第111話一八三二年、収支と貨幣改鋳準備

前年も莫大な利益を得たが、それは二朱銀益によるところが大きい。
だが、そろそろ国内外の金銀交換差がなくなって来た。
そろそろ二朱銀益を諦めると同時に、貨幣の改鋳を行う時期だと思う。
二朱銀を廃止するとともに、天保小判に改鋳すべき時だ。
急に、しかも一方的に二朱銀を廃止してしまったら、国内の経済が混乱する。
国内に流通させる小判と銀貨の量を考えれば混乱は最小限に抑えられるはずだ。
そして事前に天保小判を作っておけば、また大儲けできる。

「一八三一年の松前松平家収支と軍事力」

備蓄金　：△五千三百七万七千九百八十八両

二朱銀益：六百万両
北前船　：△百七十四万両（百七十四隻は船団を組み清国や東南アジア）
北前船　：△三十二万両（自家以外の八百隻運上金）
快速丸　：△百九十万両（九十五隻）
迅速丸　：△三百八十万両（九十五隻）
商場運上：△十万両
試合興行：△十八万両
小計　　：△千四百四万両

藩士扶持：▲二十万五千八百二十四両（三万二千兵）
旧薩摩藩：▲三十一万八千両（五万兵）
野非人　：▲五十五万両
食費役費：▲二十八万八千両
機密軍費：▲十万両
小銃生産：▲十一万両（ドライゼ銃一万千丁）
（鉄砲部品外注：八千丁分▲二万二千両）
火縄銃　：▲一万六千両（一万丁）
玉薬代　：▲十万両
鉄銅鉛代：▲百万両
鍛冶職　：▲二万両（日本刀、槍、鏃）
練炭　　：▲五千両
豆炭　　：▲五千両
七輪　　：▲一万両
陶磁器　：▲二万両
艦艇修理：▲一万七千四百両（百七十四隻）
快速丸　：▲二万両（五十トン四十隻×五百両）
迅速丸　：▲四万両（百トン四十隻×千両）
三十六門フリゲート艦：▲三万五千両（三百五十トン十艦×三千五百両）
五十二門フリゲート艦：▲十万両（五艦×二万両）
農耕牛　：▲三十万両（十万頭×三両）
軍馬駄馬：▲二十万両（十万頭×二両）
小計　　：▲三百四十八万二千二百二十四両

総計　　：△千五十五万七千七百七十六両

「現有戦力」
反射高炉：高須藩・独立四炉を四基
反射高炉：江戸韮山二炉一基を二基
反射高炉：松前藩函館二炉一基を六基
反射高炉：松前藩福山館二炉一基を六基
反射高炉：松前藩小樽二炉一基を八基
反射高炉：松前藩室蘭二炉一基を六基
反射高炉：松前藩釧路二炉一基を二基
反射高炉：松前藩網走二炉一基を二基
反射高炉：松前藩石狩二炉一基を二基
三十六門フリゲート艦：三五〇トン＝三十八艦
五十二門フリゲート艦：一五七六トン＝八艦
快速丸　：五十トン＝九十五隻
迅速丸　：百トン＝九十五隻
合の子船：百七十四隻
火縄銃　：二万二千丁
後装火縄銃：三千丁
ドライゼ銃四万三千丁
農耕牛　：三十万頭
軍馬駄馬：三十万頭