呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第118話 幼女じゃないから
「これからどうする?」
「問題は俺たちが狙われているかどうかということに尽きると思う」
もしも俺達を重点的に狙っているのならば正直この街にはいられない。あまりにも被害が大きくなりすぎるだろうから。そのくらい勇者の力というのは大きいし、確か『火属性特級』持ちのやつもいたしそいつが街で暴れたら……。
たぶん壊滅するな。ダンジョンから魔物が沸き出てくるとか以前の問題で全部吹き飛ぶ。
「キミヒト、勇者って全部あんな感じ?」
「ああ、第一グループの連中は大体あんな感じだ。というかこいつは近接特化だったから大丈夫だったけど基本的にみんな魔法使えるからもっとやばいぞ」
イリスの質問に答える。第一グループに分けられたのはほとんどがハイブリットのスペシャリスト達だ。魔法特化の奴もいたが洗脳の書き込みでそれなりの近接戦闘も出来るようになっているはず。
魔法が強すぎる魔法剣士とか厄介極まりない。器用貧乏じゃなくただただ器用で強いとか羨ましいにも程があるだろう。ガチで長射程のビームサーベルとか作り出しそう。
今までは勇者を助けるために活動しようかと思っていたが、今一番の脅威が勇者というなんとも嫌な感じだ。これは遊んでる場合じゃないかもしれない。
「しゃあねえやりたくないがこいつ起こすか」
情報が不足している今、幼女じゃないからと不屈の使用をためらっていたが無理やり起こすしかない。男と手をつないで喜ぶのはロンドの連中だけで充分だったんだが。
昏睡状態に陥っている六番の手を握り、不屈のスキルを通すように念じる。片方の手で支える必要があるのでどうしても触れてしまうのは仕方がない。あかねの顔が若干赤いのが腹立たしいです。
少しの間そうしていると六番がうめき声と共に目を覚ました。
「うう……あぁ……ここ、は?」
焦点の定まらない目であたりを見回す仕草はまるで子供のようだった。本来はただのやんちゃな少年だったのかもしれないと思うと、呪いの影響の強さがわかってしまう。
「大丈夫か? 自分が誰かわかるか?」
「え……ああわかる……ショウだ」
「良かった。俺の名前はキミヒト、よろしくな。こっちがあかねでこっちの可愛いロリ達がクロエとイリス、この猫はフラフィー。よくわからないだろうが今はとりあえず休んでくれ」
「あ、あぁ……」
どこかぼんやりとしているショウに、いきなり勇者だのなんだのと言うと発狂する恐れがある。片腕もなくなってるし普通に可愛そうだ。あかねの解放がどんな効果があるのかわからないのもあるし慎重に行動したほうがいいだろう。
それにあかねがいれば逃げられることもないし、なんだったら話して情報を聞き出す必要もない。そのまま意思疎通を使って必要な情報を直接抜いてしまえばいいだけなのだから。
ショウを一人部屋に残し俺たちは一度外に出る。
「あかね、どうだった?」
「うん、少し情報漁ってみたけどかなり記憶がごちゃごちゃしててもう少し様子を見たほうがよさそう」
だよな。いきなり理性を戻して元気いっぱいに受け答えしたらそれは操られていたとは思えない。あかねは呪いが解けた後すんごいしんどそうにしてたし俺だってそうだった。
比較的に呪いが薄かったであろう俺達でこれなのだから、長く王城にいた彼の呪いのやばさは押して知るべしってところだろう。発狂しなかったのは凄いが、色々と思い出してからがやばいかもしれない。
あかねはショウの様子を確認するために部屋の前で待機して何かわかったら教えてくれると言ってその場に残った。俺たちはその間にこれからどうするかを考えなくてはならない。
「勇者さん……凄く怖かったです……」
「俺もだよ」
フラフィーは攻撃を直撃されたし、自慢の盾を壊されてしまった。ゴンズに謝罪と新しいのを準備してもらわなくちゃいけないな。これより良い盾があるとは思えないが無いよりはずっといい。
俺も勇者に対する戦法を考えなくちゃいけないしな。基本的には先手必勝か不意打ち、だまし討ちしかないが。そしてあかねに解放を使ってもらって対処するしかないって言うのがとてもつらいが。
ダンジョンでのスキル強化が出来ればよかったんだけど薬草のダンジョンがダメだったからな……。スタンピードも終わるまでは全部のダンジョン閉鎖になるって話だし、確認のためだけに攻略しに行くわけにもいかない。
トオシの方のスキルが強化されまくっていけば未来を見通すとかいって先読み行動できるとかそんなロマンが欲しかったんだよ。
「ショウの状態が良くなる間にゴンズのところに行って来よう。盾がないとフラフィーは戦えないからな」
「キミヒト、あかねにも護衛が必要でしょう? 私とイリスはあかねについておくわ。私たちなら暴れられても対処できると思うから」
「すまん、助かるよ」
「ん、任せておく」
クロエは今あかねの重要性を理解しているので護衛が必要だと言ってくれる。たしかに今あかねに何かあれば全滅エンドが確定する。クロエがいれば回復も出来るしもしものことがあっても逃げるくらいは出来るだろう。
あかねには相変わらず俺と通信できるアイテムを持ってもらっているし呼んでもらうことも可能だ。
あのショウを見た感じでは暴れることは無いとは思うけど一応な。この世界に召喚された人たちに自己主張の強い人たちは少ない。
伊達に最後まで状況を見続けていたわけではないんだぜ。あと自己主張激しかったら女神様にやばい世界に送られていたしその辺は救いと思っていいだろうか。
「問題は俺たちが狙われているかどうかということに尽きると思う」
もしも俺達を重点的に狙っているのならば正直この街にはいられない。あまりにも被害が大きくなりすぎるだろうから。そのくらい勇者の力というのは大きいし、確か『火属性特級』持ちのやつもいたしそいつが街で暴れたら……。
たぶん壊滅するな。ダンジョンから魔物が沸き出てくるとか以前の問題で全部吹き飛ぶ。
「キミヒト、勇者って全部あんな感じ?」
「ああ、第一グループの連中は大体あんな感じだ。というかこいつは近接特化だったから大丈夫だったけど基本的にみんな魔法使えるからもっとやばいぞ」
イリスの質問に答える。第一グループに分けられたのはほとんどがハイブリットのスペシャリスト達だ。魔法特化の奴もいたが洗脳の書き込みでそれなりの近接戦闘も出来るようになっているはず。
魔法が強すぎる魔法剣士とか厄介極まりない。器用貧乏じゃなくただただ器用で強いとか羨ましいにも程があるだろう。ガチで長射程のビームサーベルとか作り出しそう。
今までは勇者を助けるために活動しようかと思っていたが、今一番の脅威が勇者というなんとも嫌な感じだ。これは遊んでる場合じゃないかもしれない。
「しゃあねえやりたくないがこいつ起こすか」
情報が不足している今、幼女じゃないからと不屈の使用をためらっていたが無理やり起こすしかない。男と手をつないで喜ぶのはロンドの連中だけで充分だったんだが。
昏睡状態に陥っている六番の手を握り、不屈のスキルを通すように念じる。片方の手で支える必要があるのでどうしても触れてしまうのは仕方がない。あかねの顔が若干赤いのが腹立たしいです。
少しの間そうしていると六番がうめき声と共に目を覚ました。
「うう……あぁ……ここ、は?」
焦点の定まらない目であたりを見回す仕草はまるで子供のようだった。本来はただのやんちゃな少年だったのかもしれないと思うと、呪いの影響の強さがわかってしまう。
「大丈夫か? 自分が誰かわかるか?」
「え……ああわかる……ショウだ」
「良かった。俺の名前はキミヒト、よろしくな。こっちがあかねでこっちの可愛いロリ達がクロエとイリス、この猫はフラフィー。よくわからないだろうが今はとりあえず休んでくれ」
「あ、あぁ……」
どこかぼんやりとしているショウに、いきなり勇者だのなんだのと言うと発狂する恐れがある。片腕もなくなってるし普通に可愛そうだ。あかねの解放がどんな効果があるのかわからないのもあるし慎重に行動したほうがいいだろう。
それにあかねがいれば逃げられることもないし、なんだったら話して情報を聞き出す必要もない。そのまま意思疎通を使って必要な情報を直接抜いてしまえばいいだけなのだから。
ショウを一人部屋に残し俺たちは一度外に出る。
「あかね、どうだった?」
「うん、少し情報漁ってみたけどかなり記憶がごちゃごちゃしててもう少し様子を見たほうがよさそう」
だよな。いきなり理性を戻して元気いっぱいに受け答えしたらそれは操られていたとは思えない。あかねは呪いが解けた後すんごいしんどそうにしてたし俺だってそうだった。
比較的に呪いが薄かったであろう俺達でこれなのだから、長く王城にいた彼の呪いのやばさは押して知るべしってところだろう。発狂しなかったのは凄いが、色々と思い出してからがやばいかもしれない。
あかねはショウの様子を確認するために部屋の前で待機して何かわかったら教えてくれると言ってその場に残った。俺たちはその間にこれからどうするかを考えなくてはならない。
「勇者さん……凄く怖かったです……」
「俺もだよ」
フラフィーは攻撃を直撃されたし、自慢の盾を壊されてしまった。ゴンズに謝罪と新しいのを準備してもらわなくちゃいけないな。これより良い盾があるとは思えないが無いよりはずっといい。
俺も勇者に対する戦法を考えなくちゃいけないしな。基本的には先手必勝か不意打ち、だまし討ちしかないが。そしてあかねに解放を使ってもらって対処するしかないって言うのがとてもつらいが。
ダンジョンでのスキル強化が出来ればよかったんだけど薬草のダンジョンがダメだったからな……。スタンピードも終わるまでは全部のダンジョン閉鎖になるって話だし、確認のためだけに攻略しに行くわけにもいかない。
トオシの方のスキルが強化されまくっていけば未来を見通すとかいって先読み行動できるとかそんなロマンが欲しかったんだよ。
「ショウの状態が良くなる間にゴンズのところに行って来よう。盾がないとフラフィーは戦えないからな」
「キミヒト、あかねにも護衛が必要でしょう? 私とイリスはあかねについておくわ。私たちなら暴れられても対処できると思うから」
「すまん、助かるよ」
「ん、任せておく」
クロエは今あかねの重要性を理解しているので護衛が必要だと言ってくれる。たしかに今あかねに何かあれば全滅エンドが確定する。クロエがいれば回復も出来るしもしものことがあっても逃げるくらいは出来るだろう。
あかねには相変わらず俺と通信できるアイテムを持ってもらっているし呼んでもらうことも可能だ。
あのショウを見た感じでは暴れることは無いとは思うけど一応な。この世界に召喚された人たちに自己主張の強い人たちは少ない。
伊達に最後まで状況を見続けていたわけではないんだぜ。あと自己主張激しかったら女神様にやばい世界に送られていたしその辺は救いと思っていいだろうか。
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