そんなに妹が好きなら死んであげます。
第1話:毒・オードリー視点
もう、死んでしまった方がいいのです。
誰にも愛されず、誰にも顧みられないのですから。
このまま邪魔者として生き続けるくらいなら、死んだ方がマシです。
死ねば少しは印象を残せるはずです。
罪の意識などなくてもいいのです。
自殺した愚かな女がいたというだけでもいいのです。
このまま無視し続けられるよりはずっとましです。
最初は両親に愛されていると思っていました。
婚約者のジェイムズ第一王子にも愛されていると思っていました。
国王陛下にも王妃殿下にも目をかけてもらっていると勘違いしていました。
全部嘘偽りだったのです。
私は誰にも愛されていなかったのです。
最初は父上と母上の子供だと思っていました。
長女だから段々厳しく躾けられているのだと思っていました。
ジェイムズ第一王子の婚約者だから、将来王妃になるのだから、帝王学を学ばなければいけないから、厳しく躾けられているのだと自分に言い聞かせていました。
ですが全部違ったのです。
私は父上と母上の子供ではなかったのです。
母上が後妻なのは以前から知っていました。
だから私の実の母は先の公爵夫人かと思いました。
ですがそれも違うと言い放たれてしまいました。
先の公爵夫人が友人から頼まれて養子にした娘、それが私だというのです。
身分卑しい平民の娘だけれど、先の公爵夫人の顔を立てて育てているだけだと、実の母だとずっと慕っていたルイーズ夫人に言い放たれてしまいました。
その時の哀しみ、心が張り裂けそうな痛み、もうお思い出すのも嫌です。
家族だと思っていた父上や母上、弟や妹と一緒に食事をする事もなくなりました。
徐々に粗末になっていく食事。
最近では一日に一食、残り物の冷たいスープと硬いパンだけです。
使用人よりも粗末な食事、それが一日に一食だけ。
もう王宮に呼ばれる事もなくなりました。
最近は元家族が馬車で王宮に向かうのを屋根裏部屋から見送るだけです。
隣の屋根裏部屋に住む下女が、聞こえよがしに私の悪口を言います。
「先夫人の不義の子、屋根裏部屋の忌子、下女にも劣るアカ塗れの女」
もう涙は枯れたと思っていたのですが、無意識に涙を流していました。
そして昨日、遂に絶望に突き落とされる出来事がありました。
長年弟だと思っていたアルバートに襲われたのです。
背後から抱きつかれ、足をかけられて倒されてしまいました。
なにがなんだかわかりませんでしたが、必死で抵抗しました。
最初は誰に襲われているのか分からず、思わず習い覚えた技を使いました。
ジェイムズ第一王子の婚約者として、厳しく護身術を学ばされていました。
甘やかされ、ろくに文武を学んでいないアルバートを叩きのめすのは簡単でした。
でも相手がアルバートだと知った私は、死にたいほど絶望に囚われました。
弟だと思っていたアルバートに、欲望のはけ口にされそうになった事は、とても耐えられない事でした。
屋根裏部屋の粗末なタンスの上に、これ見よがしの毒が置いてあります。
私に自殺しろと圧力をかけているのです。
もう、どうでもいいのです、生きていても仕方がないのです。
★★★★★★ お願いします。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「今後どうなるのっ……!」
と思ったら
フォローいていただけると本当にうれしいです。
いいねを頂けると胸が一杯になるくらいうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。
誰にも愛されず、誰にも顧みられないのですから。
このまま邪魔者として生き続けるくらいなら、死んだ方がマシです。
死ねば少しは印象を残せるはずです。
罪の意識などなくてもいいのです。
自殺した愚かな女がいたというだけでもいいのです。
このまま無視し続けられるよりはずっとましです。
最初は両親に愛されていると思っていました。
婚約者のジェイムズ第一王子にも愛されていると思っていました。
国王陛下にも王妃殿下にも目をかけてもらっていると勘違いしていました。
全部嘘偽りだったのです。
私は誰にも愛されていなかったのです。
最初は父上と母上の子供だと思っていました。
長女だから段々厳しく躾けられているのだと思っていました。
ジェイムズ第一王子の婚約者だから、将来王妃になるのだから、帝王学を学ばなければいけないから、厳しく躾けられているのだと自分に言い聞かせていました。
ですが全部違ったのです。
私は父上と母上の子供ではなかったのです。
母上が後妻なのは以前から知っていました。
だから私の実の母は先の公爵夫人かと思いました。
ですがそれも違うと言い放たれてしまいました。
先の公爵夫人が友人から頼まれて養子にした娘、それが私だというのです。
身分卑しい平民の娘だけれど、先の公爵夫人の顔を立てて育てているだけだと、実の母だとずっと慕っていたルイーズ夫人に言い放たれてしまいました。
その時の哀しみ、心が張り裂けそうな痛み、もうお思い出すのも嫌です。
家族だと思っていた父上や母上、弟や妹と一緒に食事をする事もなくなりました。
徐々に粗末になっていく食事。
最近では一日に一食、残り物の冷たいスープと硬いパンだけです。
使用人よりも粗末な食事、それが一日に一食だけ。
もう王宮に呼ばれる事もなくなりました。
最近は元家族が馬車で王宮に向かうのを屋根裏部屋から見送るだけです。
隣の屋根裏部屋に住む下女が、聞こえよがしに私の悪口を言います。
「先夫人の不義の子、屋根裏部屋の忌子、下女にも劣るアカ塗れの女」
もう涙は枯れたと思っていたのですが、無意識に涙を流していました。
そして昨日、遂に絶望に突き落とされる出来事がありました。
長年弟だと思っていたアルバートに襲われたのです。
背後から抱きつかれ、足をかけられて倒されてしまいました。
なにがなんだかわかりませんでしたが、必死で抵抗しました。
最初は誰に襲われているのか分からず、思わず習い覚えた技を使いました。
ジェイムズ第一王子の婚約者として、厳しく護身術を学ばされていました。
甘やかされ、ろくに文武を学んでいないアルバートを叩きのめすのは簡単でした。
でも相手がアルバートだと知った私は、死にたいほど絶望に囚われました。
弟だと思っていたアルバートに、欲望のはけ口にされそうになった事は、とても耐えられない事でした。
屋根裏部屋の粗末なタンスの上に、これ見よがしの毒が置いてあります。
私に自殺しろと圧力をかけているのです。
もう、どうでもいいのです、生きていても仕方がないのです。
★★★★★★ お願いします。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「今後どうなるのっ……!」
と思ったら
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何卒よろしくお願いいたします。
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