呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第146話 ガチバトル
扉はゆっくりと開かれそこから青年が顔を見せる。見た目は大学生くらいで俺達よりも年上のような雰囲気を感じさせる。簡単に言うと頼れるお兄さんといった感じだろうか。
ただ、俺の頭痛は激しくなり不屈を発動させていても中々に耐えがたい衝動に襲われている。
そんな俺を見てユウキは平然としていた。
「なるほど、これが呪いの影響ってやつかな?」
「お前は……なんともないのか?」
「ものすごくキツイね。僕の中の勇者以外の部分が君たちを殺せと強く叫んでいるよ」
俺と同じ衝動に襲われているのに耐えているのはおかしい。不屈と似たようなスキルを持っているか、とうに狂い切っているかのどちらかだ。
だが会話が出来るというのは嬉しい誤算だ。アマンダにユウキは俺達を見たら襲い掛かるとか脅しといてこの状況は若干恥ずかしくもあるな。
「じゃあ質問だ、なんでこの街に来たのか目的を教えてくれないか」
「僕の目的は魔王の討伐だよ。勇者として召喚されたからにはやっぱりそれが当然だろう? 仲間を集めて街を救いながら魔王を倒すための冒険する、これが僕の知っている異世界召喚だ」
なるほど、ガチの勇者RPGしてるってことか。勇者召喚と言えば確かに最終的な目的はそれだろう。しかしそれは女神や神様からお願いされた場合だろう。
そしてチート能力をもらってなかなかの待遇で召喚されたならわかる。だが実際はどうだ、かなりひどい待遇でかつ拷問みたいなことされるとかあるか? それなのに勇者として全うな冒険をしようとしているのか。
間違いなく狂ってる側だな。
だが話が通じるなら解放を使えるんじゃないだろうか?
「ユウキ……だよな。俺はキミヒト、第三グループに分けられていたんだが覚えているか? いやそれはいいや、呪いの影響を消せると言ったら信じるか?」
「うん、信じるよ。僕は勇者として人を疑わないと決めているからね」
こいつは勇者を善人と解釈しているというか勘違い系のやつなのだろうか。ハーレムを形成しているみたいだし王道を走ろうとしているのかな。
それなら好都合なので呪いを解かせてもらおう。そうすれば俺のこの頭痛も完全に収まるだろうしユウキも正気に戻るだろう。正気がどんなのかは全くわからないが。
「あかね、やってしまってくれ」
「うん。わかった、戦闘にならなくてよかったね」
全くだよ。このユウキは絶対に強い。当然ステータスを覗くことも出来ないし見た感じ隙がない。壁越しに殺気を感じ取ったことと言い油断出来る相手じゃない。
呪いを解いてしまえば問題なくなるだろうけど。
「君のスキルを使えば僕の呪いが解けるのかい?」
ユウキはあかねに問いかける。
「……ユウキ君、今、楽しんでるんだね」
あかねはユウキにスキルを発動させて質問を返す。
「そりゃね、異世界転生なんて夢にみた展開だし楽しくないわけがないよ」
「そっか。うん、じゃあやっぱり無理だ」
直後あかねはユウキに斬りかかる。しかしその一閃は鞘から少しだけ抜かれたユウキの剣によって阻まれる。不意打ちに近い一撃を難なく受け止めたことからユウキはやはりかなり強いことがわかる。
しかしどうしてあかねはユウキに斬りかかったのか。強さ的にこちらが負けているのは明らかだろうに。そもそもお互いに敵意を持っていても、戦わなくて済むなら戦う理由なんてないだろう。
「……どういうつもりだい?」
「あなたは今の状況を楽しんでる。それに呪いを完全に受け入れてそれすらも自分の力だと思ってる。呪いを解いてほしい何てこれっぽっちも思っていないし自分が一番正しいと思ってる」
「……それがどうして斬られる理由になるのかな」
「あなたは世界を正しい方向にしようと思っている。偽善だとしても凄いと思うよ。でもね、あなたからはキミヒト君を殺そうという意志を感じる。抑えてるなんて嘘、機をうかがってるだけ。だから私はあなたを殺すしかないと思ってる。これが理由ならいいかな?」
あかねは饒舌に語ってみせる。呪いが解けなかったのはかまわない、いつしかフラフィーの時のようにその人自身が受け入れいている状態異常は解放することは出来ないと言っていたからそういうものなのだろう。
しかしだからとって喧嘩を売る必要はあるのだろうか。あかねには何もメリットがない……それどころか二人がかりで戦っても負けるなら逃げるしかないんじゃないだろうか。
俺たちが狙われているのは間違いないが、あかねのセリフでは俺だけが対象のようだし穏便に済ませる方法だってあったはずだ。
「そうかい、じゃあ僕も遠慮なくやらせてもらおうかな」
ユウキはあかねの剣をはじき、蹴りを放つがそれに合わせてあかねも蹴りをだし後ろに飛びこちらに合流する。
「キミヒト君、この結界から逃げられるわけないでしょ。いつまでひよってんの、やるよ」
そうか、俺はビビってるのか。相手が強いから、ステータスが絶対に適わないから、あかねを守ることが出来ないから。
そんな俺の甘えた感情をあかねはしっかりと見ていたようだ。そしてこんなに強気のあかねというのも珍しい。そうだな、あかねがここまで言うなら乗ってやろうじゃないか。
「わかったよ、やってやろうじゃないか」
「そうそう、キミヒト君は無駄に自信をもっていないとね」
あかねと並び俺は剣を構え、頭痛を不屈で抑えるのを少しだけ止める。ユウキに対してかなりの敵意を感じるが、不屈のおかげで冷静さは全く失わずに対峙することが出来る。
「君たちに勇者の力を見せてあげよう。アマンダ、下がっててくれ」
「あ、あぁ」
アマンダは何がどうなってるのかさっぱりわからずうろたえていたが、ユウキの言葉により後ろに下がっていく。
「人相手に弱い者いじめは好きじゃない。魔法は使わないであげるよ」
「そうかい、死んでも後悔しないようにな!」
こうして勇者のユウキとガチバトルをすることになった。
ただ、俺の頭痛は激しくなり不屈を発動させていても中々に耐えがたい衝動に襲われている。
そんな俺を見てユウキは平然としていた。
「なるほど、これが呪いの影響ってやつかな?」
「お前は……なんともないのか?」
「ものすごくキツイね。僕の中の勇者以外の部分が君たちを殺せと強く叫んでいるよ」
俺と同じ衝動に襲われているのに耐えているのはおかしい。不屈と似たようなスキルを持っているか、とうに狂い切っているかのどちらかだ。
だが会話が出来るというのは嬉しい誤算だ。アマンダにユウキは俺達を見たら襲い掛かるとか脅しといてこの状況は若干恥ずかしくもあるな。
「じゃあ質問だ、なんでこの街に来たのか目的を教えてくれないか」
「僕の目的は魔王の討伐だよ。勇者として召喚されたからにはやっぱりそれが当然だろう? 仲間を集めて街を救いながら魔王を倒すための冒険する、これが僕の知っている異世界召喚だ」
なるほど、ガチの勇者RPGしてるってことか。勇者召喚と言えば確かに最終的な目的はそれだろう。しかしそれは女神や神様からお願いされた場合だろう。
そしてチート能力をもらってなかなかの待遇で召喚されたならわかる。だが実際はどうだ、かなりひどい待遇でかつ拷問みたいなことされるとかあるか? それなのに勇者として全うな冒険をしようとしているのか。
間違いなく狂ってる側だな。
だが話が通じるなら解放を使えるんじゃないだろうか?
「ユウキ……だよな。俺はキミヒト、第三グループに分けられていたんだが覚えているか? いやそれはいいや、呪いの影響を消せると言ったら信じるか?」
「うん、信じるよ。僕は勇者として人を疑わないと決めているからね」
こいつは勇者を善人と解釈しているというか勘違い系のやつなのだろうか。ハーレムを形成しているみたいだし王道を走ろうとしているのかな。
それなら好都合なので呪いを解かせてもらおう。そうすれば俺のこの頭痛も完全に収まるだろうしユウキも正気に戻るだろう。正気がどんなのかは全くわからないが。
「あかね、やってしまってくれ」
「うん。わかった、戦闘にならなくてよかったね」
全くだよ。このユウキは絶対に強い。当然ステータスを覗くことも出来ないし見た感じ隙がない。壁越しに殺気を感じ取ったことと言い油断出来る相手じゃない。
呪いを解いてしまえば問題なくなるだろうけど。
「君のスキルを使えば僕の呪いが解けるのかい?」
ユウキはあかねに問いかける。
「……ユウキ君、今、楽しんでるんだね」
あかねはユウキにスキルを発動させて質問を返す。
「そりゃね、異世界転生なんて夢にみた展開だし楽しくないわけがないよ」
「そっか。うん、じゃあやっぱり無理だ」
直後あかねはユウキに斬りかかる。しかしその一閃は鞘から少しだけ抜かれたユウキの剣によって阻まれる。不意打ちに近い一撃を難なく受け止めたことからユウキはやはりかなり強いことがわかる。
しかしどうしてあかねはユウキに斬りかかったのか。強さ的にこちらが負けているのは明らかだろうに。そもそもお互いに敵意を持っていても、戦わなくて済むなら戦う理由なんてないだろう。
「……どういうつもりだい?」
「あなたは今の状況を楽しんでる。それに呪いを完全に受け入れてそれすらも自分の力だと思ってる。呪いを解いてほしい何てこれっぽっちも思っていないし自分が一番正しいと思ってる」
「……それがどうして斬られる理由になるのかな」
「あなたは世界を正しい方向にしようと思っている。偽善だとしても凄いと思うよ。でもね、あなたからはキミヒト君を殺そうという意志を感じる。抑えてるなんて嘘、機をうかがってるだけ。だから私はあなたを殺すしかないと思ってる。これが理由ならいいかな?」
あかねは饒舌に語ってみせる。呪いが解けなかったのはかまわない、いつしかフラフィーの時のようにその人自身が受け入れいている状態異常は解放することは出来ないと言っていたからそういうものなのだろう。
しかしだからとって喧嘩を売る必要はあるのだろうか。あかねには何もメリットがない……それどころか二人がかりで戦っても負けるなら逃げるしかないんじゃないだろうか。
俺たちが狙われているのは間違いないが、あかねのセリフでは俺だけが対象のようだし穏便に済ませる方法だってあったはずだ。
「そうかい、じゃあ僕も遠慮なくやらせてもらおうかな」
ユウキはあかねの剣をはじき、蹴りを放つがそれに合わせてあかねも蹴りをだし後ろに飛びこちらに合流する。
「キミヒト君、この結界から逃げられるわけないでしょ。いつまでひよってんの、やるよ」
そうか、俺はビビってるのか。相手が強いから、ステータスが絶対に適わないから、あかねを守ることが出来ないから。
そんな俺の甘えた感情をあかねはしっかりと見ていたようだ。そしてこんなに強気のあかねというのも珍しい。そうだな、あかねがここまで言うなら乗ってやろうじゃないか。
「わかったよ、やってやろうじゃないか」
「そうそう、キミヒト君は無駄に自信をもっていないとね」
あかねと並び俺は剣を構え、頭痛を不屈で抑えるのを少しだけ止める。ユウキに対してかなりの敵意を感じるが、不屈のおかげで冷静さは全く失わずに対峙することが出来る。
「君たちに勇者の力を見せてあげよう。アマンダ、下がっててくれ」
「あ、あぁ」
アマンダは何がどうなってるのかさっぱりわからずうろたえていたが、ユウキの言葉により後ろに下がっていく。
「人相手に弱い者いじめは好きじゃない。魔法は使わないであげるよ」
「そうかい、死んでも後悔しないようにな!」
こうして勇者のユウキとガチバトルをすることになった。
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