呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第165話 世界が滅んだとして
「少し考えさせてくれ」
「えー? まあいいよ。そこの女の子との別れも惜しんでおかないといけないもんね。でも時間があんまりないから明日の夜もっかい来てね。その時にはショウ君もおじいちゃんもいるから。よろしく。あ、逃げても場所わかるから」
「脅しみたいなことしなくてもとりあえず来るだけ来るよ。じゃあな」
話は終わったので俺とフラフィーは教会を後にする。しかしシオリの奴、世界を救うために行動してるって言ってたけど全然目的がはっきりしてないな。
世界を救うために行動してるけどそれが当たり前だからそれ以上でも以下でもない、みたいな言動が節々からうかがえた。理由もなく世界救いたいとか一番のユウキといい勝負だろほんと。
「キミヒトさん……全然話についていけなかったんですけどどういうことですか?」
「宿屋に着いたら説明するよ」
そうだよな、異世界とかパラレルワールドとか言われたところでこっちの世界の住人のフラフィーには馴染みが無さすぎる単語ばっかりだよな。俺がもしライトノベルとかゲームとか知らなかったら半分も理解出来てなかったはずだ。
というわけで宿屋に帰って詳しくフラフィーに説明をする。
「つまり、俺が女の子を連れていたっていうのは幻想だったってことだよ」
「その世界では私を選んでくれなかったって事ですね」
「いや選んだとかそう言う事じゃなくてだな、お互いを全く知らないってことだよ」
「それでも選んで欲しかったです」
めんどくせぇ。めちゃくちゃ拗ねてやがるぜこいつ。包丁持ちだしてこないだけまだ平気だけど他の世界の俺の行動をとがめられたところで俺に責任は無いというのを全然理解してくれない。
包丁で傷つけたら回復するの大変ってことしか理解してないんじゃなかろうか。
「もしこれから次の世界へ行ったとしても、俺はちゃんとフラフィーを捕まえるよ」
「……今の、私は? キミヒトさん、あの女のスキルで過去に戻るみたいな気でいますけど、今の私達の関係はどうなるんですか? なくなっちゃうんですか? それともここにいるキミヒトさんだけいなくなって私だけ取り残されるんですか? 嫌ですよ、ず、ずっと、一緒にい、いるって……ぐす」
ガチ泣きだ。そうだ、過去に行けるという魅力的な話に釣られて全然今の状態の事を考えていなかった。フラフィーを守るって言っておきながら自分の事ばっかり考えていた。
スキルを発動した場合、この今いる俺とフラフィーはどうなってしまうんだろう。まずこれを考えて質問するべきだった。フラフィーが不安になるのも無理はない。
そうだな、俺に世界を救うなんて土台無理な話なんだよ。それなら二人で旅したいって正直に言ってしまおうか。うん、そうしよう。
「なぁフラフィー、世界が滅んだとして、どうなるかわからないけど俺と一緒にいてくれるか?」
「急になんですか……? 一緒にいたいからこうやって泣いてるんですよ」
「ああそうだな。ごめんな。フラフィーを置いていく事になるなら世界が滅んだって構わない。ずっと一緒にいられる道を探そう」
「キミヒトさん……」
よしよししてやると落ち着いてきたのか段々涙が止まってきたのがわかる。そのままベッドに寝かしつけ、寝るまで手を握って置く。旅疲れもあったのか、フラフィーはすぐに寝てしまった。
「さて、行くか」
深夜帯とは言え外は明かりがともされている所が結構ある。例えば冒険者ギルドは深夜に帰って来る冒険者を迎えるために常に明かりがある。近所迷惑になるため酒場は流石に閉まっているが、それでも人は少しはいる。
他にも薬屋や治療院等、緊急を要する場所は明かりがついていることもあり街自体はそんなに暗くはない。透視が使えるから暗くなっていたとしても問題ないといえば問題ないけども。
そして教会もその一つ。今回は裏口からではなく正面から入る。
こんな時間に来ると人気は全くなく、俺一人しかいない。存分にお祈りをさせてもらおうかな。
女神様は言っていた。魔王を倒すために、世界が滅びるのを止めるためにちょっと本気出しちゃうよと。あの女神様の本気がどんなもんなのか気になるところではあるが、一応女神様が言っていた五日は今日なので準備ができているかもしれない。
仮にもこの世界を統べる人物。どんなスーパーな事をやってくれるのか気になってしまうぜ。というわけでお祈り。
女神様へ。
いつも大変お世話になっております。信者一号のキミヒトです。
件名でお知らせすることが出来ず大変申し訳なく思います。前回女神様にお会いしてから五日が経ちました。大変お忙しい中私のために時間を割き、さらに世界を救うという大きな事業を成し遂げようとしている女神様には頭があがりません。
女神様がおっしゃられていた五日後の今日、いつもと場所が違いますがお祈りを捧げさせていただきました。お疲れかと思いますが、一度こうして連絡を入れさせていただくことを許していただきたいと思います。
お忙しい身であられる女神様の事、まだ準備が整っていない部分もあるかと思います。少し休憩の意味も兼ねて一度お話しさせていただけないでしょうか。
返信お待ちしております。
異世界転生させていただいたあなたの信者一号キミヒト。
「だからですね? 毎回堅苦しいし重いんですよ?」
「女神様こんばんは」
疲れた顔の女神様が登場した。
「えー? まあいいよ。そこの女の子との別れも惜しんでおかないといけないもんね。でも時間があんまりないから明日の夜もっかい来てね。その時にはショウ君もおじいちゃんもいるから。よろしく。あ、逃げても場所わかるから」
「脅しみたいなことしなくてもとりあえず来るだけ来るよ。じゃあな」
話は終わったので俺とフラフィーは教会を後にする。しかしシオリの奴、世界を救うために行動してるって言ってたけど全然目的がはっきりしてないな。
世界を救うために行動してるけどそれが当たり前だからそれ以上でも以下でもない、みたいな言動が節々からうかがえた。理由もなく世界救いたいとか一番のユウキといい勝負だろほんと。
「キミヒトさん……全然話についていけなかったんですけどどういうことですか?」
「宿屋に着いたら説明するよ」
そうだよな、異世界とかパラレルワールドとか言われたところでこっちの世界の住人のフラフィーには馴染みが無さすぎる単語ばっかりだよな。俺がもしライトノベルとかゲームとか知らなかったら半分も理解出来てなかったはずだ。
というわけで宿屋に帰って詳しくフラフィーに説明をする。
「つまり、俺が女の子を連れていたっていうのは幻想だったってことだよ」
「その世界では私を選んでくれなかったって事ですね」
「いや選んだとかそう言う事じゃなくてだな、お互いを全く知らないってことだよ」
「それでも選んで欲しかったです」
めんどくせぇ。めちゃくちゃ拗ねてやがるぜこいつ。包丁持ちだしてこないだけまだ平気だけど他の世界の俺の行動をとがめられたところで俺に責任は無いというのを全然理解してくれない。
包丁で傷つけたら回復するの大変ってことしか理解してないんじゃなかろうか。
「もしこれから次の世界へ行ったとしても、俺はちゃんとフラフィーを捕まえるよ」
「……今の、私は? キミヒトさん、あの女のスキルで過去に戻るみたいな気でいますけど、今の私達の関係はどうなるんですか? なくなっちゃうんですか? それともここにいるキミヒトさんだけいなくなって私だけ取り残されるんですか? 嫌ですよ、ず、ずっと、一緒にい、いるって……ぐす」
ガチ泣きだ。そうだ、過去に行けるという魅力的な話に釣られて全然今の状態の事を考えていなかった。フラフィーを守るって言っておきながら自分の事ばっかり考えていた。
スキルを発動した場合、この今いる俺とフラフィーはどうなってしまうんだろう。まずこれを考えて質問するべきだった。フラフィーが不安になるのも無理はない。
そうだな、俺に世界を救うなんて土台無理な話なんだよ。それなら二人で旅したいって正直に言ってしまおうか。うん、そうしよう。
「なぁフラフィー、世界が滅んだとして、どうなるかわからないけど俺と一緒にいてくれるか?」
「急になんですか……? 一緒にいたいからこうやって泣いてるんですよ」
「ああそうだな。ごめんな。フラフィーを置いていく事になるなら世界が滅んだって構わない。ずっと一緒にいられる道を探そう」
「キミヒトさん……」
よしよししてやると落ち着いてきたのか段々涙が止まってきたのがわかる。そのままベッドに寝かしつけ、寝るまで手を握って置く。旅疲れもあったのか、フラフィーはすぐに寝てしまった。
「さて、行くか」
深夜帯とは言え外は明かりがともされている所が結構ある。例えば冒険者ギルドは深夜に帰って来る冒険者を迎えるために常に明かりがある。近所迷惑になるため酒場は流石に閉まっているが、それでも人は少しはいる。
他にも薬屋や治療院等、緊急を要する場所は明かりがついていることもあり街自体はそんなに暗くはない。透視が使えるから暗くなっていたとしても問題ないといえば問題ないけども。
そして教会もその一つ。今回は裏口からではなく正面から入る。
こんな時間に来ると人気は全くなく、俺一人しかいない。存分にお祈りをさせてもらおうかな。
女神様は言っていた。魔王を倒すために、世界が滅びるのを止めるためにちょっと本気出しちゃうよと。あの女神様の本気がどんなもんなのか気になるところではあるが、一応女神様が言っていた五日は今日なので準備ができているかもしれない。
仮にもこの世界を統べる人物。どんなスーパーな事をやってくれるのか気になってしまうぜ。というわけでお祈り。
女神様へ。
いつも大変お世話になっております。信者一号のキミヒトです。
件名でお知らせすることが出来ず大変申し訳なく思います。前回女神様にお会いしてから五日が経ちました。大変お忙しい中私のために時間を割き、さらに世界を救うという大きな事業を成し遂げようとしている女神様には頭があがりません。
女神様がおっしゃられていた五日後の今日、いつもと場所が違いますがお祈りを捧げさせていただきました。お疲れかと思いますが、一度こうして連絡を入れさせていただくことを許していただきたいと思います。
お忙しい身であられる女神様の事、まだ準備が整っていない部分もあるかと思います。少し休憩の意味も兼ねて一度お話しさせていただけないでしょうか。
返信お待ちしております。
異世界転生させていただいたあなたの信者一号キミヒト。
「だからですね? 毎回堅苦しいし重いんですよ?」
「女神様こんばんは」
疲れた顔の女神様が登場した。
「呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
-
3万
-
4.9万
-
-
1,392
-
1,160
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
5,217
-
2.6万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
8,191
-
5.5万
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
62
-
89
-
-
89
-
139
-
-
6,681
-
2.9万
-
-
218
-
165
-
-
614
-
221
-
-
2,534
-
6,825
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
614
-
1,144
-
-
450
-
727
-
-
62
-
89
-
-
6,199
-
2.6万
-
-
1,000
-
1,512
-
-
33
-
48
-
-
183
-
157
-
-
6,237
-
3.1万
-
-
398
-
3,087
-
-
71
-
63
-
-
27
-
2
-
-
116
-
17
-
-
104
-
158
-
-
215
-
969
-
-
1,301
-
8,782
-
-
14
-
8
「ファンタジー」の人気作品
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
1万
-
2.3万
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
9,545
-
1.1万
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
9,173
-
2.3万
コメント