転生 徳川慶勝 日露開戦 日米開戦

克全

第182話:一八三九年、イギリス領アメリカ戦線

北米大陸は想像以上に順調に推移している。
当初は敵対していたネイティブも、俺達が白人に勝ち続けるのを見て、敵対したり日和見したりするよりも味方になる事を選んだ。
勝ち戦ほど味方を結束させるモノはない。
それに共通の外敵を創り出せば内部矛盾が表に出なくなる。
時間稼ぎをしている間に内部矛盾の解消に努力すればいい。

ネイティブと先遣部隊に多数の後続部隊が加わり、兵力も飛躍的に増大している。
白人が内部抗争を止めて俺達に対処しようとしても、莫大な利を与えて創り出した白人内の裏切者達が邪魔してくれる。
俺の語彙で例えれば郷土に錦を飾りたいのだ。
莫大な富を得て貴族然とした姿でイギリス本土に戻りたいのだ。

その為なら民族や宗教を異にするアングロサクソンを殺すのも平気なのだ。
アメリカ合衆国やイギリスが利を与えて味方に加えようとしても、こちらはそれ以上の利が与えられる。
イギリス本土に戻ってからも大いに利用できるから、金に糸目を付けない。
彼らを使って、イングランドやウェールズを支配しているアングロサクソンをアヘン中毒にさせるのだ。

その為に、もうそれなりの数の叛アングロサクソンをイギリス本土に帰している。
莫大な富を得て、これからもアヘン売買で莫大な富が約束されている。
俺達を裏切る理由など何もない。
そんな先達を見ている北米に残る叛アングロサクソンは、一生懸命に白人の連帯連合を邪魔してくれるのだ。

それは残されたイギリス領アメリカ、将来のカナダ地域も同じだった。
そのお陰でアラスカ地域はとても広大になっている。
ユニコーン州を越えて北西地方まで制圧している。
ただ永久凍土を支配しても駐屯部隊がもったいない。
だから屯田可能な所までにとどめている。

ブリティッシュコロンビア州までだったイギリス領アメリカの浸食範囲が、アルバータ州を越えてサスカチェワン州まで支配域を広げている。
松前松平家の、いや、徳川宗家の直轄領を増やしたいのもあるが、それ以上に白人に圧迫され虐殺されるネイティブの救援要請を無視できなかったのだ。
それとバンクーバー島周辺、ファンアフーカ海峡を完全支配するために、カリフォルニア共和国だったワシントン州はアラスカ方面に割譲させた。

その代わりカリフォルニア湾を完全支配するために、カルフォルニア半島、アリゾナ、メキシコから攻め取ったウエストシエラマドレをカリフォルニア共和国の領地に加えた。

まあどちらにしても日系地域は徳川連合国や大日本連邦共和国にするから、日系国同士の国境問題はそれほど重視しない。
重大なのは欧州が植民地にしている国や、欧州からの独立を目指している国との国境問題だ。

連邦国軍になるのか連合国軍になるのかは分からないが、海軍の拠点だけは本国にあたる徳川宗家が護り易い拠点が必要になる。
その為にはバンクーバー島周辺は完全支配しておかなくてはいけない。
共和国や藩の面目を保つために、共和国軍や藩軍を解散させる事はない。
アメリカ合衆国の州軍にあたるモノが、共和国軍や藩軍にあたることになる。

アラスカ方面(アラスカ・ブリティッシュコロンビア・アルバータ・サスカチェワン・ワシントン)
カリフォルニア共和国(カルフォルニア・オレゴン・カリフォルニア半島・アリゾナ・ウエストシエラマドレ)

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