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克全

第168話:一八三七年、着実なアメリカ

各地から次々と情報が送られてくる。
アメリカ方面はとても順調に推移している。
派遣した艦隊による援軍とアラスカ経由の援軍が大きい。
彼らの活躍によって着実に西海岸は確保でている。

カルフォルニア共和国は、前世のカルフォルニア・オレゴン・ワシントンの三州を領地としている。
もうすでに前世の日本の前世に匹敵する国土になっているのではないかな。

メキシコから奪ったニューメキシコ共和国は、前世のニューメキシコ・アリゾナの二州を領地としている。
革命による内乱でどうしようもないメキシコは、奪われた領地を取り返せる状況ではない。

他にもテキサス共和国、ルイジアナ共和国、ミシシッピ共和国、ジョージア共和国、フロリダ共和国も順調に内政を行い外敵を排除している。

ただ問題は内部に住む白人とネイティブの扱いだった。
白人を皆殺しにするわけにはいけないし、ネイティブを苦しめる訳にもいかない。
そもそもアメリカに手を出したのは、黒船を来させないようにするためと言うよりは、ネイティブが不当に殺されるのが許せなかったからだ。
その俺がネイティブを苦しめてしまったら、俺が白人と同列になってしまう。
それだけは絶対に嫌だった。

だから現地指揮官にはネイティブの話をよく聞いてもらった。
領地の事、宗教習慣の事、ネイティブが大切にしている事を聞きだしてもらった。
その上で松前藩士、ネイティブ、白人の住み分けを行った。
共和国内に県と市町村を設けて、ネイティブと白人には自治市町村を与えた。

汚いやり方だが、ネイティブや白人が一致団結しないようにした。
ネイティブは敵対する部族や派閥ごとに境界を設けて、その間に松前藩士主導の市町村を置いて交流し難くした。
だがこれは部族同士派閥同士を争わせたくないという気持ちもあった。

同じ事は白人に対しても行った。
基本全員移民なので、出身国や信じている宗教によって自治市町村を分けた。
特に気をつけたのが、俺が火をつけたイングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドによる敵対心だった。
それこそ本当に小さな村が自治村となり、隣村の白人と犬猿の仲になっている。
同じ村の中での争いは、移住という形で解決を図った。

もっと大切な事があった。
それは白人が勝手に引いた境界線だった。
ネイティブや地形の事を全く考慮していない。
だから各共和国でよく話し合ってもらって、山脈や河川、ネイティブ同士の境界を元にした国境線を策定するように指示した。

ただしアラスカは別だ。
あそこは松前藩の領地に組み入れた。
アラスカ油田と金鉱は将来のために手放せない。

カリフォルニア共和国(カルフォルニア・オレゴン・ワシントン)
ニューメキシコ共和国(ニューメキシコ・アリゾナ)
テキサス共和国(テキサス)
ルイジアナ共和国(ルイジアナ)
ミシシッピ共和国(ミシシッピ)
ジョージア共和国(ジョージア)
フロリダ共和国(フロリダ)

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