魔法武士・種子島時堯

克全

第40話土々呂城

1536年8月『日向国・土々呂城』種子島左近衛将監時堯・8歳

「若殿、わざわざこのような所まで飛んで来て下さり有り難き幸せでございます!」

「なぁに、日課の城門壊しのついでだから気にする事はない、だがよく頑張ってくれているようだな」

「はい! 若殿が派遣して下さった工兵隊と輸送隊が率先して働いてくれていますし、若殿が日当を多く支給して下さっておられるので、領民も喜んで働くに集まっております」

「給食の方に不満は出ていないか?」

「そのような事は一切ありません、塩の効いた鯨肉・サメ肉のたっぷり入った汁に、腹一杯の飯が喰えるのです! 辞めさせられたくない領民は精一杯働いております!」

俺は豊後国との国境線近く土々呂に拠点となる海軍城を築かせる事にした。今までの拠点である種子島・根占・国分清水・八代はこの時代では考えられないくらい繁栄している。だが大友と大内を同時に敵に回す以上、両者の水軍に備えて日向灘に即座に艦隊を派遣できなければならない。

そうしないと父上様の上京が危険だし、畿内・東海・関東・東国・蝦夷・樺太との交易にまで支障が出てしまう。もちろん瀬戸内海を支配している村上水軍とは仲良くやっているが、村上水軍が大内の圧力に屈したり、欲に目が眩んで父上様を襲うことがないとは限らないのだ!

そこで四国の一条家と手を結んで、四国太平洋航路を使った交易を主力交易路にする計画を立てた。そのためにも土々呂には陸海の攻守に優れた城を早急に築く必要があったのだ

で、その築城に銭を大量投入した事で、周辺に領地を残していた国衆・土持日向守親佐と、農閑期で山間部から配下の半農半武地侍が出稼ぎに来ていた三田井親好・米良石見守重次改め菊池石見守重次・伊東一門から感謝されている。

とくに築城現場から近い土持一門の地侍などは、築城バブルで小金持ちとなっている!

今ここには戦闘部隊・後方部隊併せて1万1200兵と地侍5000兵が常時築城作業に駐屯しており、国境線の筑後国衆は常時戦闘態勢をとらされ疲弊している。俺がいつ築城に派遣している軍を侵攻に向けないか分からない以上、大友も筑後に厳戒態勢をとらせない訳にはいかないのだ。

俺のせいで自作農・小作農に逃げられ、国衆・地侍にも密かに裏切られ、数少ない忠誠心豊かな国衆・地侍に無理な負担をかけさせることになった大友は、その無理な命令で更に国衆・地侍から裏切られる事になった。

俺は侵攻攻撃する事無く、防衛と交易のための城造りをし、領民が豊かになるように銭を使う事で大友氏を追い込んでいった!

「土々呂城築城派遣部隊」
弩隊 ・1000兵
投石隊・1000兵
投槍隊・1000兵
長槍隊・2000兵
工兵隊・3000兵
看護隊・ 200兵
輸送隊・3000兵
総計 1万1200兵

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