呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第199話 先に言ってくれ
考えていても仕方ないので疲れるまで出来る事を試してみることにした。まず透過で剣を壁に刺し、壁をくり抜く作戦だがこれは失敗した。最初は上手く切り込みが入ったが、途中から修復されていき穴は消えた。
確認してみると剣でつけた傷も無くなっていた。自動修復機能付きの壁とかますますダンジョンっぽいけどこれどうしようもないんじゃないの? 自分自身を透過して反対側に踏み出すというのも手だけどそこが壁だったらほぼ詰み。
ロンドの連中を救出する時みたいに反対側がどうなってるか分かってれば大丈夫だったけど、透過失敗したら体なくなるしやりたくない。殴っても壊せないし、治るなら魔術的なものだし外から覗いた壁の薄さではないかもしれない。透過して突き抜けるのは最終手段として取っておこう。
となると他の手段だが……人が入って来るのを待つ、くらいだろうか。
ここまで多くの人が詰め込まれているということはたぶん補充もされているんじゃないだろうか? と思ったがその考えは甘かったようだ。全員同じ顔立ちしてるしたぶんどこかの少数民族。服装もみんな似たり寄ったりだし。
となると中から開けられない、外からも助けは来ない。うんうん詰んだ詰んだ。これは外のみんなにお任せだなおやすみなさい。
「キミヒト、寝ない……すやぁ」
俺が少し休もうと身体を壁に預けると声がした。ものすごい懐かしい声で幻聴かと思ったが、その直後にどさっと倒れるような音も聴こえたので目を開ける。
そこにはとても整った顔立ちで高校のブレザーのような服を着た天使が居た。ブレザーの色は黒で地味だが、銀髪との対比によりものすごく妙なマッチ具合を醸し出している。
見間違えるはずもなし。イリスだわ。
「イリスだよな……? やべぇ涙でそう」
眠ってしまったイリスにいたずらしようという気持ちすら沸いてこないほどの感動。いやごめんなんか気が抜けたせいかいたずらしたい気持ちはあります。でも感動したのは本当なので髪を触らせてもらうくらいにしておきます。
っていうかこれいつもの戦闘服じゃないな。初めて出会った時からずっとあの入学式に着ていくようなフリル付きの服だったけど今はどうみても違う。なんかこれ、ミカのお店で見たことあるような?
とりあえず起こすか。
不屈を発動させ一応効果範囲増も使ってイリスの手を握る。そうして少し待つとイリスは目を覚ました。
「ん……寝てた。おはよう」
「おはようイリス。来てくれたのか」
「キミヒトは私の物。私もキミヒトの物。ピンチにはすぐ駆けつける」
ああもうこいつかわいいなちくしょう。本当は前回の世界での事とか色々聞いておきたかったけどそれはもう全部後回し。とりあえず思いっきり抱きしめさせてもらおう。
小柄な体、ふんわりとした優しい匂い、どこかぼーっとしてるけどしっかりとした意思を持つ強い瞳。そしてあふれ出るほどの恐ろしい魔力量。
……イリスさん魔力量めっちゃ増えてません? 透視で見てると目が焼けそうなくらい濃密で莫大な魔力を感じる。
「イリス、会えてうれしいし積もる話もいっぱいあるけどどうやってここ来たの? それにその魔力はどうした」
「キミヒトめがけてテレポートした。魔力はよくわかんないけどキミヒトが何かしたんじゃないの」
テレポート出来たんかい。いやそれにしてもテレポートって知ってる場所しか無理なんじゃないんだっけ。色々おかしいような気がするんだけどイリスならなんでも出来そうだしもうそういう事にしておくしかないな。
「俺は何もしてないよ、とりあえずテレポート使えるならここから出ない?」
「嘘。キミヒトが何かしてないと私生きてない。それに時間が巻き戻ってる気がする。キミヒト何したの」
「いやあのイリスさん? そういう話も含めてここ出てからしません?」
思わず敬語になってしまうがそれも仕方ない。イリスが思いっきり抱き着いているしその力が徐々に強まってるし何かしらの威圧感も感じる。確かに戦闘中か、捕虜になっている最中か、考えたくはないが死んでいたかもしれないのにいきなり場面が変わったら驚くだろう。
「……怖かった」
イリスはぼそっと呟く。ああそうか、イリスは前の世界で死ぬ覚悟をして俺とフラフィーを助けてくれた。格上の魔族と戦いもう二度と平和を楽しめないと思ったらめちゃくちゃ怖かっただろう。
俺もイリスとクロエの二人にもう会えないと思ったら絶望して何も考えられなくなっていたからな。感動的な再会としてはちょっと異様な雰囲気の場所だけど今はイリスの好きなようにさせておくか。
「怖い思いさせてごめんな」
「また会えたから、いい」
頭をよしよしとなでているとイリスの力は段々と弱まって来た。どうやらそろそろ行動しようという気になって来たらしい。流石にムードが無さすぎるし周りの様子に気付いたのかもしれない。
「……キミヒト、女の臭いする」
はい違いました。
「フラフィーかあかねだろ? さっきまで一緒にいたし」
「違う。その二人の臭いは覚えてる。他の女の臭いがする。どういうこと」
ええと、どういうことと聞かれましてもとても返答に困るのですがこれはどうしたらいいでしょうか? たぶんそれはめぐの匂いだと思いますが、イリス鼻よすぎるんじゃないでしょうか。かぎ分けられるのかよ。
「うーん……長くなるんだけどいいかな?」
「やっぱりいるんだ。浮気者」
「あがががちょ、まて、イリス、それまじやば、シャレになってない!」
イリスは一度緩めた抱きしめる手に力を込めていく。それに対応して俺の体は締め付けられ骨がきしむ音が聞こえ始める。
嘘だろ、俺不屈も守護も発動してるんですけど? ってイリスこいつ身体強化使ってやがる! いや待てまじでこれ俺が守護覚えてなかったら死んでるんすけど!
「む、キミヒト、強くなった」
「げほ、はぁはぁ……まじで、死ぬかと思った」
俺がギリギリでもう無理となる寸前、イリスは俺を離した。どうやら最初から殺す気はなかったようで俺のギリギリを狙っていたようだった。この子は見た目の割りにS気が強いと思うんだ。
クロエがSっぽいけど実はMだとあかねに称されるしたぶんこの姉妹は見た目と中身にギャップがあるよね。無表情のロリに攻められるのとても良いと思うので是非今度お願いいたします。
そしてイリスにいじめられた後はクロエいじってさらに楽しむプレイをしたいです。その後あかねも交えてみんなでフラフィーを苛め抜くという黄金プレイまで発展するとなおよし。
フラフィーはいじられている時が一番輝くしなんだかんだで許してくれるからついつい色々なことがしたくなってしまう。
ああまた意識無くなりそうになって妄想始まってた。
「ふぅ、落ち着いた。じゃあイリス、一旦ここを出ようぜ」
「テレポートここ使えないみたい」
だから出ようって言っても反応なかったんか。そう言う事は先に言ってくれや。
確認してみると剣でつけた傷も無くなっていた。自動修復機能付きの壁とかますますダンジョンっぽいけどこれどうしようもないんじゃないの? 自分自身を透過して反対側に踏み出すというのも手だけどそこが壁だったらほぼ詰み。
ロンドの連中を救出する時みたいに反対側がどうなってるか分かってれば大丈夫だったけど、透過失敗したら体なくなるしやりたくない。殴っても壊せないし、治るなら魔術的なものだし外から覗いた壁の薄さではないかもしれない。透過して突き抜けるのは最終手段として取っておこう。
となると他の手段だが……人が入って来るのを待つ、くらいだろうか。
ここまで多くの人が詰め込まれているということはたぶん補充もされているんじゃないだろうか? と思ったがその考えは甘かったようだ。全員同じ顔立ちしてるしたぶんどこかの少数民族。服装もみんな似たり寄ったりだし。
となると中から開けられない、外からも助けは来ない。うんうん詰んだ詰んだ。これは外のみんなにお任せだなおやすみなさい。
「キミヒト、寝ない……すやぁ」
俺が少し休もうと身体を壁に預けると声がした。ものすごい懐かしい声で幻聴かと思ったが、その直後にどさっと倒れるような音も聴こえたので目を開ける。
そこにはとても整った顔立ちで高校のブレザーのような服を着た天使が居た。ブレザーの色は黒で地味だが、銀髪との対比によりものすごく妙なマッチ具合を醸し出している。
見間違えるはずもなし。イリスだわ。
「イリスだよな……? やべぇ涙でそう」
眠ってしまったイリスにいたずらしようという気持ちすら沸いてこないほどの感動。いやごめんなんか気が抜けたせいかいたずらしたい気持ちはあります。でも感動したのは本当なので髪を触らせてもらうくらいにしておきます。
っていうかこれいつもの戦闘服じゃないな。初めて出会った時からずっとあの入学式に着ていくようなフリル付きの服だったけど今はどうみても違う。なんかこれ、ミカのお店で見たことあるような?
とりあえず起こすか。
不屈を発動させ一応効果範囲増も使ってイリスの手を握る。そうして少し待つとイリスは目を覚ました。
「ん……寝てた。おはよう」
「おはようイリス。来てくれたのか」
「キミヒトは私の物。私もキミヒトの物。ピンチにはすぐ駆けつける」
ああもうこいつかわいいなちくしょう。本当は前回の世界での事とか色々聞いておきたかったけどそれはもう全部後回し。とりあえず思いっきり抱きしめさせてもらおう。
小柄な体、ふんわりとした優しい匂い、どこかぼーっとしてるけどしっかりとした意思を持つ強い瞳。そしてあふれ出るほどの恐ろしい魔力量。
……イリスさん魔力量めっちゃ増えてません? 透視で見てると目が焼けそうなくらい濃密で莫大な魔力を感じる。
「イリス、会えてうれしいし積もる話もいっぱいあるけどどうやってここ来たの? それにその魔力はどうした」
「キミヒトめがけてテレポートした。魔力はよくわかんないけどキミヒトが何かしたんじゃないの」
テレポート出来たんかい。いやそれにしてもテレポートって知ってる場所しか無理なんじゃないんだっけ。色々おかしいような気がするんだけどイリスならなんでも出来そうだしもうそういう事にしておくしかないな。
「俺は何もしてないよ、とりあえずテレポート使えるならここから出ない?」
「嘘。キミヒトが何かしてないと私生きてない。それに時間が巻き戻ってる気がする。キミヒト何したの」
「いやあのイリスさん? そういう話も含めてここ出てからしません?」
思わず敬語になってしまうがそれも仕方ない。イリスが思いっきり抱き着いているしその力が徐々に強まってるし何かしらの威圧感も感じる。確かに戦闘中か、捕虜になっている最中か、考えたくはないが死んでいたかもしれないのにいきなり場面が変わったら驚くだろう。
「……怖かった」
イリスはぼそっと呟く。ああそうか、イリスは前の世界で死ぬ覚悟をして俺とフラフィーを助けてくれた。格上の魔族と戦いもう二度と平和を楽しめないと思ったらめちゃくちゃ怖かっただろう。
俺もイリスとクロエの二人にもう会えないと思ったら絶望して何も考えられなくなっていたからな。感動的な再会としてはちょっと異様な雰囲気の場所だけど今はイリスの好きなようにさせておくか。
「怖い思いさせてごめんな」
「また会えたから、いい」
頭をよしよしとなでているとイリスの力は段々と弱まって来た。どうやらそろそろ行動しようという気になって来たらしい。流石にムードが無さすぎるし周りの様子に気付いたのかもしれない。
「……キミヒト、女の臭いする」
はい違いました。
「フラフィーかあかねだろ? さっきまで一緒にいたし」
「違う。その二人の臭いは覚えてる。他の女の臭いがする。どういうこと」
ええと、どういうことと聞かれましてもとても返答に困るのですがこれはどうしたらいいでしょうか? たぶんそれはめぐの匂いだと思いますが、イリス鼻よすぎるんじゃないでしょうか。かぎ分けられるのかよ。
「うーん……長くなるんだけどいいかな?」
「やっぱりいるんだ。浮気者」
「あがががちょ、まて、イリス、それまじやば、シャレになってない!」
イリスは一度緩めた抱きしめる手に力を込めていく。それに対応して俺の体は締め付けられ骨がきしむ音が聞こえ始める。
嘘だろ、俺不屈も守護も発動してるんですけど? ってイリスこいつ身体強化使ってやがる! いや待てまじでこれ俺が守護覚えてなかったら死んでるんすけど!
「む、キミヒト、強くなった」
「げほ、はぁはぁ……まじで、死ぬかと思った」
俺がギリギリでもう無理となる寸前、イリスは俺を離した。どうやら最初から殺す気はなかったようで俺のギリギリを狙っていたようだった。この子は見た目の割りにS気が強いと思うんだ。
クロエがSっぽいけど実はMだとあかねに称されるしたぶんこの姉妹は見た目と中身にギャップがあるよね。無表情のロリに攻められるのとても良いと思うので是非今度お願いいたします。
そしてイリスにいじめられた後はクロエいじってさらに楽しむプレイをしたいです。その後あかねも交えてみんなでフラフィーを苛め抜くという黄金プレイまで発展するとなおよし。
フラフィーはいじられている時が一番輝くしなんだかんだで許してくれるからついつい色々なことがしたくなってしまう。
ああまた意識無くなりそうになって妄想始まってた。
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