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克全

第203話:一八四二年・高直しと収支

今年も高直しを行った。
数年前から徐々に最前線に三百諸侯を送り転封領の開拓に力を入れさせていたが、遂に日本本土の大名領を全て幕府直轄領とした。
転封した三百諸侯の石高は大体実高の三倍になっている。
だた領民を苦しめた割高の年貢は修正してある。
幕府と同じ四公六民にしているから、長州藩の七十一万石が二百十万石になったりはしていない。

だた藩によっては武功により大躍進している藩もある。
依怙贔屓と言われるかもしれないが、最初から最前線で戦ってくれていた元尾張徳川家は三百万石となっている。
元高須藩は五十万石で、蝦夷新田藩は三十万石となっている。
その分藩士の犠牲も多いが、戦病死した藩士の扶持は最低でも倍にしてある。

諸藩や民からの牛馬の購入は、諸藩や民の生活を支えるために今も続けているが、幕臣や幕府が直接生産している牛馬も増えている。
特に幕府が牛馬親方となって貸し与えて増やさせている、牛馬山羊豚羊が飛躍的に増えているので、安定して肉食が可能になってきた。

他にも蒸留酒と製糖の量が飛躍的に増えた上に、北前船が全て様式帆走となった事で交易高が増えている。
技術者の数はもちろん熟練度も向上したので、国内総生産も想定以上に増えているから、その分を最前線に投入できる人員も物資も増えている。

特に造船技術者などの軍事産業には力を入れている。
イギリスに先駆けてアームストロング砲の研究開発をさせている。
もちろん装甲艦用の鋼鉄もだ。
拿捕したイギリス艦艇もよい手本になった。
俺の記憶にある戦列艦に装甲を施した装甲戦列艦。
織田信長が建造させた鉄張り安宅船に近いのかな。
徳川海軍艦艇も速力と操船を考慮しつつ装甲艦化している。

フランスが一八五九年に進水させたグロワール級装甲艦や、イギリスが一八六〇年に進水させたウォーリア級装甲艦に負けない装甲艦を世界で最初に進水させるのだ。
秘密裏に作らせているミトラィユーズ砲やガトリング砲の数も増えている。
アームストロング砲とガトリング砲を搭載した装甲艦を量産して、世界の海を徳川海軍が支配するのだ。

『一九四二年度』
「旧徳川幕府の石高」
日本全土:三千二百三十七万石
「旧松前松平家の石高」
阿羅斯加:百二十万石格
エジプト:百三十万石
コーカサス:九十万石
カザフ :百四十万石
トルクメン:百四十万石
アルタイ:五十万石
サヤン :五十万石
ヤルスク:五十万石
益鳥兎 :七十万石格
巴児忽惕:七十万石格
知多  :七十万石格
黒竜江 :二百五十万石格
勘察加 :百九十万石格
沿海  :四百五十万石格
千島  :六十万石格
樺太  :四百三十万石格
蝦夷地 :五百五十万石格
琉球  :十五万石
対馬国 :六二六九石
多禰国 :大隅諸島(種子島と屋久島)六二八五石
:奄美諸島(鬼界島・大島・徳之島・沖良部島・与論島)三万二八二八石
:沖大東島、南大東島、北大東島・尖閣諸島(無高)
:小計三万石九一一三石
小笠原国:小笠原諸島三万石
:南鳥島、ミッドウェー諸島、ウェーク島、ジョンストン島(無高)
:小計三万石
合計  :六千百六十八万九千百十三石

「一八四一年の松前松平家収支と軍事力」

備蓄金 :△四億二千七百八十一万両

直轄領 :五千七百二十八万石(五千七百二十八万両だが今まで通り交易に使用)
旧幕臣領:三百万石
家臣領 :百四十万石(代官支配ではなく領主権を行使できる家臣領)
北前船 :△百七十四万両(百七十四隻は船団を組み清国や東南アジア)
北前船 :△四百六十七万二千八百両(自家以外の三千八百九十四隻運上金)
快速丸 :△千三百二十万両(六百六十隻)
迅速丸 :△二千六百四十万両(六百六十隻)
ジャンク:△千四百四十万両(十六隻)
商場運上:△九十万両
試合興行:△十八万両
小計  :△一億千八百七十七万二千八百両

旧幕臣 :三百万石(八万兵・清算済み)
前線幕臣:九十万石(四百八十七家・清算済み)
幕臣大名:五十万石(二十九家・清算済み)
藩士扶持:▲五十三万六百四十両(九万九千兵)
藩士領地:▲二百石騎士家:四百万石(二万騎)
藩士領地:▲百石騎士家 :九百万石(九万騎)
食費役費:▲百二十万両
機密軍費:▲百四十万両
小銃生産:▲四十二万両(ドライゼ銃四万二千丁)
(鉄砲部品外注:四万二千丁分▲十六万八千両)
エミエー銃:▲十二万両(二万丁・日本産)
ゲベール銃:▲二万五千両(五千丁・欧州産)
玉薬代 :▲百二十万両
鉄銅鉛代:▲二百九十万両
輸入武器:▲三十万両
鍛冶職 :▲二万両(日本刀、槍、鏃)
練炭  :▲二万両
豆炭  :▲二万両
七輪  :▲一万両
陶磁器 :▲五万両
艦艇修理:▲一万七千四百両(百七十四隻)
快速丸 :▲三万両(五十トン六十隻×五百両)
迅速丸 :▲六万両(百トン六十隻×千両)
三十六門フリゲート艦:▲三万五千両(三百五十トン十艦×三千五百両)
五十二門フリゲート艦:▲二十万両(十艦×二万両)
二千トンジャンク船 :▲四万両(二隻×二万両)
農耕牛 :▲九十万両(三十万頭×三両)
軍馬駄馬:▲六十万両(三十万頭×二両)
小計  :▲二千二百七十九万八千四十両

総計  :△九千五百九十七万四千七百六十両

「現有戦力」
反射高炉:高須藩・独立四炉を四基
反射高炉:江戸韮山二炉一基を二基
反射高炉:松前藩函館二炉一基を六基
反射高炉:松前藩福山館二炉一基を六基
反射高炉:松前藩小樽二炉一基を八基
反射高炉:松前藩室蘭二炉一基を六基
反射高炉:松前藩釧路二炉一基を二基
反射高炉:松前藩網走二炉一基を二基
反射高炉:松前藩石狩二炉一基を二基
三十六門フリゲート艦:三五〇トン=百四十艦
五十二門フリゲート艦:一五七六トン=百艦
ジャンク船:二〇〇〇トン=十八隻
快速丸 :五十トン=六百六十隻
迅速丸 :百トン=六百六十隻
合の子船:百七十四隻
ミトラィユーズ砲:三百門
ガトリング砲:二百門
ドライゼ銃:二十八万九千丁
エミエー銃:八万二千丁
ゲベール銃:十六万四千丁
農耕牛 :二百九十万頭
軍馬駄馬:二百九十万頭
「拿捕艦艇」
軍艦  :六十四艦
輸送船 :三十九隻
武装汽船:十六隻
汽走砲艦:三十六隻

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