引きこもり吸血姫に一目惚れ

克全

第22話:新たな犬

俺はカーミラの許可を受けて三度目の老犬譲渡を受けた。
眷属になったヒュウガとヤムチャは、日中には外に出せないので、録画した映像を見せた。
唯一まだ眷属になっていないダンボを保健所に連れて行き、ちゃんとお世話をして元気であることを証明することで、今度も二頭同時に譲渡を受けることができた。

俺が選んだ子の一頭は、推定年齢十三歳のおじいちゃん犬だった。
去勢の済んでいる甲斐ミックスで、体重は十キロだった。
三年前にも見た子で、この子も高齢のために引き取り手がなかったのだろう。
二年前は人慣れ犬慣れの練習中だったと記憶しているが、今ではよく慣れている。
保健所からの引き取りになるので医療措置は十分されていた。
マイクロチップは挿入済で糞便検査にも異常はなかった。
ノミダニ駆除も狂犬病予防接種も6種混合ワクチン接種も終わっていた。
名前は動物愛護センターで三年も使われているルークにした。

俺が選んだもう一頭はルークの兄弟で推定年齢十三歳のおじいちゃん犬だった。
去勢の済んでいる甲斐ミックスで、体重は十キロだった。
この子も三年前にも見た子で、高齢のために引き取り手がなかったのだろう。
保健所からの引き取りになるので、医療措置は十分されていた。
マイクロチップは挿入済で糞便検査にも異常はなかった。
ノミダニ駆除も狂犬病予防接種も6種混合ワクチン接種も終わっていた。
名前は動物愛護センターで三年も使われているクロスケにした。

ルークとクロスケは兄弟でも少し性格が違った。

ルークはごはんとおやつをじらされるのが嫌いで、意地悪をしてじらすと唸ってしまう性格だった。
しかも孤独が好きで、他の犬とは仲良くしたくない一匹狼な性格だ。
散歩は一匹でゆっくりじっくり楽しむ性格なのだが、十三歳の高齢で足腰が弱っていて、散歩中もヨタヨタとふらついている。

クロスケはルークに比べれば社交的で、おやつは手から与えても喜んで食べる。
だが人間が急に動くとビックリするので、ゆっくり優しく接する必要がある。
お散歩が大好きで、人間と一緒に笑顔で歩くし、人間が誘うと一緒んおもちゃで遊ぶ事もできる。

一つだけ保健所、いや、動物愛護センターの担当者から注意された事がある。
それは甲斐犬はとても気性が激しい狩猟犬だという事だ。
飼い主以外の人間には心を開かず、唯一飼い主にだけに一生忠誠を尽くす性格から、一代一主の犬とまで評されると言われた。
同時に気性が激し過ぎて、グループ猟ではなく一銃一狗の単独猟でこそ甲斐犬の能力を発揮できたとまで言われた。

だがその注意は望むところだった。
それくらい孤犬能力が高く主人に忠誠を尽くす性格なら、ヴァンパイアハンターからカーミラを護る役目に最適だ。
俺はカーミラがルークとクロスケを気に入ってくれることを願って屋敷に戻った。

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