呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第127話 困った時のあいつら
とりあえず女神様への報告は後でするとしてまずはショウの処遇だな。ほったらかしにしてもいいけど今この街は平和とはいいがたいはずだ。ショウのせいで戦力それなりに削られちゃったし。
勇者たちがみんなバラバラになったなら正直まともにかち合う確率は低いだろうしこっちの方が優先順位は高そうだ。ショウは誰とも連絡を取っている様子もないし、この分じゃ他の勇者たちも同じだろう。
もしいるとすれば呪いが効いてなかった誰かだけだけど……誰だろ。
「そうだ、キミヒトって言ったっけ」
「ん? 何か思い出したか?」
「いやそうじゃなくて……。助けてくれてありがとう」
……俺はこいつをちゃんと助けられたのだろうか。お礼を言われるような事ができていたのだろうか。王城の連中から助けたのは俺じゃないし、呪いから助けることが出来たのもあかねがいたからだし成り行きだ。
それに腕を奪ってしまったし礼を言われるのはなんだか心苦しい。
そんな俺の視線に気づいたのかショウはあっけなく笑う。
「この腕が気になるのか? いいよこんなの。王城にいた時よりはずっとましだから……だから気にしないでほしい」
「……そうか」
一瞬謝ろうかと思ったが、王城ではかなりひどい目にあっていたのに途中で離脱した俺が謝るのは何か違う気がしたのでやめた。礼を言われるなら素直に受け取ろう。
というか平和な日本から召喚されて、王城で拷問受けて腕を失って平然としてるこいつも相当やばいな。呪いの影響で色々と常識がふっとんだけどこんなに影響でるくらいひどい目にあったのか。
俺もほとんどだるまみたいにされたけど今じゃもう別に気にしてないしそういうもんだと思っておいた方がいいかもしれないな。もう日本に戻っても普通に生活出来ないだろうし。戻る気もないけど。
「俺はどうしたらいい?」
「そうだな……」
俺は困った時のあいつらを呼ぶことにした。
「おうキミヒト大変だったみたいだな。あとあれありがとな」
「任せちまってすまなかったな。あれは有効に使わせてもらうぜ」
「この少年をくれるのかい? さっそくあれを使えって事か?」
「やめろそうじゃない。さっき説明しただろが」
困ったときはロンドの連中を呼ぶに限る。ついでに例のブツを渡しておいた。結構便利そうだったので全部じゃなく数本だけ手元に残しておいたが。
女性陣から疑問の視線を頂いたがそれは暗黙の了解で全員スルー。ロンド的には問題ないだろうが俺の名誉を守ってくれていると信じよう。別にばれても困るもんじゃないけどショウには黙っておいた方がいいだろう。
「この人たちは?」
「こいつらは疾風のロンドって呼ばれてる連中だ。この街の事ならこいつらに聞けば大概どうにでもなる。これから魔物の討伐もあるしこいつらと一緒に行動すれば問題ないだろう」
というわけで丸投げ。戦力としては申し分ないけどパーティ的に人数的に多すぎるからいらない。それならこの街に置いておいてスタンピードの抑止力になってもらおうと言う作戦を取ることにした。
これならもし街からバックれることになってもなんとか体裁を保てるはず。ショウを止めただけでも充分以上の働きをしたと思ってもらおう。俺のせいで呼び込んだみたいなもんだから街としてはとばっちりだが言わなきゃばれない。
ショウは片腕でもあほみたいに強いし俺たちが抜けた穴を埋めるには充分だろう。監視の名目も取れるしこれが最善だと思う。というかもしショウが暴れたりしたら俺たちを合わせても勝てないしどうしようもないけど。
っていうかこんな勇者がごろごろいてようやく魔王が討伐出来るって考えると魔王強すぎるんちゃう? なんで世界は魔王に統治されてないんだろうか。
「よろしくな、少年」
「俺たちはイチロウ、ジロウ、サブロウだ。ブラザーでもいいぜ」
「早速だが手伝えるか?」
ロンドの連中はふざけるでもなく普通に自己紹介をする。なんでだよ。俺の時は腰に手をまわしたりやたら近かったりしたのに。真面目なのはいいことだけども。
ショウもロンドに自己紹介をして握手をかわす。こうやってみると普通の挨拶に見えるけど、ロンドの下心を知っていると素直に見ることが出来ない。インパクトありすぎたよこいつら。
でも面倒見も良いし初対面の時は気を使ってくれてもいたんだよな一応。
「ええと……」
「行けそうなら行くと良い。こいつらは頭おかしい愉快な連中だが悪いやつらじゃない」
「おいおいキミヒト、人聞きが悪いぜ」
「俺たちはちょいとお茶目なだけさ」
「嫉妬するなよキミヒト」
してねえよ。ショウはもう動けるようでロンドの連中に付いていった。片腕を無くしたからバランスが悪そうだったがそのうち慣れるだろう。もしくは薬で生やしてもらえるか。
ショウとの戦闘の話はロンドに話したのでギルドに向かう必要はなくなった。ショウも連れていったし詳しい話はショウに聞いてもらっても良いだろう。
そして俺はショウの話を聞いていて少し気になったことがあった。みんなばらけて移動している勇者たちだが、一人心当たりというかもしかしたらと思う話を思い出していた。
「キミヒト、何か気になることでもあるの?」
「ああ。そういえばおかしいことが起きてる話をしてる奴がいたよなって思って」
勇者は常識的な行動をしない。そしてその影響を受けて逃げてきた奴に心当たりがあるし、時期的にもそれなりに合っている。もしかしたら何か情報が得られるかもしれない。
女神様の報告の前に水のダンジョンに向かおう。あそこは門番がいないから全員で行っても大丈夫だろう。
勇者たちがみんなバラバラになったなら正直まともにかち合う確率は低いだろうしこっちの方が優先順位は高そうだ。ショウは誰とも連絡を取っている様子もないし、この分じゃ他の勇者たちも同じだろう。
もしいるとすれば呪いが効いてなかった誰かだけだけど……誰だろ。
「そうだ、キミヒトって言ったっけ」
「ん? 何か思い出したか?」
「いやそうじゃなくて……。助けてくれてありがとう」
……俺はこいつをちゃんと助けられたのだろうか。お礼を言われるような事ができていたのだろうか。王城の連中から助けたのは俺じゃないし、呪いから助けることが出来たのもあかねがいたからだし成り行きだ。
それに腕を奪ってしまったし礼を言われるのはなんだか心苦しい。
そんな俺の視線に気づいたのかショウはあっけなく笑う。
「この腕が気になるのか? いいよこんなの。王城にいた時よりはずっとましだから……だから気にしないでほしい」
「……そうか」
一瞬謝ろうかと思ったが、王城ではかなりひどい目にあっていたのに途中で離脱した俺が謝るのは何か違う気がしたのでやめた。礼を言われるなら素直に受け取ろう。
というか平和な日本から召喚されて、王城で拷問受けて腕を失って平然としてるこいつも相当やばいな。呪いの影響で色々と常識がふっとんだけどこんなに影響でるくらいひどい目にあったのか。
俺もほとんどだるまみたいにされたけど今じゃもう別に気にしてないしそういうもんだと思っておいた方がいいかもしれないな。もう日本に戻っても普通に生活出来ないだろうし。戻る気もないけど。
「俺はどうしたらいい?」
「そうだな……」
俺は困った時のあいつらを呼ぶことにした。
「おうキミヒト大変だったみたいだな。あとあれありがとな」
「任せちまってすまなかったな。あれは有効に使わせてもらうぜ」
「この少年をくれるのかい? さっそくあれを使えって事か?」
「やめろそうじゃない。さっき説明しただろが」
困ったときはロンドの連中を呼ぶに限る。ついでに例のブツを渡しておいた。結構便利そうだったので全部じゃなく数本だけ手元に残しておいたが。
女性陣から疑問の視線を頂いたがそれは暗黙の了解で全員スルー。ロンド的には問題ないだろうが俺の名誉を守ってくれていると信じよう。別にばれても困るもんじゃないけどショウには黙っておいた方がいいだろう。
「この人たちは?」
「こいつらは疾風のロンドって呼ばれてる連中だ。この街の事ならこいつらに聞けば大概どうにでもなる。これから魔物の討伐もあるしこいつらと一緒に行動すれば問題ないだろう」
というわけで丸投げ。戦力としては申し分ないけどパーティ的に人数的に多すぎるからいらない。それならこの街に置いておいてスタンピードの抑止力になってもらおうと言う作戦を取ることにした。
これならもし街からバックれることになってもなんとか体裁を保てるはず。ショウを止めただけでも充分以上の働きをしたと思ってもらおう。俺のせいで呼び込んだみたいなもんだから街としてはとばっちりだが言わなきゃばれない。
ショウは片腕でもあほみたいに強いし俺たちが抜けた穴を埋めるには充分だろう。監視の名目も取れるしこれが最善だと思う。というかもしショウが暴れたりしたら俺たちを合わせても勝てないしどうしようもないけど。
っていうかこんな勇者がごろごろいてようやく魔王が討伐出来るって考えると魔王強すぎるんちゃう? なんで世界は魔王に統治されてないんだろうか。
「よろしくな、少年」
「俺たちはイチロウ、ジロウ、サブロウだ。ブラザーでもいいぜ」
「早速だが手伝えるか?」
ロンドの連中はふざけるでもなく普通に自己紹介をする。なんでだよ。俺の時は腰に手をまわしたりやたら近かったりしたのに。真面目なのはいいことだけども。
ショウもロンドに自己紹介をして握手をかわす。こうやってみると普通の挨拶に見えるけど、ロンドの下心を知っていると素直に見ることが出来ない。インパクトありすぎたよこいつら。
でも面倒見も良いし初対面の時は気を使ってくれてもいたんだよな一応。
「ええと……」
「行けそうなら行くと良い。こいつらは頭おかしい愉快な連中だが悪いやつらじゃない」
「おいおいキミヒト、人聞きが悪いぜ」
「俺たちはちょいとお茶目なだけさ」
「嫉妬するなよキミヒト」
してねえよ。ショウはもう動けるようでロンドの連中に付いていった。片腕を無くしたからバランスが悪そうだったがそのうち慣れるだろう。もしくは薬で生やしてもらえるか。
ショウとの戦闘の話はロンドに話したのでギルドに向かう必要はなくなった。ショウも連れていったし詳しい話はショウに聞いてもらっても良いだろう。
そして俺はショウの話を聞いていて少し気になったことがあった。みんなばらけて移動している勇者たちだが、一人心当たりというかもしかしたらと思う話を思い出していた。
「キミヒト、何か気になることでもあるの?」
「ああ。そういえばおかしいことが起きてる話をしてる奴がいたよなって思って」
勇者は常識的な行動をしない。そしてその影響を受けて逃げてきた奴に心当たりがあるし、時期的にもそれなりに合っている。もしかしたら何か情報が得られるかもしれない。
女神様の報告の前に水のダンジョンに向かおう。あそこは門番がいないから全員で行っても大丈夫だろう。
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