そんなに妹が好きなら死んであげます。
第24話:ルーパス、勇者、大魔王4
「今言った事は本当か、大魔王。
嘘だったらタダじゃすまさんぞ。
俺を動揺させようとした嘘じゃないだろうな」
ルーパスは大魔王の言葉をどうしても無視できなかった。
勇者を庇って死んでしまったミネルバを蘇らせることができるのなら、大魔王であろうと悪魔であろうと魂を売ってもいいと思っていた。
勇者や王侯貴族、遠征軍の連中を生贄にする事も躊躇わないだろう。
そう思ってしまうくらいミネルバが死んでしまった事は大きかった。
「嘘など吐かんよ、ルーパス。
蘇生魔術と招魂魔術は確かにある。
だが神々が禁呪とした魔術だ。
使えば神々に目を付けられ命を狙われる。
魂も消滅させられ転生できなくなる。
愛する妻が望まぬ事かもしれない。
それでも知りたいというのなら教えてやろう。
ああ、だが当然だが生贄が必要だぞ。
妻一人を蘇生させ魂を呼び戻すには千人以上の生贄が必要になる。
それでも知りたいかね、大賢者ルーパス」
「教えてくれ、何でもする。
こいつらを殺せというのなら全員皆殺しにする。
元の世界から生贄を連れて来いと言うのなら何千何万人でも連れてくる。
だから蘇生魔術と招魂魔術を教えてくれ」
即断即答だった。
一切の迷いがなかった。
自分達にこんな運命を与えた神々の考えなど知ったことではなかった。
力があって身勝手なのは魔族でも神々でも同じだった。
ミネルバに死の運命を与えた神々などとうの昔に敵だった。
「だったらまずルーパスが創り出した守護石が開けた通路を閉じてくれ。
この世界の民が向こうの世界に行く事は余の望みではない。
飢えた民を抱える王の一人が、民のためにそちらの世界に渡ったが、余は異世界の民を喰らう事には反対なのだ。
弱肉強食はこの世界だけでやればいい事だ」
「だったら何故こっちに来る事を止めなかった。
いや、勝手にやったにしてもあんたの力なら直ぐに穴を塞ぐことができただろう」
ルーパスは大魔王の言葉に激怒していた。
王の一人が勝手にやったと言われても納得できなかった。
「残念だがこの世界は神々と敵対している。
今も神々の攻撃を防ぐのに多くの魔力を使ってる。
神々の所為で同族を喰らわなければいけないくらい飢えた者達を止めるために、神々の攻撃を受けるわけにはいかん。
それに王の一人が襲ったのは我らを苦しめる神々を信奉する世界だ。
反対ではあっても、この世界を危険に晒してまで止める必要は認めんよ」
ルーパスは初めて聞く話に戸惑っていた。
真実かどうかは全く分からない。
大魔王の噓八百かもしれない。
だが嘘と断言するわけにもいかない。
ルーパス自身が神々に深い不信感を持っていたからだ。
「だったら過去の話はいい。
もう過ぎた事だ、嘘でも構わん。
とにかくミネルバを生き返らせる魔術を教えろ。
そうしたら通路は閉じてやる」
嘘だったらタダじゃすまさんぞ。
俺を動揺させようとした嘘じゃないだろうな」
ルーパスは大魔王の言葉をどうしても無視できなかった。
勇者を庇って死んでしまったミネルバを蘇らせることができるのなら、大魔王であろうと悪魔であろうと魂を売ってもいいと思っていた。
勇者や王侯貴族、遠征軍の連中を生贄にする事も躊躇わないだろう。
そう思ってしまうくらいミネルバが死んでしまった事は大きかった。
「嘘など吐かんよ、ルーパス。
蘇生魔術と招魂魔術は確かにある。
だが神々が禁呪とした魔術だ。
使えば神々に目を付けられ命を狙われる。
魂も消滅させられ転生できなくなる。
愛する妻が望まぬ事かもしれない。
それでも知りたいというのなら教えてやろう。
ああ、だが当然だが生贄が必要だぞ。
妻一人を蘇生させ魂を呼び戻すには千人以上の生贄が必要になる。
それでも知りたいかね、大賢者ルーパス」
「教えてくれ、何でもする。
こいつらを殺せというのなら全員皆殺しにする。
元の世界から生贄を連れて来いと言うのなら何千何万人でも連れてくる。
だから蘇生魔術と招魂魔術を教えてくれ」
即断即答だった。
一切の迷いがなかった。
自分達にこんな運命を与えた神々の考えなど知ったことではなかった。
力があって身勝手なのは魔族でも神々でも同じだった。
ミネルバに死の運命を与えた神々などとうの昔に敵だった。
「だったらまずルーパスが創り出した守護石が開けた通路を閉じてくれ。
この世界の民が向こうの世界に行く事は余の望みではない。
飢えた民を抱える王の一人が、民のためにそちらの世界に渡ったが、余は異世界の民を喰らう事には反対なのだ。
弱肉強食はこの世界だけでやればいい事だ」
「だったら何故こっちに来る事を止めなかった。
いや、勝手にやったにしてもあんたの力なら直ぐに穴を塞ぐことができただろう」
ルーパスは大魔王の言葉に激怒していた。
王の一人が勝手にやったと言われても納得できなかった。
「残念だがこの世界は神々と敵対している。
今も神々の攻撃を防ぐのに多くの魔力を使ってる。
神々の所為で同族を喰らわなければいけないくらい飢えた者達を止めるために、神々の攻撃を受けるわけにはいかん。
それに王の一人が襲ったのは我らを苦しめる神々を信奉する世界だ。
反対ではあっても、この世界を危険に晒してまで止める必要は認めんよ」
ルーパスは初めて聞く話に戸惑っていた。
真実かどうかは全く分からない。
大魔王の噓八百かもしれない。
だが嘘と断言するわけにもいかない。
ルーパス自身が神々に深い不信感を持っていたからだ。
「だったら過去の話はいい。
もう過ぎた事だ、嘘でも構わん。
とにかくミネルバを生き返らせる魔術を教えろ。
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