官制における最高職
定員1名・官位相当は正一位・従一位
具体的な職掌のない名誉職で、適任者がなければ設置しない
基本は摂関家・清華家だけが任官できるが、それ以外の家が任官すれば清華家に昇進

「左大臣」
定員1名・官位相当は正・従二位
太政大臣と左・右大臣(後に左・右大臣と内大臣)とを総称して三公・三槐と呼ぶ
太政官の職務を統べる議政官の首座として朝議を主催した。左大臣の上位の太政大臣は功労者を待遇する名誉職としての意味が強いために具体的職掌が伴わず、また「則闕(そっけつ)の官」と呼ばれたように常設職ではなかったことから、左大臣が太政官における事実上の最高位であった

「右大臣」
定員1名・官位相当は、正・従二位
太政大臣と左・右大臣(後に左・右大臣と内大臣)とを総称して、三公・三槐と呼ぶ。
左大臣とともに太政官の事実上の長官だが、左大臣がある場合は議政官の首座は左大臣であり、左大臣が置かれていない場合や差し支えて出仕しない場合に右大臣が朝議を主催した。また、左大臣が関白であった時にも右大臣が政務を司った

「内大臣」
左大臣・右大臣に次ぐ官職
定員1名・官位相当は正・従二位
左大臣および右大臣の両人が欠員の場合や何らかの事情のために出仕できない場合に、代理として政務・儀式を司った

「近衛大将」
宮中の警固などを司る左右の近衛府の長官
定員は各1名で権官はない。官位相当は従三位
常設武官の最高職で、馬御監の兼任とされた
大臣や大納言が兼任するのが一般的になったため正三位以上の者が就くことが多く、内大臣が空席になると大納言のうち席次が下位でも近衛大将を兼官する者が昇進したことから、武官としての実質を失っても公卿が兼帯を渇望する官だった、大納言よりも上位と認識されていた
摂関家嫡男などは権中納言で大将を兼任する例がよく見られた。なお、大将を兼ねる大臣(左大臣・右大臣・内大臣)が摂政・関白や太政大臣になると、大将を辞める前例だった

「馬御監」
足利義満は右馬御監に叙任された。 室町時代において左馬頭は、足利直義が左馬頭になったのを嘉例とし、将軍の後見職(副将軍的な存在)あるいは次期将軍が就任する官職と見なされた
御監(従三位相当・令外官※)左右各一名
頭(従五位上相当)左右各一名
助(正六位下相当)左右各一名
大允(正七位下相当)左右各一名
少允(従七位上相当)左右各一名
大属(従八位上相当)左右各一名
少属(従八位下相当)左右各一名
馬医(従八位上相当)左右各二名

※ 左馬寮御監は左近衛大将、右馬寮御監は右近衛大将の兼務。
史生 左右各二名(後四名)
馬部 左右各六十名
使部 左右各二十名
直丁 左右各二名
飼丁

「大納言」
太政官においては四等官の次官
官位相当は三品・四品または正三位
大臣が欠員・休暇の際にはその代行をするもの
君主の言葉を臣下に伝え、臣下の言葉を君主に伝える役割
正官は置かれず権官が10人

「中納言への昇進条件」
参議を15年以上務めた者は、中納言に昇進できる
摂政・関白や治天の君の意向次第では、15年未満で昇進することも少なくない
参議であって左大弁・右大弁を兼ねる者、参議であって近衛中将を兼ねる者、参議であって検非違使別当を兼ねる者は、単に年功序列で中納言となる者よりも優先的にあるいは短期間で昇進できえう。また、その後大納言になれる可能性も大きい
摂関の子息で二位または三位の位階を帯び近衛中将の官職にあるものは、参議を経ずしていきなり中納言に任じられる慣例

「参議」
四位以上の位階を持つ廷臣の中から、才能のある者を選び、大臣と参会して朝政を参議させたもの
「参議任官の条件」
以下のいずれかの官職を務めた経験がある者 蔵人頭・左右大弁・近衛中将(長年務めた場合のみ)・左中弁・式部大輔(侍読を務めた場合のみ)
五ヶ国の国司を無事に務め上げた者
三位の位階を持つ者

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