魔法武士・種子島時堯

克全

第16話飛行魔術

1535年2月『大隅・国分清水城』種子島犬楠丸・7歳

「若殿! 北原兼守が北郷左衛門尉忠相・伊東六郎十郎祐吉と連合して攻撃してまいりました!」

「分かった、俺がまず援軍に行く、後続軍は時政青龍を総大将にしろ」

「承りました」

種子島忍軍を指揮する福丸朱雀の報告を受けて俺は決断した!

拡張工事のために、多数の訓練中将兵が国分清水城には駐屯していた。中には捕虜になって働かされている、大隅の国衆や地侍も沢山いた。彼らを完全に支配下に置くために、ちょっとデモンストレーションして見せることにした。

「みな者よく聞け! 余は神の申し子、種子島犬楠丸である! この戦乱を世界を平定し民に平穏な暮らしをもたらすために神が遣わされたのじゃ! その証拠にみなの前で空を飛んで見せよう!」

俺は皆の前でヒラリと上昇して見せた!

魔素のほとんどないこの世界では、外部に魔力を発動して空を飛ぶことは出来ない。だが体内に重力制御魔法を発動させてなら空に浮くことができる。その方法を使って空を駆けて見せると、あれほど反発していた禰寝清年・北原兼孝などの大隅国衆が大地に平伏して俺を拝んでいる。

「よいか皆の者! 余とともに戦うことは神と仏のご意思なのじゃ! 民を愛し慈愛に満ちた心で国を治めるのじゃ、そのために仕方なく私利私欲の国衆と戦うのじゃ!」

「「「「「おう~!」」」」

俺が激を飛ばすと、平伏していた将兵から地鳴りのような返事が返ってきた。まあ目の前で空を飛ばれれば、神の使いと言われても信じるだろう。まして先の合戦で人間離れした剛力で戦って見せたのだ、信じない方がおかしい。

俺は援軍を待たずに空を飛んで飯野城主の救援に向かった。北原兼守は一向宗狂いの北原兼孝が失った飯野城を取り返したいのだろう。

北郷左衛門尉忠相・伊東六郎十郎祐吉は俺の噂に危機感を抱いて早期に討伐しようとしたか、あるいは北原兼守に協力して恩を売った上で、俺の実力を試そうとしているのだろう。

だが侵攻してきた以上、一切の容赦はしない、叩きのめして城地を奪うのみ!

しかし北原兼守も救われない男だ、敵を討とうとしている北原兼孝は、俺の激を聞き飛行の姿を見て、地に平伏して涙を流しながら念仏を唱えていた。北原兼孝はもはや一向宗信者ではなく、種子島犬楠丸の信者になっている。

「種子島家総兵力・上京部隊・各駐屯部隊を含む」
騎馬隊:1000騎
鉄砲隊: 500兵
弓隊 :2000兵
弩隊 :2000兵
投石隊:2000兵
投槍隊:2000兵
長槍隊:2000兵
徒侍隊:4000兵
工兵隊:5000兵
看護隊:1000兵
輸送隊:5000兵

「種子島海軍」
小早船(20丁櫓・40兵)280船
関船 (40丁櫓・90兵)150船
ジャンク船         30船
ブリック           2船
スクナー           2船
フリゲート          1艦

「魔法武士・種子島時堯」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「歴史」の人気作品

コメント

コメントを書く